前回の更新から、随分間隔が開いてしまいました。お待たせいたしました。
 
画像は、2016年個展作品の寅次郎博士と猫のアルハンゲルです。
 
では、続きをお楽しみ下さい。
 
 
《第5章 寅次郎博士と門田さん》
 
「風天さん、あんた、みちたろさの弟子って言っていたな。私も昔、食べたが、ありゃぁ本当に旨い蕎麦だった。あんたの蕎麦もうまいんだろうなぁ…」
 
門田さんは、落語家のように、蕎麦をすする真似をして見せました。
 
「味は保証するよ。私は、今、小さな村の診療所もやっている。すっかり蕎麦打ちが本職になっているがね。あそこで働いていた頃よりも、楽しいねぇ…」
 
寅次郎博士は、かつて自分が勤めていた大病院の事を、思い出していました。
 
「あそこはエリート医者ばかりと聞いていたし、給料も相当良かったと聞いていたが…」
 
「確かにな…だが、私には…あの世界は合わなかったよ…そう言う門田さんは、もう、絵は描いていないのかい?」
 
「たまに描いているよ。数年に1回展覧会をする為に、時々、東京に出向くくらいで、あとは畑の守だ。ふもとの町の販売所で野菜を売ったり、山で狩りをしたりして暮らしてるさ」
 
「そりゃあいい。展覧会する時は、教えてくれ、見に行くよ」
 
二人は、地球人として生きてきた事柄を、軽く報告しあうと、美しいカンタスラーナ星人の話に移った、門田さんは、彼女について気にかかっていた事が、あったのです。
 
「この美女猫は、一体?」
 
「私の捜索任務を代々受け継いだ、[猫の私]の子孫に当たる一族の一人だよ。彼女は、私が星の猫達に伝えた全てを理解し、深く研究し、星の平和を護っていた猫でもあるんだ…そして見事に、私を探し当てた…」
 
「なるほど、あんたが、このチームのリーダーに、抜擢されたのが、なんとなく理解できたよ…」
 
門田さんは、この星に共に派遣される前に行ったミーティングで、役割分担をした時の事を思い出していました。
 
「私達の任務は、星の…いや、宇宙の循環を促す為の一筋の光、後に続く者達を育てていくのも任務の一つさ…」
 
寅次郎博士は、そう言うと、手の平に現れた光のボールを、クルクルと回していました。
 
「光か…確かに私達の仕事は、一瞬の光にしか過ぎない、小さな瞬きのようなもんだな…」
 
「この星のホログラムボディは、この瞬きのような一生を、実に長く感じるように設定されている重い入れ物だ…危うく、任務を忘れて星に帰る所だったよ。猫達に感謝しなくてはね…しかし、門田さん、この猫の絵から出てくるエネルギーが凄いのだが…」
 
寅次郎博士は、ジャッコ博士の絵から溢れる、光のような粒子が踊るのを眺めていました。まるで、再会を祝うような暖かな空間。
 
「ほう、風天さんにも分かるか?これを描いた時、とても不思議な感覚に包まれていたんだが…私は、この女性猫に会ってみたいのだが…会えるんかね?」
 
「…彼女は、とうに猫の星を離れたと聞いたよ…」
 
「…そうか…」
 
門田さんは、とても残念そうです。
 
二人は、お茶をすすりながら、煎餅を頬張りました。
 
「門田さん、明日、また詳しい事を話す。次のミッションの打ち合わせをしよう」
 
「あぁ、蕎麦も楽しみにしているよ!」
 
「あ、そうそう、これを渡しておこう。猫達が用意してくれたシリアルバーだ、覚醒したばかりの脳は、エネルギー消耗が激しい。これを食べてゆっくり休んでくれ」
 
寅次郎博士は、猫沢さん達から貰った、シリアルバーを数本、手渡しました。
 
「ほー!こりゃありだかい。ちょうど、腹へって、眠たくて仕方なかったんだよ…ありがとう」
 
「私は、そろそろ、これで失礼するとしよう。明日、迎えに来るから!」
 
「じゃな」
 
「ちょっと待ってくれ!」
 
門田さんは、隣の小屋に行くと、何やら持ってきました。
 
「これ、うちの畑の野菜だ!持っていってくれ」
 
米袋にいっぱいの、秋の収穫野菜を渡して来ました。
 
「あぁ、ありがとう」
 
寅次郎博士は、そう言うと、車に野菜を積み込み、沈みがかった夕日を眺めながら、自宅に向かうのでした。
 
[つづく] 
 
