アルビSの、「武士道精神」。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

アルビSの、「武士道精神」。


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -アルビSの「武士道精神」。2010年10月1日(金)


 昨日はオーストラリアのサッカーチームとの親善試合がありました。結果は「3-1」勝利!練習でやってる事が試合でも見事に発揮されました。もちろん課題もありますが、チームは確実に成長しています。あさって行われるリーグ戦もこの調子で絶対に勝利するぞ!!メラメラ

 ところで、昨日のブログに<敵兵を救出せよ!戦場の「武士道精神」 >という記事を書きましたが、今日の試合の中で、日本人の「武士道精神」が感じられる光景がありました。

 …それが、上の写真です。

 負傷した相手選手に対して、先に試合が終わって服を着替えて試合観戦していたアルビSの選手が、治療をしてあげています。彼は「トレーナー」ではありません。「選手」です。

 工藤俊作氏から学んだ「武士道精神」の考えを思い返してみます…。


 「敵とて人間。弱ってる相手を助けずしてフェアな戦いはできない」

 「例え戦場でもフェアに戦う。困ってる人がいれば、それが敵でも全力で救う。それが日本の誇り高き『武士道』である」

 
 「敵を敬う」というのが、日本の「武士道精神」。しかし口で言うのは簡単だが、実際に行動に移すのは難しい。今回、負傷したオーストラリア人選手を治療してくれたアルビSの選手は下野淳 ですが、僕の記憶が正しければ下野は試合中にこの負傷したオーストラリア人選手に危険なタックルで削られています。本来なら「憎むべき相手」になってもおかしくない…。

 しかし下野は一度ピッチの外に出ると同じ「人間」、同じ「サッカー仲間」として自らを削ったオーストラリア人選手を助けました。

 これぞ、「武士道精神」です。

 確かに公式戦だったらまた状況が違うかもしれない。しかし僕は目の前で、若きアルビSの選手から、誇り高き日本の「武士道精神」を感じる事ができ、本当に嬉しかったです。

 発展すると共に失われていった日本人の「心」…。日本の未来が懸念される昨今ですが、この日の心温まる光景を見る限り、まだ日本人の「武士道精神」は死んではいません!!

 工藤俊作氏によって命を救われたフォール氏の言葉にあるように、こういう日本人としての行動の1つ1つが、「(外国人の)日本人に対して持つ印象にずっと影響を与える」のです。

 真冬のオーストラリアから、遠路遥々、灼熱のシンガポールにまで来てくれた彼らも、きっと喜んで帰路についてくれる事でしょう。

 ただ、「勝った、負けた」だけじゃない…。真の「国際交流」を通じて、カケガエのない宝物を多く得る事ができた1日でした!!


※試合後、記念撮影!カメラオーストラリア人選手の「ガタイ」がヤバイ…。「生まれた時から腹筋が6つに割れていた。『ナチュラル』だ」…と言っていました。両チームの選手が国境を越えて、楽しく笑顔で交流しました!!にひひ日の丸オーストラリア

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS ASA!記念撮影!2010年10月1日(金)