秋の信州 別所温泉編② (長野県) 2013.10. | 今よりは風にまかせむ。

今よりは風にまかせむ。

  
爺様猫のチャマとふたり暮らし。
休日に自然や文化・歴史にふれたプチ旅に出るのが楽しみです。
緑に包まれたベンチでおにぎりを頬張る… 空を見上げる…
流れる雲を見送る… 深呼吸~~~
すべての煩わしさから解き放たれて、静かな喜びが胸に満ちてきます。


長野県上田市に住む友人を訪ねた1泊2日の旅。
お泊りは「日本三大御湯」と称えられた

美肌の湯 『別所温泉』 へ。
いやんも~ぅ、もち肌がよりもち肌にっ♪



上田の町を一日遊んだ後は、温泉でハァ~ビバビバ。
ちょっと奮発して別所温泉 『臨泉楼 柏屋別荘』 さんに泊まりました。
なんでもここは平安時代の和歌集にその名が残っているほど
歴史ある温泉地だそうですから、温泉と早朝の散歩が楽しみ~。

《旅のスケジュール》
(一日目)                      (二日目)
東京駅…(新幹線)…上田駅           ★6-北向観音
☆1-角間渓谷                   ★7-常楽寺
☆2-海野宿(白鳥神社)                  ☆8-小布施(北斎館)
☆3-上田城跡公園                ☆9-善光寺
☆4-上田紬の機織り体験              上田駅…(新幹線)…東京駅
★5-(宿)別所温泉 臨泉楼・柏屋別荘   
    
あ、『日本三大御湯』 とは、
長野県/別所温泉(信濃御湯) 

野沢温泉(犬養御湯)  

宮城県/秋保温泉(名取御湯)
第八十四代順徳天皇が選出したもの。 

暮らしのワンポイントでした。


★5-別所温泉 臨泉楼・柏屋別荘へ

別所温泉は、上田の町から西へ

30~40分ほど車を走らせたところにあります。
温泉街に入ると温泉饅頭やおやきの看板、

お土産屋、地元食堂が左右に軒を並べ
旅するヨロコビをいっそう盛り立ててくれました♪

 

 

松茸おやき  運転していた友人と “松茸おやき” の看板を見て
 ほぼ同時に、「食べた~~~い」 と。

 うらぁ~ 前見て運転せんかーっ!
 
 宿に着いたら荷物を置いて、坂道下っておやき屋へ。
 友人曰く 何でも今年は松茸の当たり年らしく
 価格崩れしそうなほど松茸が採れているんだそうな…
 「お~お~ エエこっちゃ~ エエこっちゃ~」
 松茸の香りがぽわ~ん・・・ ハフハフ頂きました。

夕飯前だというのにおやき食べちゃって 

「でも大丈夫よ」 「すぐ消化するって~」 って、
私らどれだけ自分の胃袋を信じているんだろ。。。

 

 

 

柏屋別荘.外観1

 

 木造4階建てのこの宿は、
 上田藩の出屋敷から造り酒屋になり
 その後に湯宿になったそうで、
 お宿の渋ゴージャスさといったら。。。

 全館畳敷と聞いていたけど
 廊下から階段から、お風呂の洗い場までも
 畳が敷かれていたのには驚きました。

 もっと嬉しい驚きは
 旅館の仲居さんというと
 御年輩のベテラン女性が多いですが
 ここはなんと20~30代の若者揃い。
 
 お布団の用意は男の子ふたりで
 テキパキとやっていきました。
 あんな若い子にお布団とか
 敷いてもらったことがないから
 オバチャンの心鷲掴みよん、もう。


柏屋別荘 

 

あ!今回はお風呂の写真を撮るの忘れた・・・すんごい良かったのに・・・。

別所温泉は、pH8.0以上の弱アルカリ性だから

お肌にいいんですって。
確かに確かに…トロンと柔らかいお湯で

いつまで入ってても飽きない感じ。



いつも以上に “つるすべ卵肌” になりました。(自己申告)

柏屋別荘.料理 

 