2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。
 
また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓
 
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
 
東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。
 
 
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
 
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
 
(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい)  

 

 

AD



ポストカード入れ替えました。今年度の個展作品のポストカードもございます。


委託していただいている。岐阜県美濃加茂市 中山道太田宿にある「パン工房 いまやす」さんです。

一見、パン屋さんに見えない、たたずまいですが、中に入ると美味しそうなパン達が迎えてくれます。しっかり、シットリした食べ応えがある食感の、優しいパン達、奥には喫茶スペースもあり、店内での飲食も可能です。

近くにお越しの際は、是非、お立ち寄りくださいませ。

詳しくは、パン工房いまやすさんのHPをご覧ください。



いまやすさんがある、中山道の通りに沿うように、木曽川が流れています。堤防道路は地元民が散歩やランニングコースとして利用され、太田宿を散策する人達も多く、素敵な風景を楽しめます。


近くに、太田宿 中山道会館もあり、お土産コーナーや、食事処、史料館もあり、ちょっとした休憩も出来ます。

(時々、こちらでも作品展示させて頂いております)




AD






暑いですね。

来年の1月に、猫の額さんにて、企画か示の参加が決定いたしました。作品の構想も浮かんできました。

楽しい企画展になるよう頑張ります。

では、お楽しみ下さい。

画像は、2015年個展作品[美しきメッセンジャー]
ジャッコ博士、彼女は、この物語の大切な役割を持つ、タイトル通りのメッセンジャー、門田さん製作の作品と言う設定。

モデルは、猫の額さんの先代看板猫ジャッコさん。
(現在、この作品は手元にはなく、ニューヨークの猫好きの方の元に、お嫁入りしていきました)


《第5章 イクサフィーゴと猫達》

門田さんは、あまりの驚きに、煎餅を畳に落としかけました。

「風天(かざま)さん、今、何て言った?」

「猫達が、探していた人物は見つかったよ」

寅次郎博士は、のほほんとして、お茶をすすり、安堵の表情です。

「あんたの知ってる地球人か?」

「ああ」

「誰だったんだ?」

「私だよ」

「はぁぁ?あんただったんかい!?なんでまた?」

「命綱さ」

「命綱?」

「彼等は、私が以前任務していた星の住民だ。私は、任務が終わり星から離れる直前に、彼等にお願いをしたのさ「私を探して起こしてくれ」とね」 

「用意周到だな!」

「彼等は世代を越えて、探し出してくれた…感謝しなければならないよ。私は、なんとしてでも地球で、覚醒しなくてはならなかったからな…」

「イクサフィーゴ担当者も、結構キツいのう…」

「そうでもないさ。今回のミッションのタイミングの鍵を握るのは、イクサフィーゴ達だ。今が、そのタイミングなのだろう…その彼等が、猫達を大勢引き連れ地球に来たんだ。カンタスカラーナ星人の智恵を借りよ。とね…」

