北鎌倉 東慶寺と浄智寺(鎌倉市) 2013.06. | 今よりは風にまかせむ。

今よりは風にまかせむ。

  
爺様猫のチャマとふたり暮らし。
休日に自然や文化・歴史にふれたプチ旅に出るのが楽しみです。
緑に包まれたベンチでおにぎりを頬張る… 空を見上げる…
流れる雲を見送る… 深呼吸~~~
すべての煩わしさから解き放たれて、静かな喜びが胸に満ちてきます。


北鎌倉の 『東慶寺』 と 『浄智寺』 へ。
自然の中に佇む古寺を歩いていると
心が落ち着き、不思議な安らぎを覚えます。

 

 

夕方から仕事で逗子に行く用事があったので
少し早めに出て北鎌倉へ寄ってみることにしました。
総武快速・横須賀線の逗子行きに乗れば
うちから1時間ちょっと。

鎌倉って意外と近いんだって思いました。

01.北鎌倉駅  北鎌倉の駅舎は小さな木造づくり。
 この町の風景に静かに溶け込んで
 とてもいい雰囲気です。
 
 『円覚寺』 へは前回お参りしたので
 今日は縁切り寺として知られる
  『東慶寺』 と『浄智寺』 の2か所を
 久しぶりに巡ります。




今日のコース  北鎌倉駅 → 東慶寺 → 北鎌倉雪堂美術館 → 浄智寺
 

 


松岡山 東慶寺

02.東慶寺
  縁切寺  作詞作曲 さだまさし
 
 ♪今日鎌倉へ 行ってきました
  ふたりで初めて歩いた町へ
  今日のあの町は 人影少なく
  想い出に浸るには 十分過ぎて
  源氏山から 北鎌倉へ
  あの日と同じ道のりで
  辿り着いたのは 縁切り寺

 



02.東慶寺2

   ◆松岡山 東慶寺(とうけいじ)
    北鎌倉駅から鎌倉方面へ歩いて4分。
    北条時宗夫人の覚山志道尼が弘安8年(1285)に開祖されたお寺です。
    本尊-釈迦如来坐像を祀っています。
    水月堂には、水月観音菩薩半跏像を祀っています。
 

 

女性側から離縁が出来なかった封建時代でも
ここ東慶寺に駆け込み

3年の修行を終えれば離縁は叶ったそうで
それは明治4年までの約600年間も続いた

というから驚きです。 
中世の社寺には治外法権があったから

女性だけでなく罪人や敗軍の将兵、
またその妻や妾も駆け込んだそうです。

さだまさしさんの 『縁切寺』 は

3年で本当に縁が切れてしまう縁切寺と
今年紫陽花が咲いたら3年目を迎える

彼女との別れの未練を重ねて
男性側の立場から歌ったと解釈していますが…
ここへ来てとふとこの歌を思い出しました。

 


  ♪紫陽花までは まだ間があるから

    こっそりと君の名を 呼ばせてください

 


03.東慶寺山門 
04.東慶寺山門2 

間口が狭い茅葺屋根の山門です。
手前の長い石段をどれだけ多くの女性が

急いた気持ちで駆け上がったことでしょう。

 

何かの本に書いていましたが、

たとえ門の手前で追手に捕まっても
履いていた草履を投げ込むことで

駆け込みは成立したらしいです。
 

05.東慶寺境内

    ◆作家&女優 田村俊子(1884-1945)の記念碑 ※写真左上
    鐘楼の前にあります。
    自作の一文 「この女作者はいつも おしろひをつけてゐる この女の書くものは
    大がいおしろひの中から うまれてくるのである」 と刻まれています。
    残念ながら彼女の作品はひとつも読んだことがありません。 
    代表作:「木乃伊の口紅」 「炮烙の刑」 「山道」  退廃的、官能的な作風だそうです。

    ◆歌人 四賀光子(1885-1976)の歌碑 ※写真左下
    本堂の前にあります。
    「流らふる大悲の海によばふこゑ 時をへだててなほたしかなり」
    この寺は辛く悲しい思いで救いを求めてくるたくさんの人たちを長らく導いてきた。
    その慈悲深い心(声)は、時空を超えて今も尚聞こえてくる、
    な~んていうのが尚雀の解釈です。違っているかな、違ってたらゴメンナサイ。

 


07.東慶寺さざれ石  
 ◆さざれ石
 もともとは細かい小石。それが歳月を
 かけて固まり(石の隙間を炭酸カルシ
 ウムと水酸化鉄が溶けて埋める)大き
 なひとつの石となる。
 更に年月を重ねて苔が生えてくる、
 という非常に長い年月を経た石のこと。
 日本国家「君が代」の歌詞に
 歌われています。


 

 

裏手の山(墓地)も歩いてみました。

 