お宿おススメの地ビール 『千曲川のスケッチ』 と

 『浅間連峰』 を飲んでみました。
それほどビール好きではないので

味わいは上手く語れませんが
千曲は…ちょいニガ 浅間は…ちょいニガ 

・・・・やっぱり語れませーん。
どっちも美味しくいただいたのはホントです。

豊作とあってか、

夕飯の土瓶蒸しもすき焼きも炊込ご飯にも
松茸が 「これでもか」 ってほどたくさん入っていました。
東京で食べてたら

私ら明日は皿洗いをして帰らなくてはならないところです。

あと、山のお料理というと

何とな~く質素なイメージがつきものですが
いやいやどして・・・
ここ柏屋別荘さんは豪勢に出してくれますから

嬉しいったらありゃしない、 お腹パンパン!
あ、上の写真の左下は朝食ですからね。 

とろろご飯が美味しかったです。

 



★6-北向観音へ

早朝一番風呂の後は、早朝一番散歩も旅の楽しみ。

静かな温泉街の坂をふたりで下りて行きました。
 

別所温泉街1

 

 

  右手にあるお土産屋さんは
  まだ開店前。

  名物あげまんじゅうは、あ・と・で。

  遊歩道の左手には
  この写真では見えにくいけど
  川が流れています。

 

別所温泉街3  
  遊歩道の突き当たりに飲泉がありました。
  
  ◎温かい飲泉
   胃の緊張をほぐして、
   胃酸過多などにいいそうです。
 
   別所温泉の飲水は
   糖尿病/痛風/便秘 にいいと
   パンフレットに書いていました。

   
   

この飲泉を目印に右へ折れると…

別所温泉街2  『北向観音』 への参道です。

  ここもまだ開店前ですが
  左右にお土産屋さんや定食屋さんが
  並んでて、朝っぱらから
  「あ~お蕎麦食べた~い」 と
  思った健啖家の私。

  てか、それよりも
  『愛染かつら』 の看板が気になりました。

  ♪   花も嵐も 踏み越えて
     行くが男の 生きる道
     泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
     月の比叡を ひとり行く ♪
                (旅の夜風)
  
  すぐに歌える自分が恐ろしい。
  ※これを知っている年齢では決して
    ないことだけは、付け加えさせてネ。


ハイ、この階段を上がったところが、『北向観音』 です。

北向観音1

本堂が北向なのは全国でもほとんど例を見ないそうです。
また、御本尊の千手観音菩薩像も北向きに安置されていて
南の善光寺の阿弥陀如来に相対しているとのこと。

北向観音は 「現世利益」 を願い、善光寺は 「未来往生」 を願う。

   ◆北向観音
    平安時代初期に比叡山延暦寺座主慈覚大師円任によって開創された霊場。
    北向きなのは観音菩薩の次のお告げによるもの。
    「北斗七星が世界の依怙(よりどころ)となるように、
     我も又一切衆生のために常に依怙となって済度をなさん」
 

北向観音.手水舎   
  すごいな~と思ったのは
  手水舎も温泉だったこと。

  これもまた珍しいですね。





北向観音2 ◎写真左中:本堂  ◎写真左下:額堂(絵馬堂)  ◎写真右下:鐘楼と梵鐘、不動六地蔵

北向観音3 ◎写真上左:温泉薬師瑠璃殿  ◎写真上中と右:愛染カツラ  ◎写真下:本堂からからの眺望


え~っ、愛染カツラの木は 本当にあったんだ!!!

  ◆愛染カツラ(上田市指定天然記念物)
   観世音菩薩が影向(ようごう:姿を現す)した霊木で樹齢1200年。
   “愛染カツラ” という植物の学名はないそうで、

   作家の川口松太郎氏(1899-1985)が小説の中で
   藍染明王堂と境内の桂の木をからめた造語で

   大ヒット映画 『愛染カツラ』(1954) で有名に。

   映画は、ヒロインは美貌の看護婦。歌が上手。

   でも恋人に言えない秘密が・・・
   医師の恋人が 「この木は昔から愛染カツラと言われていて

   この木につかまりながら恋人同士が誓いを立てると

   将来は必ず結ばれるという言い伝えがあるんです」 なんてね。
   歌の才能が認められ看護婦から歌手になるんだけど…。

  ◆愛染明王:恋愛、縁結び、家庭円満を司る仏様。
   愛染=藍染で、染物・織物職人の守護神でもあるそうです。
   なるほどな~、養蚕業と織物が盛んなこの地で厚く信仰されてた訳だわ。
 

揚げ饅頭  しかーし、♪花も嵐も~は、母の鼻歌で昔っから知っていた
 「愛染カツラ」の主題歌だけど、作家があの川口松太郎氏だったとは!
  