「イクサフィーゴが…!?あぁ、あの猫達には、悪い事をしたなぁ…私はてっきり幻覚の類いか、動物霊か何かのイタズラだと思って、冷たくあしらってしまったよ…」

門田さんは、申し訳なさそうな表情で、囲炉裏にかけた鉄鍋の中の具材をかき混ぜていました。

何やら、良い匂いが立ち込めます。 

「気にするなよ。また、彼等とコンタクトを取るから、会わせるよ」

「もちろん会うさ!」

「ひとつ、聞いておきたい事がある…」

「なんだ??」

「猫アレルギーは持ってないな??」

寅次郎博士は、とても真剣顔。 猫の館の主として、これは重要な事だからです。 

「全く平気だ!ところで、風天(カザマ)さん、あんた、鹿肉食えるか?」

鹿肉と聞いた、寅次郎博士。無表情で首を横に振りました。

「じゃ、キジは??」

さらに激しく、首を横に振ります。

「…そか」

門田さんは、少し残念そうに、鍋の蓋をソッと閉じました。

「実はな…猫達の星は、未だ、カルカナルの影響下にあり、イクサフィーゴの力を必要としている。まだ数体は、カンタスカラーナに居る」

「揃っていないのか?一体どう言う事だ?」

「どうやら地球でのカルカナル磁場の影響で、足止めを喰らっている…それに猫達の星では、奴らの残党が復活したらしい…ことごとく、何かが歪められズレている…」

「残党復活?」

「あぁ、カルカナルの力を受け継いだ、僅かな猫達のマインドを乗っ取り再生したと聞いた…まぁ、詳しくは、猫達から直接聞いてくれ。あ、ちょっと電話してくる」

「あぁ…」

寅次郎博士は、土間に向かい外に出ると、思い切り深呼吸をしていました。さっきの鹿鍋の匂いが、少々、キツかったようです…。

そして、手の平を効き耳に当てると…

「猫沢くん、聞こえるかい?私だ。門田さんとコンタクト取れた」

暫く、聞き耳を立てていると返事が返って来たよう。

「わかった、ではまた明日」

寅次郎博士は、再び家の中に戻っていきました。

「お待ちどうさん。門田さん、良かったら、明日、私の家に来ないかい?猫達にも会える」

「本当か?」

「あぁ、極上の蕎麦もご馳走するよ。あれ?」

寅次郎博士は、再び、猫の絵を見つけました。宇宙飛行士のような、キラキラした眼差しの猫です。

「ジャッコ博士…」

「この猫も、知り合いか?」

「あぁ、彼女には随分、世話になった…」

「美しい猫だな。私は、彼女には直接、会っていないが、こう、希望に満ちた真っ直ぐなエネルギーやイメージが浮かんで…筆を走らせたが、とても楽しかったよ」

「明日、この絵を猫達に見せるといい、きっと喜ぶだろう」

寅次郎博士は、優しい眼差しで、ジャッコ博士の絵を見つめていました。

「そう言えば、風天さん、あんた、今は何やってるんだ?」

「蕎麦職人だよ」

[つづく]

 2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい) 







AD






暑い日が続きますね。今年始めに仕込んだ、手作り味噌を、お味噌汁にしてみましたら、とても美味しくて、発酵食品って凄い!と思いました。

では、続きをお楽しみ下さい。

画像は、2015年個展作品です。物語上では、今回登場した、門田さん(テラビトサンプル2号)が、描いた作品と言う設定です。


《第5章 カルカナル磁場の歪み…》

「随分待たせたな。カルカナル磁場の影響で時空が歪み、私達の覚醒に支障が出たと思える…」

寅次郎博士は、そう言いながら、真顔でお茶をすすりました。

「そうか…この星でのカルカナルの影響は、相当なものだな…本来なら、この星に来て、二十年を過ぎた時点で、覚醒し、落ち合う計画だったが…その頃に会いたかったわい…見てみろ、この皺を、すっかりじぃさんだぁ!」

門田さんは、カカカカと、笑いながら、深く刻まれた皺を指差し、出た腹を、ぽよんと叩きました。

「ははははは、私もだよ。今年で70だ。この星のホログラムボディの耐久年数は、驚くほど短くて脆い、通常の倍の速度で劣化していくんだ。気がついたら、この姿さ!」

寅次郎博士も、すっかり白くなった、自分の髪の毛をワシワシと掴みました。

「みちたろさ…いや、カミオンは、覚醒していたのか?」

「いや…」

「じゃあ、これは?」

門田さんは、不思議な顔で、日記を指差します。

「完全覚醒ではないよ。無意識下で書いた物だ。神楽師匠は、生前、私に、妙な言葉や文字が浮かぶと言って、よく見せられた口だ。その当時の私も覚醒してないもんだから、すっかりちんぷんかんぷんだった…」

