秋の信州 上田編① (長野県) 2013.10. | 今よりは風にまかせむ。

今よりは風にまかせむ。

  
爺様猫のチャマとふたり暮らし。
休日に自然や文化・歴史にふれたプチ旅に出るのが楽しみです。
緑に包まれたベンチでおにぎりを頬張る… 空を見上げる…
流れる雲を見送る… 深呼吸~~~
すべての煩わしさから解き放たれて、静かな喜びが胸に満ちてきます。


長野県上田市に住む友人を訪ねた1泊2日の旅。
10月末だと紅葉狩りには若干早かったけれど
その土地の文化や歴史に触れながら
温泉や秋の味覚をぞんぶんに楽しみました。


長野県へは高校の修学旅行、大学時代のツーリング、
20代後半に友人の結婚式と、3度訪れたことがありました。
いずれもひと昔前のこと。 記憶が曖昧で・・・。

 

 

上田パンフ

 立川志の輔師匠の
  『お血脈』(善光寺と地獄を舞台にした噺)と
 少し前にNHKの日曜美術館で
  『北斎館』 の紹介を観て以来、
 「またいつか長野へ行ってみよう」
  と決めていました。
  
 今回の旅は
 夏にお伊勢参りを一緒にした
 上田市に住む友人の招待です。
 突然、長年の夢が叶うことになったのです。(嬉)


《旅のスケジュール》
(一日目)                      (二日目)
東京駅…(新幹線)…上田駅               ☆6-北向観音
★1-角間渓谷                   ☆7-常楽寺
★2-海野宿(白鳥神社                  ☆8-小布施(北斎館)
★3-上田城跡公園                 ☆9-善光寺
★4-上田紬の機織り体験              上田駅…(新幹線)…東京駅
☆5-(宿)別所温泉 臨泉楼・柏屋別荘       


指折り数えて楽しみにしていた旅ですが
旅好きの私には珍しく、
今回ばかりはあえてな~んの下調べもせず
計画のほとんどを友人任せで臨ませてもらいました。 

そうすると・・・ 

「ね~ね~どこ行くの~?次は何ナニ~?」

と期待がふくらむし、
ドライブしていて不意に現れた

有名無名の景勝・名所に、喜びも驚きもひとしお。


こ~んなサプライズ連続の旅は

今までしたことがなかったな~
予備知識がないから見るもの聞くもの

好奇心が掻き立てられました。
友人のお陰で

「御大臣旅行」 の醍醐味をたっぷりと味わった旅。
心から感謝です(合掌)。


(一日目)

★1-角間渓谷へ

始発の新幹線で上田駅に着いた時には

小雨がパラパラ…
午後からは晴れるそうですが、、、

ひや~長野は寒っぶい。
3か月ぶりに会う彼女は

男前にも四輪駆動車で迎えに来てくれました。
こんな大きな車を乗りこなすとは

・・・・・アンタ、やるネ。

再会の喜びとお互いの近況を交わしながら
車はガッチリ安定した走行で

渓流沿いの凸凹道の山奥へと入って行きます。


桜ならば “五分咲き” とか “満開” とかで例えるけれど
紅葉を例える言葉ってありましたっけ?
“五分枯れ” …では風情がないし

5五分焼け”…ってのも変。

たしか 「もみいづる」 なんていうカッチョイイ言葉は、
草木が緑から赤や黄色に変化していくという動詞なので
今日のところは “もみ” って単位で表現しとこっかな。


最初に連れて来てくれたのは、

上田市から東に位置する『角間渓谷』 という

紅葉の景勝地です。
群馬県嬬恋村との県境に位置するところ

と後から地図で見ました。

うわぁ~~~ キレイな七分もみ~~~!
こっちは八分もみかも~~~! 

やっぱり変だな。中途半端なヤラシサない?(笑)


角間渓谷.景色2
 
「日本昔話」 そのまんまの景色が

曲がり道の度に現れます。
ここら辺の山はお椀を伏せたような可愛いカタチが多く
それが幾重にも重なって見える景色ですから

ドライブが楽しいの~♪

小降りで助かったけど、この雨さえ降っていなければ・・・
ん~~~清流を見たかったな~ 残念。

角間渓谷.渓流

しかーし岩の配置といい、川のクネリ加減といい

いい流れをした渓流ですな~。
助手席から釣りポイントをつい探してしまうのは

お爺さんゆずりの癖。
ここいらで一句詠みましょうか。
秋・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
む・・・無理っす、そんなセンスないっす。

角間渓谷.旅館 
角間渓谷.猿飛看板  
 さて、車が通れる角間渓谷の道のドン詰まりに
 真田十勇士の猿飛佐助が修行したという岩や
 秘湯の一軒宿がありました。
 宿は下から見上げただけですが、
 ひなびた感がなんともスバラシイ!

