涙の理由 | 山川咲の解放区blog

涙の理由

ハワイへの出発の飛行機は19:30成田発。

自分にメンテナンスの必要なときに、
人生を考えたくて一人で乗り込む飛行機は
断然夜の出発のほうが好き。

国を超えて、夜を超えて、時をこえて‥朝がくる。
そんな当たり前なことで、新しい明日が私に訪れることを
教えてくれる儀式みたいだから。

搭乗までに日本での仕事をちゃっちゃと済ませ、
ハワイへ向かう飛行機に乗り込む。
不自由が多くても、私は決まって窓側の席を選ぶ。

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離陸しようとする瞬間に真っ暗になる機内。
その暗闇に、私は何度でも人生の迷子になる。

機体が動き、それが速まり、加速して、やっと
地面から離れて、重力がぐっと体にかかる時、
私はいつだって外を見ながら、はらりと少し泣く。

自分はどこから来て、どこへ向かっているんだろうという問い。
人生と向きあう少し張り詰めた空気。
私の真ん中にあるセンチメンタルな気持ち。
エンジン音が呼んでくる何かが始まるという期待。

そんなものが相まって流れるその涙は、
気持ちの良くない涙じゃなくて、
人間らしくていじらしくて潔いと思える涙。

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ふと、この数カ月を想い出す。
フェスをやって見えたもの、見えなかったもの。

「その先のセカイ」を見せられる一握りの人間が
この世の中にはいる。

一人では到底想像もできなかったセカイに
ぽんと人を連れていけるような。

恐ろしいこだわりと姿勢とチカラを持った人。

私はそんな人になりたいんだと思った。

フェスはそれを教えてくれて、
同時に今のままじゃそうなれないと教えてくれた。

フェスをやってよかった。
そこに一点の後悔もない。

でも、私が目指している自分の姿には程遠いとも
教えてくれた数ヶ月のチャレンジだった。

そのもやもやに気づくまで時間がかかって、
考えすぎてかすれた今の自分はなんだか
からっぽだと思った。

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ハワイは充電の旅。
お仕事はすぐに済ませて、自分を満たそう。
愛と空気とエネルギーを私の体に送り込もう。

大丈夫。
何度でも凹んで、苦しんで、それでも考え続ける自分こそが
この人生を創ってきたことを今の私は知っているから。


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