「ぷぷ…私と同じだな…」

「どう言う意味だ?」

「私は、文字や言葉ではなく、イメージとして浮かんできていたんだよ」

「ほう?」

「頭の中に、映画のシーンのようなものが浮かぶのさ、私達の星の場面、他の星でミッションをこなしていた場面、地球でのミッションのミーティング風景…その時の会話や出来事が、イメージとしてね…私は、これは単なる妄想か夢だと思っていた…」

「成る程…いいところまで思い出していたのか…私は、どうだったろうか…?3歳くらいまで、以前の記憶があって、周りに[変な宇宙の話する変な子]と言われていたが、ある日ピタリと言わなくなった…周りに[やめろ]と言われ続けて、だんだん話せなくなっていたんだな…」

寅次郎博士は、当時の自分を振り返っていました。確かにその時までは、鮮明に覚えていたのです…

「そうだったのか…私の場合は、飯の種になった…この記憶の欠片を再現してSF画家として、仕事していたさ。本も何冊か出した」

そう言うと、門田さんは、押し入れからファイルを出してきました。

今まで手掛けた本の挿し絵や映画看板、それはそれは、胸踊る見事な宇宙ロマンを描いた作品から、息をのむような美しい女性の絵が、数冊のファイルに保存されていたのです。

「これは…見た事ある!これ、門田さんが描いたのか!?この絵、何かの雑誌に載っていたな…」

寅次郎は、まるで子供のような眼差しで、懐かしみ、ふと、数枚の作品に目が止まりました。

「あ…」

「懐かしいだろ、私達の故郷さ…私は、この作品で、賞を貰ったんだが…当時、何人かに「理由は分からないが、涙が出て仕方ない。懐かしい」と、言われた事が何度もある。彼等も、同志だったんだろうか…?あの時の彼らは…今、どうしているだろう?」

門田さんは、作品の前で、花束を抱え、満面の笑みで写る、自分の姿を眺めていました。年の頃は、30才位でしょうか。 

「これ門田さんかい?男前じゃないか。それにこの作品…無意識下で描いたとは思えない正確さだな…」

鮮明に思い出した二人は、懐かしんでいました。

「そうか、私の中から出てきた作品は…私の記憶そのものだったのだな…」

「門田さんは、いつしかそれを、現実には、ありもしない空想物語を描いている。と、思い込んでいた…」


「これが、地球でのカルカナル磁場の影響か…どれだけ対策を練っても、我々の宇宙意識や覚醒時期が歪められてしまう…」

門田さんは、悔しそうに言うと、煎餅を噛み締めました。

「先輩が言っていたな…[地球が一番、覚醒が難しい、なめてかかるな]と…こう言う事だったのか…」

ファイルを眺める寅次郎博士の視線に、黄ばんでいない、真新しい絵が飛び込んできました。

そして、吹き出した。

「どうした、風天(かざま)さん?」

「か、門田さん?こ、この猫の絵!?」

「あぁ!それか、そりゃ、1年位前に遭遇した宇宙人だよ!」

「カンタスカラーナ星人だな?」

寅次郎博士は、ケラケラと笑っています。

「よく知ってるな。彼らは、とても紳士的な生命体だったよ。あの時、誰かを探していたらしいが、見つかったんだろうか?」

「見つかったよ」

「へ???」

門田さんは、寅次郎博士に、はてなマークをぶつけた。

[つづく]

 2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい) 












物語は、次の章に入ります。では、続きをお楽しみ下さい。

画像は、2016年個展作品[橋渡しの民 風天寅次郎(かざまとらじろう)]彼の横にいる猫は、アルハンゲルです。

使用画材、三菱ユニポスカ コピック

《第5章 緑の幾何学曼荼羅》

寅次郎博士は、猫沢さん達と、コンタクトを取った翌日、自分の住んでいる村から少し離れた村に出掛けました。

そう、例の[橋渡しの民]の仲間。門田たかしと言う男性を訪ねに。

寅次郎博士は、村人に訪ねながら、辿り着いた彼の自宅は、昔ながらの百姓家屋、車庫には、軽トラが一台停まっており、放し飼いの鶏達が、不思議そうに、寅次郎博士を見つめていました。