 話は反れますが、私は松太郎氏の 『窯ぐれ女』 の本を探しています。
 20代後半に古書マニアの友人に初版本を借りて読んだのが面白くて、
 また読みたいと思っていたのでした。



神保町で尋ねてみようと思っては忘れ

思っては忘れウン十年・・・この旅で思い出しました。
友人に誘われて北向観音に来ていなかったら

更に十年はほっぽいたとこ。
今はネットで探せる時代だから便利~、

と思って検索したら・・・ 5,000円也~。(※初版本とちゃうよ)

あ、写真は名物あげまんじゅうです。 
熱っちっちな揚げたてを北向観音からの帰りに食べました。
とても美味しかったうえ

観光パンフレットまでくださったご親切な店主のおかみさん
ごちそうさまでした。そして、ありがとうございました。


★7-常楽寺へ

朝ごはんをガッツリ食べた後は、再びお出かけ 『常楽寺』 へ。
 

常楽寺.山門  
 宿から15分くらい歩く途中に蓮池があって
 「初夏に来るのもいいかもね~」 なんて
 話に花が咲きました。

 階段の向こうに山門が見えました。
 
  ◆常楽寺
   平安時代初期に比叡山延暦寺座主慈覚大師円任
   によって建立された信州では最古の禅寺です。
   北向観音をお守りするお寺で、今は天台宗の別格
   本山となっています。



常楽堂2 山門をくぐると、突き当たりに庫裡と本堂があります。
 

常楽寺本堂   ◆本堂
  本堂は寄棟造(よせむねづくり)・茅葺(かやぶき)の建築です。
  正面から見ると、屋根と向拝(参拝者が礼拝するところ)の
  中心線が少しズレているのに気づくと思います。

  これは、首を傾けて仏教の教えを学ぶ姿勢を現しているそうです。

石造多宝塔  

   ◆石造多宝塔
    平安時代初期、地面から大きな火柱が立ち上り南方のカツラの木に止まったそうな。
    そこに千手観音が現れたので観音堂を建てて仏様を安置したのが北向観音です。
    ここは、その観音様が現れた尊い場所なので、826年に木造の多宝塔を建立したそうですが、
    その後、火事で焼けてしまったので1262年に石で多宝塔を造り変えたとのこと。

ハッハ~ン

これで北向観音と常楽寺の関係が

わかったよ!

お地蔵様の前の階段を更に上っていくと

八角三重塔が見えてきました。

常楽寺.八角三重塔.2
 
  ◆八角三重塔
   昭和27年に長野県で初めて国宝に指定されたのがこの塔です。
   調査で、鎌倉時代後期には建てられていることがわかったそうです。
   日本に現存する唯一の八角塔であり、最古の禅宗様式建築。

常楽寺.八角三重塔.3 

 

下から見上げると

垂木が放射線状になって組まれています。
これが禅宗様式の特徴のひとつなんですって。

それはそれはもう美しくて、見事な造りです!

常楽寺.八角三重塔説明 

 

常楽寺には、浅間山が一望できる

和風喫茶(梅楽苑)や美術館もあったのですが
これから小布施に行く予定なので

ここも 「また今度!」 ということに。

あ~時間が足りない。
知れば知るほど緑と温泉と歴史の宝庫、上田市が

ますます好きになっていきました。

 


 

名残惜しいけれど、
小布施に向けて出発だ

 

 




チャマ2013.11.長野  ともだちの “チャルモンキー”
 
 紹介しよう
 天井から伸びたパンツのゴムひもで
 宙ぶらりんのチャル君
 ベットまで運んで・・・運んで・・・運ん・・・
 あんもうダメ!のところでパッと離すと
 母ちゃんの仕事場まで ぶっ飛んで行きます
 あ、待って~~~!!
 チャル君はこうして何べんも遊んであげると
 たいそう喜びます
                    By チャマ