06.東慶寺墓 
 

さて東慶寺の次は

ここから数分の浄智寺へ向かいます。

 



雪堂美術館

途中、『雪堂美術館』 があったので

立ち寄ることにしました。

09.雪堂美術館  入館料はお抹茶orコーヒーと
 和菓子のセット込みで500円です。
 
 ◆雪堂美術館
 書家、文人 小野田雪堂-(1925-2003)の
 アトリエを美術館として開放しています。
 先生がお好きだったという「金子みすず」や
 「山頭火」の世界の書が展示されています。
 
 絵も文字もとても優しい作品の数々で
 ここへ伺って良かったな~と思いました。

 

 

 

美術館の方がたててくださった

お抹茶で暫し休憩。。。

 

窓の外には鯉が泳ぐ池があって

眺めていたら動きたくなくなりました。

 


10.雪堂美術館.鯉

 

09.雪堂美術館お茶  
  
  この今を

  ありがとうございます

  
  雪堂先生のお人柄が表れた
  なんて美しい言葉!
  心にじんわり沁み入りました。
 

 

 

ごちそうさまでした。

 


11.紫陽花  
  
  美術館の玄関前にあった
  珍しい紫陽花。
  なんていう名前なんでしょう。









 

 


金宝山 浄智寺

美術館から歩いて1~2分です。

12.浄智寺   ◆金峰山 浄智寺(じょうちじ)
  北条時頼の3男である北条宗政(享年29)の

  菩提を弔うために弘安6年(1283)に創建されたお寺。
  本尊は、阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒如来の三世仏※
      ※過去・現在・未来
  鎌倉十井のひとつ「甘露ノ井」、江の島七福神「布袋尊」
  山門の「鐘楼門」は必見。


  鎌倉十井   甘露ノ井 浄智寺   鉄ノ井 小町通り
           底脱ノ井 海蔵寺   石ノ井 名越
           泉ノ井   扇ヶ谷    星ノ井 虚空蔵堂
           六角ノ井 材木座       瓶ノ井 明月院
           棟立ノ井 覚園寺       扇ノ井 個人宅地内 
 

 


江の島七福神   布袋尊 浄智寺   弁財天 富岡八幡宮
            寿老天 妙隆寺   毘沙門天 宝戒寺
            夷神  本覚寺    大黒天 長谷寺
            福禄寿 御霊神社   

 


十井も七福神もそのうち巡ってみましょうか。

14.浄智寺の橋2 
◆甘露ノ井 ↑ 

写真左上に小さく見える竹の蓋をかぶせたところがそうです。
「不老長寿」の水とも言われたそうだけど、道路工事で水脈が変わってからは飲用不可。
その代わり、庫裡の奥に 『新甘露ノ井』 があります。

 


14.浄智寺の橋  ◆反り橋 
 総門前に架かる石の反り橋。
 苔生していて歴史を感じます。

 水は
 澱んでいてちょっと・・・。






総門を上がっていきます。

鐘楼門

 

中国式の、日本ではあまり見ることのない

珍しい鐘楼門です。

裏山へ続く庫裡の横道を行ってみます。

17.浄智寺 
 

庫裡は茅葺き屋根。

深い緑に包まれて古都鎌倉の趣が漂っています。

18.浄智寺19.浄智寺 

 

  ◆高野槙(コウヤマキ)
  鎌倉市指定天然記念物。

  マツ目コウヤマキ科の日本固有種。
  日本と韓国済州島にだけ残存する貴重な木。
  高野槙は、2006年(平成18年)9月6日に誕生した

  秋篠宮家の悠仁親王のお印です。

 


20.新甘露ノ井

 

  ◆新甘露ノ井 写真中央
  総門前の甘露の水は飲めなくなりましたが

  ここは飲用可。
 

 

手押し式のポンプを使って水を汲んでみました。
甘露と言われるだけあってとても美味しかったです。

もっと奥の道を歩いていくと

崖をくりぬいたこういう場所があります。
奥の方に布袋尊が祀ってあるので行ってみます。

21.浄智寺布袋様

22.浄智寺布袋様

 

あら、布袋尊!

 

 23浄智寺布袋様 
   ◆七福神の中で唯一中国(唐の時代)に実在した禅僧です。  
   千客万来、無病息災・開運・良縁・子宝・夫婦円満・金運の神様。

 

 

25.ねむの木

 ◆ネムノキ

 久しぶりに見ました。
 ほやほやに柔らかい
 初夏~夏の花だと思ってました。

 そうそう、
 ピンク色の部分が花ではなく
 おしべなんですよ。

 葉っぱを両手で包み
 少しの間暗くしてあげると
 左右の葉が閉じて眠ります。
 だから、ネムの木。

 

 


いい具合に陽が傾いてきたところで

今日の散策はおしまい。