「ごめんください」

玄関先にたたずむ寅次郎博士、返事はありません。外出中なのかと、しばらく、待ってみる事に…

すると、隣接する小屋の中から、小柄でポチャッした白髪の男性が現れました。

「なんか用かね?」

「あ、こちらは門田たけしさんのお宅でしょうか?」

「あぁ」

「たけしさんは、ご在宅でしょうか?」

「わたしだが?あんたは?」

「私は、隣の隣村の風天寅次郎と申します。私の師匠が、生前、あなたに、お世話になっていた事を知りまして…ご挨拶に参りました」

「師匠?」

「神楽未知太郎師匠です…私は、一番弟子でして…」

門田さんは、キョトンとしていましたが、思い出したのか…

「あぁ!神楽屋の!みちたろさは、元気か?」

「10年前に亡くなりまして…」

「…あぁ…そうか…亡くなったのか…」

「102歳の若さでした…」

「102歳!?大往生じゃないか…で、あんたは?なぜ、私を訪ねて来たんだね?」

門田さんは、不思議な顔をしていました。

「先日、神楽師匠のお孫さんから預かった遺品の日記に、あなたの事が書いてありまして…いても立っても居られず、訪ねに参りました」

「日記?まぁ、立ち話はなんだから上がっていきな」

そう言うと、玄関を開け寅次郎博士を、囲炉裏のある居間に通し、熱々のお茶と、囲炉裏で炙ったの熱々の煎餅を出してくれたのです。

「みちたろさは、この煎餅が好きでよ。わざわざ、この村まで買いに来てくれてたんだよ」

「懐かしいです。昔、師匠が、厨房の炭火で炙って、醤油を塗って、おやつに出してくれました」

「ほう!食べた事あるのか?」

「はい」

寅次郎博士は、出された三枚の煎餅をペロリと平らげてしまいました。

「なんとなく、あんたとは、始めて会った気がしないんだが…どこかで会ってたかね?」

「そうですね。30年前位に一度、倉永井大学記念病院で、チラッと…あとは…」

「倉永井…?わたしの妻が入院していた所…」

「私は、当時、そこで働いていました。あなたが風邪を引いた時、診察した事があります」

「んー…確かに風邪で診察を受けたが…あんたの顔は覚えてないな…もとい、今のあんたの姿を、30年逆算して想像しても検討もつかねぇや…違う、もっと昔だよ…なんて言い表しゃいいんだ?」

門田さんは、困惑気味です。寅次郎博士は、おもむろに、鞄の中から日記を取り出しました。

「唐突で申し訳ありませんが…これ、読めますか?」

「!?」

渡された日記を広げた途端、門田さんは、カッと目を見開き、物凄い速度でめくり始めました。


「か、風天(カザマ)さん…あ、あんたは、これが読めるのか?」

「読めます」

「…これは、私の中の夢物語ではなかったんだな…本当の事だったんだな…!私は一体、何者なのだ…?」

「門田さん、あなたの本当の名は、キノリア、私はラステライです。お久し振りです。ブラザー」

すると、門田さんの頭上で、何か、弾けるような音と共に、緑色の大きな幾何学曼荼羅が出現しました。

ブロック解除です。

幾何学曼荼羅と共に、数字や記号のような物が、眩いばかりの滝のように落ちていく映像に、門田さんは、目を白黒させていましたが、何かを、思い出したのでしょう。突然、顔つきが変わりました。

「待っていたぞ、遅かったじゃないか…」

[つづく]

 2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは猫の額さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい) 












