アメリカは近い将来、W杯で優勝する!!! | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

アメリカは近い将来、W杯で優勝する!!!


<動画><2009年FIFAコンフェデ杯 準決勝 「スペインVSアメリカ」>

 (赤が「スペイン」、白が「アメリカ」)

※選手の吐く息が白いですが、南アの季節は日本と逆…つまり現在は冬です。南アの冬は寒い!(体験済み) 場所によっては雪が降る所もあるらしい…。





 アメリカが「2-0」でスペインに完封勝利!!!!!

 「35試合連続不敗」の世界タイ記録を誇っていたスペインですが、難敵アメリカの前に成す術なく完敗…。「世界新記録」樹立はなりませんでした。

 「アメリカが強い」とは前から思っていたけど、まさか現在「FIFAランク1位」のスペインをも破るとは…ここまではさすがに予想してませんでした。凄い!!

 このレベルになると「まぐれ」なんてありえません。アメリカの強さは紛れもなく本物です。

 日本も過去のコンフェデ杯で強豪と「良い試合」はしてますが「勝利」した事はありません。フランスとは良い試合をしたけど、負け…。ブラジルとは良い試合をしたけど、引き分け…。

 「良い試合」をしたから「世界との距離はあと少しなんだ!」と思うのですが、「良い試合」をする事と、実際に「勝利」する事との間には、我々が思っている以上に大きな大きな「差」が存在します。この「差」は、埋まりそうでなかなか埋まらない…。

 アメリカは、運だけではとても突破なんて不可能な「死の組」を勝ち上がり、ついには現在、「世界で最も強いチーム」の1つとされるスペインをも撃破しました。その理由はただただ…「アメリカが強いから」としか言いようがありません。ただ単に「良い試合」をするだけでなく、実際に「勝利」している…。凄まじき強さです。


 現在、「世界一サッカー人口が多い国」は…ブラジルでもイングランドでもなく…何とアメリカだと言われています。

 他のメジャースポーツに隠れがちですが、それはただ単に、(アメリカにおける)サッカーの歴史が浅いだけで、今のアメリカでは、本当に至る所でサッカーに興じる若者を見かける事ができます。それくらいサッカー人気は上昇しています。

 元々、移民が集まってできた国だから、人材も非常に豊富です。アメリカ代表の顔ぶれを見ると、中南米系、ヨーロッパ系、アフリカ系…様々な人種が勢揃いしています。これが何を意味するかと言うと、日本人なら黄色人種の特性的に「フィジカルは弱いけど器用」って特徴がありますが、アメリカにおいては全ての人種が存在するので、それぞれの人種の長所を、適材適所で揃える事が可能なのです。中南米のテクニック、ヨーロッパの戦術、アフリカのフィジカル…全てがアメリカには揃っています。そりゃあ強いはずです!!

 それに、地理的にも文化的にも「世界」との距離が近いので、いろんな意味で日本よりもチャンスが多いし、効率的な強化ができます。僕の実体験を例に挙げると、アメリカのアマチュアチームでプレーしていた時、そこの監督が昔、イングランドのプロチームでプレーしていたので、「お前もそこに練習に行ってみるか?」と誘われ、イングランドのプロチームへの練習参加が実現しました。何気ない話のようですが日本ではなかなかこんなチャンスは身近に無い。しかしアメリカでは、この手の話はゴロゴロ存在します。この「差」は非常に大きい。

 メディアの情報だけでなく、小さな頃から身近に「世界」を感じる事ができるチャンスに恵まれている、アメリカのサッカー選手達。現在のアメリカ代表メンバーの大半が、イングランドのプレミアリーグなど、世界の一流リーグで活躍していますが、それもこういう下地があってこそでしょう。

 GKのレベルも異様に高く、プレミアリーグでレギュラーを張るGKが数人います。アメリカは幼少時代から野球やバスケットボール、アメフト…など、いろんな球技をやるので、「手」でのボール扱いが自然と鍛えられ、優秀なGKが次々に出てくるという話を聞いた事があります。

 やってるサッカーは決して面白くはないですが、とにかく強い。

 僕は、「近い未来、アメリカがW杯で優勝する」とさえ、本気で思っています。

 ただそれは、さすがに「2010年・南アフリカW杯」ではないでしょうが…。