恵まれ過ぎてる、不幸。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

恵まれ過ぎてる、不幸。


 ここに、とんでもない「ランキング」が存在します。

 「世界幸福度ランキング」。ドキドキ

 
英国のシンクタンク新経済財団(NEF)が今年、世界143ヶ国・地域の 「幸福度」について調査した結果を発表。

 
NEFは世界各国の住民が感じる人生への満足度に加えて、環境に対する負荷の度合いや国への期待度などをそれぞれ数値で算出し、幸福度指数(HPI)を算出。

 その結果、導き出された「順位」…。これが、「とんでもない」のです。

 すでにご存知な方も多いかもしれませんが…

 発表します!!!!!

 「世界幸福度ランキング」、驚愕の順位を!!!!!




 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓





 1位:コスタリカ

 2位:ドミニカ共和国

 3位:ジャマイカ

 4位:グアテマラ

 5位:ベトナム

 6位:コロンビア
 
 7位:キューバ

 8位:エルサルバドル

 9位:ブラジル




 そして、「10位」は…




「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→?」 -Honduras国旗!




 何と、我らが、「ホンジュラス」!!!キターッ!!!バンザイ バンザイ バンザイ

 ホンジュラスはもちろん、3位のジャマイカも短期間だけど居た事あるし、1位のコスタリカとグアテマラも車で通った事があります。エルサルバドルだってホンジュラスの隣の国だから、馴染みは深い…。よって上位10ヶ国中、半分は一応、知ってる国です。

※詳しくは↓↓↓↓↓

「夢」が次々に叶う!!  

『ジャマイカ挑戦記~その1~』ついに上陸、ジャマイカ!人生を賭けた闘い、スタート  

「人生最大の旅」(なのに片道6000円)ホンジュラス→ニカラグア→コスタリカ→パナマ…「夢」を追い求めて  



 このランキングの上位10ヶ国の国々に共通するのは、


 「経済的に貧しい(ホンジュラスは中南米最貧国の1つ   )」

 「治安が悪い(日常的に生命の危険にさらされるレベル )」

 
 …などなど、ネガティブな要因ばかり。

 それでも、これらの国々の国民は、人生への「満足感」、国への「期待感」などを感じながら日々を「笑顔」で「幸せ」に生きている…。

 だからこそ、「世界幸福度ランキング」で、上位に食い込んでいるのです。


 片や、「世界で1、2を争う経済大国」と言われる、我が母国…日本はどうか?

 「世界幸福度ランキング」における、日本の順位は…

 何と、143ヶ国中、「75位」。叫び 半分以下です!!どーなっとんじゃい!?


 ちなみに、過去のブログで僕が散々、ダメ出ししてきたアメリカは…日本をも遥かに下回る「114位」!!!まあ、ある意味、当然っちゃ当然です。僕もアメリカに居た時が、7年間の海外生活の中で、間違いなく一番、不幸な気持ちでしたから…。

※アメリカに関して書いた過去ブログは↓↓↓↓↓

アジア人、日本人としての「誇り」。…そして、問題大国アメリカ  

アメリカであった良い話…。それでも…  


 
 アメリカについて書いたら長くなるので今回はさておき…。我が母国である日本の惨状…。あまりに低い「幸福度」。こんなに豊かで、恵まれた国なのに…。何で!?