今年2月末に仕込んだ、手作り味噌(五キロ)が、もうすぐ出来上がります󾠓生きている味噌、愛着が湧いてきます󾠓

画像は、2014年個展作品[幻想の魚の秘密] 《山頂晴れて》初期作品です。まだ、ストーリーの骨組みがで来はじめた頃の、初々しい猫沢博士です。2013年制作

使用画材 三菱ユニポスカ コピック

では、続きをお楽しみ下さい。

《星を繋ぐ猫達 第4章 テラビトサンプル1号観察記録 2014年⑥ まとめ》

サンプル1号は、 塩、醤油、味噌と、身近な調味料の見直した事により、レベルアップした。

しかし、長年、コンビニ弁当や、インスタントやレトルト加工食品 を常食し、フッ素加工鍋や、電子レンジ(マイクロ波)使用に関して、何ら疑問を持たず 、頑なに塩分を嫌い、糖分を喜び摂取してきた体は、並大抵の漬物石(遮断石) の蓄積量ではなかった…。

その結果として、サンプル1号の、心体を蝕んだ漬物石の影響は凄まじいものであり、脳神経伝達を阻害し自律神経が乱れ、内臓の働きが狂い、激しい胃痛と逆流性食道炎を患い、新陳代謝がうまく働かず血行不良、毒素や老廃物が溜まり、体内に、にごった海水のような血液を巡らせていたのだ。 

結果、慢性的疲労が取れず、ボンヤリと過ごす日々を送り、記憶力も衰え始め、年齢のせいだと諦めていたのだ。

ところがどうだ、第一段階で、砂糖の恐ろしさを学び、各種様々な加工食品の実態を知り、野菜や野草の力を学ぶと、スポンジのように吸収していく

そして、徐々に漬物石は除去されていった。

取り戻した感覚に、驚くサンプル1号は、まるで赤子から幼児へと成長するような勢いであった。

余談だが、もうひとつ、漬物石の影響を受けやすい器官がある。[松果体]と言う、眼球とよく似た小さな水晶体が頭の中にある。ここに支障が出ると、サンプル1号は、私達とコンタクトを取れなくなってしまう。  

昨今のテラビト達の多くは、この器官の石炭化が進み、回りを漬物石(遮断石)が、取り囲み、本来、備わっていたテラビトのエネルギーを、奪い続けている事を、テラビト達は知るよしもない… 
あえて、知らされていないのだ。

そして、私達の星に大きな影響を与えているのが現状だ…

その話は、置いておいて、サンプル1号の体を張った、数々の実験により、物理的な漬物石除去方法が、明確になってきた。

これは、基礎中の基礎に過ぎない、テラビト固体ごとに性質が異なる為、違いが出てくるであろう。

そして、2014年の秋、ある人物によって、なぜ、テラビト達が、このような過酷な現象を、体験させられているのか、謎が1つ解けたのだ。

現在のテラに、かつて、私達の星を救った科学者猫が、テラビトとして生まれ変わり、小さな山里の町医者として生きている。

彼は、教えてくれたのだ。

「これから地球は、新たな成長期を迎える、私は、地球生命体達と共に歩み、地球人達の意識の成長を促し見守る為に派遣された[橋渡しの民]だ」

と、そして、彼は、かつて私達の星を襲った存在が、テラに存在している事を教えてくれた。

そう、カルカナルだ。

テラビト達に、伝えておこう。カルカナルは、強力な磁場を放ち、テラビト達を支配している。

自ら蓄積させた漬物石を、自力で除去し、彼等が放つ、幻覚や幻聴を見破り、本来の力を思い出してほしい。

現在、実験台として記録を取っている、サンプル1号の漬物石でさえも、完全除去には至っていない。

課題は、山積みである。

またの観察記録の報告を、楽しみにしてくれたまえ。

猫沢 空

[第4章 おわり]

次回は、第5章に突入です。

2016年6月24日から7月6日の2週間東京 高円寺 猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい)  











