春の陽気と共に、冬に溜め込んだ老廃物を排出中です。旬の食材には、そのような力を兼ね揃えてるんだな、と感じる季節です。
画像は、物語の中に出てくる、2枚の完成作品です。
6月23日(金)~7月5日(水)の東京 高円寺 猫の額さんで個展開催致します。
今回の展示は、猫沢さんが、カンタスカラーナ周辺に点在する、ネコ型宇宙生命体の住む星を案内します。
猫の額さんでは、常時、猫沢さん作品のポストカードも、購入出来ますよ~。
では、続きをお楽しみください。
《第6章⑦ イメージ転送実験終了》
あれから数ヵ月後、年がすっかり明け、2015年のはじめ、遂に作者は、サンプル2号から受け取ったイメージを描き上げました。
「完成した~!いつもの雰囲気と違っておもしろい!」
今までの作品とは、全く違う新鮮さに喜んでいました。
作者が使っているマットな仕上がりになる画材が、昭和のレトロな時代のイメージとピッタリと言う事を再発見し、はしゃいでいると、猫達が、作者の部屋にトコトコと、やってきました。
「ちょうどよかった!猫沢さん!答え合わせしてください」
作者は、得意気に見せると、猫達は、群がります。
「ほう、まあまあよく出来ていますね。サンプル2号は、イクサフィーゴを鯉の滝登りのイメージで送った。と言ってましたが、成る程、そう言う事ですか」
猫沢さんは、クススと笑うと、 一緒に覗き込んでいた、小さなマシン猫、はっちゃん(ΣS-8)が、
「これ、僕たち?カッコいいねーこのタイプはねぇ、昔、虎之助博士が作った3号と22号に似てるよ!」
「へー、そうなんだ」
なんと、門田さんは、違う時代のΣ達の姿を再現していたのです。門田さんは、寅次郎博士と同じ故郷星の出身、どこか深いところで、意識が繋がっているのでしょう。
「もう1枚の絵は?」
「あ、はい、この綺麗な猫は…?」
作者が、不思議そうに問いかけると
「ジャッコ博士です。彼女は、私達よりも遥か昔にテラを訪れた科学者です。よく描けています。2号も喜ぶでしょう」
「猫沢さん達より先に、地球に来ていたのですか?それは何故ですか?」
「私達と同じく、寅次郎博士を探していたのです」
「彼女は、寅次郎博士と会えたのですか?」
「もちろん、と、いっても、もう20年も前の話ですがね…」
「20年」
作者は、目を丸くしてしまいました。
「彼女は、再び、何かを伝えたくて姿を現しました」
「現した?」
「はい、ですので、ジャッコ博士の絵は丁重に扱って下さい」
猫達は、作者の描いた絵を、じっと見つめています。
「1号さん、この中には、私達のメッセージが託されています。しっかり伝えてくださいね…」
猫庭博士が、大きな瞳をうるませながら、優しく訴えると、他の猫達も、見つめだしました。澄んだキラキラしたビー玉のような瞳の猫達、幼い頃にテレビで見た、怖い顔の宇宙人とは全く違う瞳に、今までの概念が、崩れていくようです。
「あ、寅次郎博士達の事も、紹介してください」
猫沢さんは、付け足すように、言いました。
「寅次郎博士達も?地球人ですよ。個人情報ですよ。良いんですか?」
「大丈夫ですよ。所在などの詳しい情報を公表しなければね。彼等からの許可は了承済みです。あなたは、この先、新たに耳にする、私達、彼らの話に、戸惑うかもしれませんが、それを元に、いつもの通りに、空想的な物語を描いて発表してください」
「真実ではなく、空想話で…よいのですか?」
「はい。テラのカルカナル磁場の世界では、私達のような宇宙的存在や話は、あり得ない存在、または恐ろしい存在として、認識するように設定されていますからね…」
猫沢さんは、少し寂しげです。
「設定?猫沢さん…言っている意味が、よくわかりません…」
「そのように設定された世界の中では、私達の情報は、かき消されてしまいます。カルカナル側にとって、面白くない話題なんですよ。ですから、創作の一つの光りとして灯すのですよ」
猫沢さんは、いたずらぽくクスクスと笑っています。作者は、混乱してしまっていました。
「まぁ難しい話は、混乱を招きますので、とりあえず楽しんで下さい」
猫沢さんは、作者が描いた門田さんイメージの作品を、そっと返しました。
「この絵を必ず、2015年の6月に展示してください。必ず、メッセージを受け取った者が現れます」
作者によって、描かれたジャッコ博士が、どのように、動くのか…?
最後に、猫沢さんは、門田さん本人が描いた、ジャッコ博士の絵を見せました。
「なんて綺麗…構図は同じだけど、私が描いた絵と全く違う…こっちの方が、断然、良いじゃないですか!?なんで、こちらを公表しないんですか?この人が、カンタスカラーナ紹介したら、もっと多くの人達に、伝わるんじゃないですか?」
美しい猫の画に、ため息をつきながらも、戸惑う作者に、猫沢さんは言いました。
「彼は、訳あって、これを公表してはいけない立場にいます。それ以前に、この絵が放つ周波数は、高貴かつ、繊細過ぎて感知出来るテラビト達は、限定されてしまいます…」
「高貴で繊細…?つまり私の絵は?」
「超あらびき!」
猫沢さんは、人差し肉球をビシッと立て、自信満々に答えました。
「なんか、その言葉、ぐっさり刺さりますが…あらびきの周波数の絵で、良いのですか?」
「もちろん!あらびきな周波数である事に、自信を持ってください。今は、それが最大の力になります。時が満ちるまではね」
にこやかに話す、猫沢さんに、呆気にとられ調子が狂った作者を、周りの猫達はクスクスと笑っています。
「では、宜しくお願いしますね」
猫庭博士をはじめ、可愛らしい猫達が、お辞儀をし、宇宙船に戻っていきました。
猫沢さんが、去り際に…
「そうそう、大切な報告です。イクサフィーゴを一体発見しました。あと一体と残りのキーパーツを見つければ、私達の任務は、一端終了します。では」
一人残された作者は、急に、あらびきソーセージが食べたくなり、台所に向かうのでした。
作者自信が放つ周波数は、超あらびき…これは、別の意味でとらえると、低レベルの粗い周波数…
猫沢さん達と接するようになり、彼等に追い付こうと、高みを目指していた作者に、なげかけられた言葉「時が満ちるまで現状維持」その意味は、いずれ、解ると言えど、モヤモヤ感がよぎります。
何がなんだか分からないままだけど、がんばれ、カンタスカラーナ広報担当!
[第6章 おわり]
次回から、第7章スタートです。
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
そんな楽しい猫の星の世界観第3弾を、昨年も東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
2017年の6月も、幻想の魚の秘密.第4弾を展示決定!既に準備は始まっています。お楽しみです。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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via 個展連動SF猫物語[幻想の魚の秘密]シリーズ
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