 一度は泊ってみたい温泉宿として、
 心の片隅に小さくメモしました♪

へ~、坂上田村麻呂の鬼退治は、ここの話しだったとは。

角間渓谷.鬼ケ城看板 

  ◆猿飛佐助
    猿飛佐助は小説に登場する架空の忍者。(架空?え~っ、な~んだ)
    でもそのモデルになった上月佐助という人物はいたようです。

  ◆坂上田村麻呂
    平安時代の武官。清水観音のお告げのとおり、
    山鳥の尾で作った3本の矢を放ち、信濃で悪さをする八面大王を
    退治したという鬼退治伝説があります。


★2-旧北国街道・海野宿へ

紅葉狩りを楽しんだ後は
「美味しいお蕎麦と名物おやつがあるところ♪ うんのじゅく」
というところへ連れて行ってもらいました。

うんのじゅく? なんじゃらほい?
長野県のことをな~んも知らない尚雀。
聞けば、江戸時代に栄えた北国街道の宿場町とのこと。 
「ほほ~ そうなの~」 …と言いつつイメージできてない。

「これでいいのだ!」 (by バカボンのパパ) 
この旅の趣旨は、この見知らぬ土地を
私はただただ可愛ゆ~いお顔をしてついてゆくだけ。。。

大きな川の横に神社と駐車場があって

どうやらここが うんのじゅく。
「新幹線からも見えたでしょ?あれが千曲川よ」 

と言われて
 「へ~ ちく ま がわ・・・ あぁ!千曲川なんだ~」

と口走っていた私。

千曲川 

 

いかーーーん、信州で大河を見たら
すぐに “千曲川” が浮かばないようでは

日本人じゃないでしょう!
旅行好きと豪語しながら

地理にはめっぽう弱い一面を友人に悟られちまったかな、
と思わず “五木ひろし顔”。

♪水の流れに 花びらを 

   そっと浮かべて 泣いたひと~♪ ってか~

清流は次来た時のお楽しみにしましょ。
 


《白鳥神社》

海野塾へ入る前に立ち寄った白鳥神社。

『源平盛衰記』 にも記されているというから

平安時代にはすでにあった神社とのこと。

海野塾.白鳥神社

  ◆白鳥神社
    古事記や日本書紀に登場する日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が
    東征の折りに滞在されたという神社。
    三重の御陵(墓)から、白鳥になって故郷の大和へ帰っていったという。
    海野にもこの白鳥が舞い降りてくるところから、お宮を建ててまつったのが始まり。
    仲衰天皇の勅令で白鳥大明神と命名されたそうです。



《海野宿》

きゃ~すてき~~~!
時代劇に見る宿場町へタイムスリップしました。
建築物の見どころは満載で

屋根も格子も卯建(うだつ)も
上品で美しいデザインの家々が

豊かだった昔を物語っています。
 ※こんな下手な写真では伝わってません。

   “生” で見ると感動ですよ。

ツアーの団体が

ダーーーッと来てサーーーッと帰るから
誰もいない時を見計らって写真をパチリ!

海野宿.道左海野宿.道右 
  ◆海野宿
   中山道と北陸を結ぶ北国街道の宿場。
   江戸時代には佐渡で採掘された金の輸送路や、
   善光寺参りの参詣道、大名の参勤交代の道として賑わい、
   明治時代には宿場から養蚕業に変わり栄えた町だそうです。
   道幅は当時のままだそうで、長さは約650mと続いています。

海野宿.資料
 
 ↓ 熟女ふたりが、人生のいろんなことを赤裸々白書して過ごしたカフェの2F(笑)
海野宿.カフェ 

 

旅籠屋や養蚕農家の歴史資料館、土産屋やカフェなどを
巡りながら歩くひと時はとても楽しく

もっと見たいもっと知りたいと思うほど
あらゆるものに興味が尽きない町でした 

・・・が、お腹がキュルルル~

 

 

そろそろ蕎麦と

名物おやつを食わせろ~!

海野宿.福嶋屋
 
友人おススメのお店 『福嶋屋』 さんは、
信州産の石臼挽き蕎麦粉を使った二八蕎麦だそうで。。。

言っちゃ~なんですが

私んちは東京神田のすぐ近く…
ま、それなりの名店でンマイ蕎麦は食べてきましたから
「てやんでぃっ 江戸の蕎麦と勝負でいっ!」
と、九州の極太うどんでズルズルベッチョに育ったくせに
江戸っ子気どりで信州蕎麦をススリました。

 


うんま~ 

やっぱ信州蕎麦

うんま~~~っ

さすがは信州。

水もいいから蕎麦の香りとのど越しはほんなごつ格別でした。
「どうよどうよ!」 と誇らしげな友人に脱毛・・・いや脱帽です。
彼女イチオシ、名物の “くるみおはぎ” もどれどれ・・・

 


うんま~

この “くるみおはぎ”

うんま~~~っ

地元の “くるみ” をああしてこうしてそうして作った

と言う “くるみおはぎ” は黒いのがくるみ醤油ダレ

白いのがくるみ大根おろしダレ。
いや~これに近いものを

今まで味わったことがないので驚きました。

海野宿.通り1海野宿.通り2 

 

江戸、明治、大正の佇まいが郷愁を誘う

ここ海野宿にサヨナラして

次は・・・


★3-上田城跡公園

上田城門
 城跡ってどこを尋ねても “栄枯盛衰” が心をよぎり
 ちょっぴり寂しくなります。
 が、そこんところは城内にいた真田十勇士のコスプレで
 観光客をもてなす若者軍団が払拭してくれました。
(↑写真は真田石がある大手門)

ただね、

十勇士みたいなコスプレや流行のゆるキャラよりも、
取り巻く “追っかけ” の中にこそ

面白キャラで人目を引く妙~な子がいる、
と思うのは私だけでしょうか? 