猛暑が続きますね。私は、熱中症予防に、濃い目のお味噌汁をいただいています。

では、続きをお楽しみ下さい。

画像は、2015年個展作品《星を繋ぐ猫達》レトロバージョンです。

使用画材 三菱ユニポスカ コピック


《第4章 テラビトサンプル1号観察記録 2014年 秋⑤ 味噌》

さて、次に調査をしたのは、味噌である。

醤油に続き、テラ ヒノモトの民達のソウルフードと呼ばれる物である。しかし、昨今のヒノモトの民達は、味噌汁離れをしているとも聞いている。

同時のサンプル1号も、味噌汁は、滅多に飲まないし塩分が多いから…と、言っていた。 

そのせいか、分からないが、長年、消化器官の不具合で悩んでいる。しかも原因がわからず、不快な思いをしていると言うのだ…

私は、提案してみた。朝食に味噌汁を取り入れたらどうか?と…

サンプル1号が、食生活を変えはじめて1年と少しが経とうとしている。

現在、塩分控えめの、野菜を多く使った料理を作り始め、咀嚼回数を増やした事で、虫歯になる確率が減った。

しかし、野菜摂取が増えたが、糖分である甘いお菓子類も摂取は、相変わらずである。

そのせいだろう、体内のナトリウムを始めとしたミネラルが失われ、亜鉛が不足し味覚異常にみまわれた。

それを補うのが、塩分を含む発酵食品である。味噌や醤油の中にはテラ ヒノモト達の腸内環境を整える力を備えているのだ。

昔のヒノモトの民達は、自宅で、味噌を作っていたと聞くが、現代は、スーパーで安価な味噌が出回っている。

サンプル1号も作らない派だ。そんな彼女が、購入してきたのは、無添加味噌と呼ばれ、伝統的な技法で作られたものである。やはり、800~1000円程と高めだったとの報告を受けた。

スーパーで安いものは300円位から、あるものだから、高いと感じているらしい。

サンプル1号は、今まで、コンソメ薄味の野菜スープの朝食から、野菜たっぷり具だくさんの味噌汁に切り替えた。

しかも味噌少し多めだ。

「わぁ、美味しい!味噌汁って落ち着きますね~」

「それは良かった」

「猫沢さん、味噌汁飲むと元気になった気がするのですが」

「失った栄養素が、補充されたからでしょう。それに胃腸の働きを改善する力を持っています」

それから、しばらく経った頃だろうか?辛いゲップを伴う、苦しい逆流性食道炎の症状が、緩和されたと喜んでいた。

彼女は、もう20年近く悩まされ続けていたのだ。

味噌汁は、荒れ狂った胃腸を、静めてくれたのだ。

そして、しばらくして、サンプル1号が、口内炎に悩んでいた。なんでも、月に1度はできるそうだ。

私が、彼女の作る味噌汁を見てみると、何か足りないのだ…味もなんだか、物足りない…

「あのう…出汁は取っていますか?」

「これと言って別に…」

呆れた事だ!出汁を、おろそかにしている…。

「やっぱり出汁って必要ですか?」

「お馬鹿にも程があります…好みの出汁を見つけて下さい」

サンプル1号は、自分に合いそうな出汁を探し始めた。

最初は、にぼしで出汁を取っていたが、にぼしの頭や内臓を取らずに投入し入れっぱなしにして、苦味の残った味噌汁を作っていた…。

理由は、

「まるごと使わないと勿体ない気がするし、にぼしも食べる…」と、

しかし、味噌汁は、あまり美味しくないと言っていた。

それでは長続きはしないだろう…にぼしは、出汁にせず、そのまま、バリバリ食べる事にしたようだ。

「猫沢さん!家に、干ししいたけと昆布が、ありました󾬄今度から出汁は、これにします!これなら入れっぱなしでも大丈夫ですし、美味しく丸ごと食べられます󾬆」

サンプル1号は、早速、使い始めた、好みの味に仕上がり満足している。

すると、どうだ。口内炎が出来なくなったのだ。それもその筈である。

最強コンビ出汁だ。

しいたけには、ビタミンB1、B2やミネラル類が豊富である。ビタミンDとナイアシン、グアニル酸、グルタミン酸といううま味成分、そして、食物繊維が含まれている。

そして、ストレスにも良い。イライラや不安定な心を、緩和させ穏やかにするのだ。

昆布にも、豊富なミネラルやビタミンが、含まれている。しいたけ同様、ビタミンB1、B2が含まれ、疲労回復にも最適であり、アルギン酸は、頭の回転が良くなると言われている。そして、摂りすぎた塩分の排泄も促す。

そして、ヨウ素、前々回の塩の章で出てきた、長崎の被爆者を救った味噌汁の話を、覚えているだろうか? 