 僕には理解できない…。本当に不思議で仕方がないのです。

 僕は、「中南米最貧国の1つ」と言われ、「治安」が異様に悪いホンジュラスにて、約1年半ほど生活した経験があります。※詳しくは「Windows Live」の方のブログ   をご参照下さい。


~~~<<ホンジュラスでの体験談>>~~~~~~~~~~~
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 洗濯機が無いので、毎日、練習後に洗濯板で手洗いしてたら、腰を痛めました。

 シャワーは基本、水しか出ません。…てかシャワーすら無く、水道の水をお菓子が入ってたプラスティックの容器に溜めてブッ掛けて体を洗ってる時期もありました。

 舗装されてない凸凹の道路を、毎日チャリで練習場まで通ってたら、タイヤが20回以上、パンクしました。

 1年中、真夏の灼熱地獄のホンジュラスにも関わらず、クーラーが部屋に無かったので、毎晩、ベッドが汗でビショビショになりました。あまりに暑いので、枕元にペットボトルに入った水を置き、暑くて目が覚めたら水を掛けて体を冷やして寝る毎日でした。

 なぜか朝、目が覚めて玄関のドアを開けると、目の前に馬が立ってる事がありました。

 練習場は凸凹のズタボロで、石やゴミだらけ…。毎日、練習の度にユニフォームがビリビリになり、すり傷や打撲を繰り返しました。牛や馬の糞が、雨に濡れてドロドロになって大量に転がっているフィールドでセービング練習をし、糞まみれになった事もありました。

 米を買ったら中は虫だらけ…。けど、それしか食べ物が無かったので、仕方なく虫だらけの米を洗って食べました。

 「日本文化」に触れる機会が皆無に等しかったので、実家から送られてきた日本の雑誌や本を何度も何度も何度も…内容を全て憶えるくらい繰り返し読み続けました。そしてそれが、数少ない娯楽の1つでした。

 
部屋にはゴキブリはもちろん猛毒を持つタランチュラも出没するので、刺されたら終わりと思い怖いのです が、サッカー選手としてコンディションを整えるために夜はちゃんと眠らねばならず、「神様!お願いだからタランチュラに刺されませんように!」と本気で祈りながら毎晩床に就いていました。

 治安が悪いホンジュラスの中でも最も危険な地区の1つに住んでいた際、夜、外から銃声が聞こえてくる毎日で、恐怖に怯えながら就寝していました。 

 自分が所属していたプロサッカーチームの練習生が4人も殺人事件に巻き込まれ、尊い命を失う惨事が起きました。

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 こういう環境の中で生活していた経験があるから、僕には日本がまるで「天国」や「楽園」のように感じられる…。とにかく、物、金、治安…全てが揃った世界屈指の恵まれた国です。

 ホンジュラス時代、インスタント味噌汁1つ飲んだだけで感動して涙が出そうになりました。

 1年半ぶりにホンジュラスから日本に帰国した際、本当に久しぶりにお湯の出るシャワーを浴び、温かい湯船に浸かった瞬間…ジョーダン抜きで感極まって涙がこぼれ落ちそうになりました。 ※詳しくは→<1年半ぶりの母国・日本で何を感じる??  

 味噌汁が飲める事、温かいお湯のシャワーを浴びれる事、治安が良い事、日本語だけで交流できる事、日本人である事でバカにされない事、洗濯機が使える事…一般的に日本人が「当たり前」と感じる事が、僕には決して「当たり前」とは思えない。「何て豊かで、幸せで、恵まれた事なんだ」と、本当にしみじみ思う…。この気持ち、そして「どんな些細な事にも幸せを感じる事ができる」価値観は、日本に帰国して9ヶ月が経った今でも変わっていません。

 この価値観をもって、「世界で1、2を争う経済大国」である日本で生活していると、まるで、ドラえもんの21世紀の世界に来たかのような錯覚に陥ります。とにかく、「幸せ」以外の何物でもない。「1日100個の幸せ」を挙げろと言われても、僕にはできます。

 だからこそ、周囲の日本人が「幸せ」を感じながら生きてない事が、不思議で仕方がない。充分に恵まれているのに、それが恵まれているって事にさえ、気付いていない。幸せな状況なのに、自分は不幸だと勘違いしている。なぜもっとシンプルに、自然に、豊かな事や恵まれてる事に「幸せ」や「感謝」を感じる事ができないのか?実にもったいない…。

 
これが、「恵まれ過ぎてる」が故の「不幸」なのでしょうか…?

 「世界一、恵まれてる国」である日本は、「世界一、もったいない国」なのかもしれません。


 
 僕は周りの日本人にもこの「幸せ」の意味を理解して欲しいし、実際にもっとたくさんの人に幸せになってもらいたいと常に考えてはいるのですが、あまりに価値観が違い過ぎて、この気持ちを伝える術が無い…。それが現状です。

 幼少時代、おじいさんがよく戦時中の話をしてくれて、「あの時は食べ物も無かった。今は毎日、お腹一杯に飯が食えるんだから、それだけで幸せだ」と言われましたが、生まれた時から恵まれた環境に育った当時の自分には、想像を絶するほど過酷な戦時中の話は、本当の意味では理解できなかった…。だから、それを察したおじいさんも、段々、自分から進んで戦時中の話をしなくなっていきました…。

 それと同じで、いくら僕が、「世界にはホンジュラスのように貧しくて治安の悪い国もある。それに比べて、日本は本当に恵まれた国なんだ」という話をしても、周りの日本人には理解できないのです。だから僕も、自ら進んで海外での経験を話す事はほとんどしません。向こうから興味を持って聞いてきた時には、喜んで話しますが…。

 

 あなたは今、心から「幸せ」を感じながら生きていますか?

 この質問に、満面の笑みを浮かべて「幸せです!」と答えられる日本人が一体、何人いるのでしょうか?

 「世界幸福度ランキング」で、143ヶ国中「75位」と低迷している日本…。

 だからこそ、例え大多数の日本人に理解されないとしても、あえてこのブログ上では、声を大にして言いたい…。


 誰が何と言っても、

 日本は「世界で最も恵まれた国」の1つです!!

 あなたも、あなたも、あなたも…実はメチャクチャ恵まれています!!

 この「幸せ」に、1人でも多くの日本人が気付いて欲しい…。

 そして、毎日、幸せを感じながら生きて欲しい…。

 それが僕の、心からの願いです!!