「真の戦い」が始まる…。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

「真の戦い」が始まる…。

 
 死の組ドクロを首位通過し、「強者」である事を証明したホンジュラス…。

 しかし当然ながら、「戦い」はこれで終わりではありません。これから「真の戦い」…

 「最終予選

 …が始まります。


 そして、最終予選に進出した「6チーム」は…

 アメリカ

 メキシコ

 コスタリカ

 エルサルバドル

 トリニダード・トバゴ


 …そして我らが、ホンジュラス!!!


 この6チーム中、「上位3チーム」が南アフリカW杯への切符を手にします!!

 …仮に「4位」になった場合は「南米5位」とのプレーオフに回り、それに勝てば、南アフリカW杯出場決定!!


 僕は本気で、今回、「ホンジュラス」はチャンスがあると考えています。


 まず、「アメリカ」はほぼ確定。とにかく強い!!やってるサッカーは全く面白くないけど、「勝ち方」をよく知ってるし、プレミアリーグなど世界一流リーグで活躍する選手も多い。とにかく「北中米カリブ海地区」では無敵の強さを誇り、強豪メキシコでも歯が立たない…。

 これまで日本では「アメリカのサッカー」が不当に低く評価される傾向がありましたが、今回の北京五輪でも日本はアメリカに負けたし、他の国際大会でも日本はほとんどアメリカに勝った事がないので、もういい加減、多くの日本人がアメリカの「強さ」を認識してると思います。


 アメリカは、ほぼ決まり…。


 では、他チームは!?


 本来なら「メキシコ」も「確定」と言いたいところなのですが、名将エリクソン監督の「ヨーロッパスタイル」(?)のサッカーがフィットしてないのか、「死の組ドクロで大苦戦し、あと一歩で 「3次予選敗退」という、今までのメキシコなら想像できないような苦しい状況に陥りました。 しかし、それでも「4大会連続W杯出場」「4大会連続W杯ベスト16入り」を成し遂げた実力と経験は伊達じゃない…。やはり「予選敗退」は考え難い。


 メキシコも、ほぼ決まりか…。


 ただ、今のメキシコにかつてのような圧倒的な強さは無く、付け入るスキは充分ある!!実際、ホンジュラスは3次予選で「1勝1敗」だし、実力はほぼ互角…。もちろん難しい相手だけど、それは相手にとっても同じ。恐れる必要は無い!!


 では、その他のチームは!?


 まず、「コスタリカ」。同じ「中米の雄」ですが、2002年、2006年と「2大会連続W杯出場」を果たすなど、近年はホンジュラスの上をいったライバル国…。しかし、長年チームを支えた「国民的英雄」ワンチョぺが引退し、「戦力ダウン」ダウンした感は否めない…。

 3次予選では唯一「6連勝」を達成し、圧倒的強さで最終予選進出を決めましたが、そもそもコスタリカが所属した組は「エルサルバドル、スリナム、ハイチ」…と、難易度が異様に低かった。ホンジュラスの組が「死の組ドクロなら、コスタリカの組は正に、「天国の組ドキドキ…。よって、これまでの成績は全く参考にならない!!ホンジュラスやアメリカと違って世界一流リーグで活躍する選手も少ないし、「実力的にはホンジュラスの方が上」だと、僕は信じてます。

 ただ、コスタリカは「W杯予選の勝ち方」をよく知っている。したたかに勝ち点を稼いでくるので、ホンジュラスにとって相当やっかいな相手になるのは間違いありません。


 続いて「トリニダード・トバゴ」。前回の「2006年ドイツW杯」で「初出場」を果たしましたが、それまでは最終予選に進んでも「下位」が定位置で、北中米カリブ海地区の中においても、決して「強豪」とは言えない国です。スタイル的には同じカリブ海のジャマイカに似てると想像されますが、チーム力を考えると、自動的に「W杯出場」が決まる「上位3チーム」に入る可能性は低いでしょう。

 世界的な選手として、マンチェスターUなどで活躍したドワイト・ヨークが挙げられますが、 ホンジュラスのダビド・スアソが29歳でキャリアのピークを迎えてるのに対し、ヨークはすでに40歳近い高齢で、全盛期を過ぎている…。実力的に考えれば、ホンジュラスの勝利は固いと思います。(「アウェー」は難しいですが)

 トリニダード・トバゴは「2002年日韓W杯」の最終予選にて、最下位だったにも関わらず、「勝てばW杯出場!」という状況だったホンジュラスを破って地獄に叩き落した、正に因縁の相手です。(詳しくは→こちら!) 今回こそはしっかりトリニダード・トバゴを打ち破って、W杯出場を決めて欲しい…。心からそう願います!!


