痛恨…。でも、諦めない!! | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

痛恨…。でも、諦めない!!


 
前回ブログ【てないスピードで… 】で書いた通り、昨日は「1部残留」を争うライバルとの大事な大事な直接対決がありました。

 試合会場は、我々レアル・ソシエダ(Real Sociedad)のホーム。ここでは未だに負けなしで、「ラ・リーガ・ナシオナル(ホンジュラス最高峰リーグ)の中で最も(アウェイチームが)勝つのが難しいスタジアム」と言われています。しかも昨日は首位オリンピアが破れ、この日の試合に勝てば、2位の我々が首位に浮上すると同時に、残留を争うライバルチームとの勝ち点差をさらに伸ばす事ができ!!とてつもなく、重要な試合です!!

 ところが…。

 試合前から、アクシデントが勃発…。「ホームでも前泊をする」のは前々回のブログ【一生、忘れられない瞬間 】でも書きましたが、試合当日の朝食を「8時」から取る事になってるのに、いつまで経ってもその朝食が届かない!!結局、1時間以上も遅れて朝食を取る事になってしまい、これには監督のハイロ・リオスも激怒!!「前にも同じ事があった!その時は停電で遅れたと言い訳してたが、今度は雨で遅れただと!?前回は食事が遅れたため、選手の体が後半にならないと動かなかった!コロンビア(ハイロ・リオスの母国)じゃ、ありえない!」コーチのオラシオ・ロンドーニョも同様に怒っていました。サッカーは、ピッチの上だけで戦うのではありません。ピッチの外の準備(食事や睡眠など)からすでに戦いは始まっています。監督、コーチはそれら全てを緻密に計算して、試合で最高のプレーができるようにオーガナイズしているのです。怒るのも無理はありませ

 さらには前日から止めどなく降り続ける雨…。「延期」の声も囁かれる中、試合は予定通りに行われました。果たして結果は…?






 「0-1」で、敗北…。いろんな意味で、あまりにも痛恨すぎる敗戦…。

 この敗北により「ホーム無敗」記録は打ち破られ、残留を争うライバルに順位を逆転され、降格圏のチームとの勝ち点差が「2」まで縮まってしまいました…。

 しかも次節は、今季まで前人未到の「3連覇」を成し遂げている「ホンジュラス最強チーム」である「オリンピア」(Olimpia)とのアウェー戦…。さらにその次の試合は、そのオリンピアを今節で破った「ホンジュラス4強」チームの1つである「レアル・エスパーニャ」(Real España)とのアウェー戦…。残留争いはもちろん、代表監督でさえ2連敗しただけでクビが飛ぶ、ホンジュラスサッカー界…。ハイロ・リオス監督の立場、そして彼によって呼ばれて来た僕の立場も崖っぷちに追い込まれました。

 正直、半端なく、難しい状況です。

 今節の相手に勝っていれば「首位」に立ち、「残留」にも大きく近付いたのですが、負けた事により、逆にここまで追い込まれる…。たった1つの「勝利」か「敗北」で、「天国」と「地獄」ほど状況が変わる…。これが、現在「中米最強」と言われるホンジュラスの最高峰リーグの厳しさです。

 僕としては、チームを勝たせるためにここに来たのに、チームを勝利に導けないのはありえないし、耐え難い事…。監督のハイロ・リオスやコーチのオラシオ・ロンドーニョに対して、申し訳ない…。それに、僕の事を信頼し評価してくれているチームの会長に対しても、申し訳ない…。今回の試合でも、GKアップの後にスタジアム全体で僕に温かい拍手と声援を送ってくれたサポーターに対しても、申し訳ない…。自分の立場どうとかもありますが、それよりも何よりもこのチームに関わる全ての人のために、今後、必ずチームを勝利に導きます!!

 僕にできる事は、「GKコーチ」としてチームのGKの能力を最大限に向上させる事…。

 決して簡単な状況ではないですが、諦めずに全力を尽くします!!



※僕が住んでいるアパートの外の風景です。子供の遊び声が聞こえてきて、疲れた体と心を癒してくれます…。今日は外を歩いていたら、子供からサインをねだられました。どこに書くのって聞いたら、腕を出されて「ここに書いて!」って、消えるじゃん!けど、嬉しかったです。こういう子供たちのためにも、全力を尽くします!


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -家!2013年2月18日(月)①


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -家!2013年2月18日(月)②



 

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