ここにもいましたね~、不思議な子(オタク)。
ま、みんな楽しそうでいいやね~(笑)

上田城1
  ◆上田城跡公園
    戦国時代、二度も徳川軍を退けた真田氏の居城跡。

   ◆真田石
    真田昌幸(幸村の父)が上田城築城の際に、太郎山から掘り出した石。
    信之が松代城へ移封の際に、持って行こうとしたけど微動だにしなかったという。
    高さ約2.5m 横約3m

  ◆真田井戸
    真田神社の横にある井戸。
    徳川軍との戦では、真田の兵が神出鬼没のゲリラ戦で応戦したため、
    上田城には抜け穴があると言われていたそうで。
    この井戸の途中から横穴が掘られ、遠くの太郎山まで続いていたという伝説が。


あ~緑はやっぱり気持ちいい。

お堀に沿って歩きました。
4月の 「上田城千本桜まつり」 の頃は

夜桜がライトアップされて見事なんだって!
ええ、ええ、4月にまた来ますって。

呼ばれなくっても押しかけて。(笑)

上田城の緑
   ◆本丸土塁の隅欠(すみおとし)
    土塁の北東角を削って鬼門除けをしていると書いています。
 

さてお次は?


★4-上田紬の機織り体験

「ガラス工芸か機織りか…どっちがやりたい?」

とメールで聞かれ
「朝寝坊か昼寝か…どっちがやりたい?」

に匹敵する難問でしたので
ひと晩う~~~んと悩んだ末 「機織り」 と答えました。

 


尚雀

初めての機織りに

挑戦しまーす!

本来、機織りは鶴の仕事だから

雀はやんないですけどね。 

上田紬.小岩井紬工房
 
《小岩井紬工房》

家屋や石垣に昔の面影を残すステキな住宅地の中に

この工房の暖簾を見つけました。
「こんにちわ~」 と玄関を開けると優しそうな若奥様と
その後ろからチラリと小学生の可愛い男の子が迎えてくれました。
 

上田紬の先生  
 写真奥:とても美人な若奥様(先生)で、
 私が織るための下準備をしてくださっています。
 優しく丁寧に織り方を教えてくださいました。
 
 そして、写真手前の織り機が
 アンニャロメ(友人)がこれから使うもの。
 

 

足をあーして手をこーして、足をこーして手をあーして
バッタン!
足をあーして手をこーして、足をこーして手をあーして
バッタン!


同じことの繰り返しでと言いますが、
運動音痴の私はどうにもこうにも動きがぎこちなく
アンニャロメに始終笑われてしまいました。

運動能力は機織りのリズム感にも影響するのかな?
しばらくの間、要領がつかめず四苦八苦。
何度か糸通しの杼(木の針)を床にぶっ飛ばしました。

顔に似合わず器用なアンニャロメは

バッタンコ、バッタンコ進んで
もう悔しいったらありゃしない。

尚雀 「先生っ!敵はもう何センチ織ってますか?」
先生 「てっ… あちらは敵なんですか?!」 (笑)


先生と3人、冗談まじりに笑いながら織った紬は
我ながら敵に勝るとも劣らない上々の出来栄えで大満足。

あ・・・あんまりじっくり見ないで欲しいんだけどぉ
両端の不均等なほつれ具合と糸のこんがらがりで
世の移ろい・季節の巡り・心の不安定を表現した作品に

仕上げました。 きゃは!

命名 『晩秋夜半乱れ織紬』 尚雀作 (↓ 上の紺系の紬がそうです)

上田紬.織り機 

 

機織り体験が終わると

工房のことや織り機、染色の説明をしてくださり
お茶を御馳走になりながら

とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

  尚雀 「先生、また来ます!絶対に来ます!
      今度は新幹線の中で、手と足の動きをエアー機織りで練習して
      彼女より先にここでひと織り実習した後に、
      久しぶりに来たって顔して、改めてコンニャロメと出直しますから」
  友人 「ハハハ…あなたどこまで負けず嫌いなの~」

私たちは互いの名作を手に工房をあとにしました。

  ◆上田紬
    上田紬は300年以上の歴史がある絹織物。
    真田昌幸が農民に織らせたのが始まりだそうです。
 

 

 

今日の旅は

これでおしまい。



さて、お泊りは 『別所温泉 臨泉楼・柏屋別荘』 です。
日が暮れる前に宿へ車を走らせました。
つづきはまた別に。。。

 

 




チャマ2013.11.長野1  よく寝るからネコ

 人間の皆さんは、1日8時間寝るとして
 人生3分の1は寝てる時間
 80年生きても 26年間は寝てるよって
 睡眠をもったいないみたいに言うよね
 
 夢の中でちゃんと起きてるのに!
 寝てても生きてるしっ!
                  By チャマ