 最後に「エルサルバドル」。今回、最終予選に進出した全6チームの中で最も「サプライズ」なのが、このエルサルバドルです。近年、著しく低迷しており、今予選でも2次予選でパナマと当たった際、誰もが「パナマの勝利」を予想しました。案の定、アウェイの初戦を「0-1」で落とし、ホームの2戦目も「0-1」と先制を許し、終了10分前までトータルスコア「0-2」で負けていました。しかし、ここから何が起こったのか、10分間で3得点を奪い、何と何とパナマにトータルスコア「3-2」で奇跡の大逆転勝利!!この時パナマ代表のGKコーチを務めていたアミーゴのドナルド・ゴンサレスも、この「ありえない!」敗戦に相当ショックを受けたそうです。

 そして続く3次予選では「幸運」を発揮し、コスタリカと同じ「天国の組ドキドキに所属。スリナム、ハイチを破り、あれよあれよと言う間に「最終予選進出」を決めてしまいました。

 しかし、正直、エルサルバドルは「最終予選」を勝ち抜けるだけのチームではないと思います。「サッカー戦争」の因縁対決とも言われますが、ホンジュラスとの実力差は非常に大きい。「よほどの事がない限り、ホンジュラスがエルサルバドルに負けるなんて事は無い」と、僕は確信しています。


 このように、今回の「最終予選」は、今のホンジュラスの実力をもってすれば充分、突破が可能なのです。
トリニダード・トバゴよりも、3次予選で対戦したジャマイカの方が難しい相手だし、苦手なパナマやグアテマラより、エルサルバドルの方がよっぽど組みし易い…。


 そして、仮に「4位」になった場合は「南米5位」とのプレーオフに進まなければいけませんが、これもホンジュラスにとっては決して悪い事ではありません。通常、強豪が揃う南米とのプレーオフは誰もが避けたいものなのですが、ホンジュラスは「2001年コパ・アメリカ コロンビア大会」でも、ブラジル、ウルグアイなどを破って「3位」に輝いた実績があるし、今年も親善試合でパラグアイやコロンビアを破ってるし…同じラテンアメリカの南米には強く、苦手意識はありません。

 ただ、今のホンジュラスの実力をもってすれば、「4位狙い」ではなく、自動的に出場権が得られる「3位以上」を狙うのが、より現実的です。首位通過だって狙える…。


※<動画><ホンジュラスVSブラジル (2001年コパ・アメリカ コロンビア大会 
準々決勝)>

 (白&青がホンジュラス、黄色
ブラジル

 


※<動画><ホンジュラスVSウルグアイ(2001年コパ・アメリカ コロンビア大会 
3位決定戦)>

 (白がホンジュラス、青がウルグアイ

 


※<動画><ホンジュラスVSパラグアイ (2008年 親善試合)>

 (白がホンジュラス、赤&白がパラグアイ


 


※<動画><コロンビアVSホンジュラス (2008年 親善試合)>

 (黄色がコロンビア
白がホンジュラス

 


 
 今まで「不運」に泣かされ続けてきたホンジュラスですが、今回は「流れ」がホンジュラスにきてるような気がします…。


 そして、「2月11日」…。

 ついに「最終予選」が開幕!!

 初戦の相手は…???



 つづく




 ※下の記事に掲載されている写真は、先日のメキシコ戦にスタメン出場して激しい競り合いを演じる我がアミーゴ…エミル・マルティネス青No.14です!!



クリックして見てみて下さい!!

 ↓     ↓     ↓     ↓     ↓