あの、味噌汁の具の中は、ワカメもあった。昆布よりも少ないが、ワカメにも、ヨウ素が沢山含まれており、甲状腺ホルモンの代謝をコントロールしている。 

ヨウ素が、不足すれば、甲状腺ホルモンが充分に作られなくなってしまう。大切な栄養素である。

それらの、素晴らしき栄養素を含んだ食材と、味噌が融合すれば、テラビトの体は、正常に働くのだ。

サンプル1号は、ただの干した海藻やキノコと、あなどっていた事に対し、あれ以来、乾物に対する意識が、変わった。

もちろん味噌もである。

「猫沢さん、私、今まで、ただ胃に、食べ物を送り込んでいれば良い。と思っていたんですが…知れば知るほど、奥が深くて、驚きました…」

サンプル1号は、しきりに感心しながら、美味しい味噌汁を、美味しそうに飲んでいた。

「味噌に関する、不可思議なエピソードをお話しましょう」

「なんでしょう?」

「記憶に新しい、ヒノモトで起きた大地震が起き、私達の星で例えると、古代燃料製造基カクラリウムが崩壊した時、ヒノモト国外のテラビト達が、買い求め買い占めた食べ物が、何か、ご存じでしょうか?」

「3.11の事でしょうか?日本人以外の外国人が、買い占めた物ってなんですか??」

「味噌です」

「味噌!?」

「それも、あなた方の住む地域では馴染みのある、赤味噌、八丁味噌です」

「八丁味噌?何故ですか?」

「さかのぼって1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が発生した時、西ヨーロッパ諸国で「味噌は放射能被害に効果がある」と言う説が広まり、こぞって買い求めたという話がありましてね。3.11の時も同じ現象が起きて、買い占めていく外国人達が、殺到したのですよ」

「えー󾬄なんですって󾬄なぜ、その事が、日本で、広まらなかったのですか?おかしくないですか!?」

「何故でしょうねぇ?一度調べてみてください。何かが見えてきますよ…あ、ひとつ注意点が…味噌を選ぶ時、生きた味噌を購入してください。スーパー等で売られている安価な味噌の大半は、発酵などしていませんし、ただの味噌風味の茶色い固体ですからね」

「醤油の時と一緒…!?」

サンプル1号は、頭がハテナだらけになったようだ。

遠い昔、私達の星の歴史の中にも、そっくりな事が起きたのだ。やはり、その時も、星猫達を救ったのは、微生物だったのだ…。

この偶然の一致は、誠に不可思議で、謎が多い…

[つづく]

2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺 猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい) 











暑い日が続きますね。
いかがさあ過ごしでしょしか?

画像は、猫沢博士と、助手マシン猫Σ-41&ΣS-8

昨年の個展のメイン作品[星を繋ぐ猫達]
現在こちらのブログで展開されているのは、昨年発表の物語です。

使用画材、三菱ユニポスカ、コピック

では、続きを、お楽しみ下さい。


《第4章 テラビトサンプル1号観察記録 2014年 醤油》

サンプル1号は、2013年に、私達、カンタスカラーナ星人に出会うまで、食に対して無頓着であり無知であった、自らの体や精神を、無意識のうちに痛め付けていた事を知らずに過ごしていたのだ。

私達とコンタクト後、ユックリとした早さで、理解し実践し、かつての、ヒトとしての感覚を取り戻しつつある。 

テラビト達が、今まで造り上げてきた、薬品で調整され整えられた食品達は、消費者である彼等の内蔵や細胞組織や心のあり方等は、考慮されていない。

これが、ヒノモトの世界の、現実である。

私達は、漬物石(遮断石)蓄積の原因となる、食品達を調べた。

サンプル1号の使っている調味料に、一つづ調べていた。

次は、醤油である。

彼女は、地元では有名な会社で作られている、鰹出汁入りの醤油を使っている。

比較的、値段は少々高めであり、特に際立った物質は使われていないように見えるが、砂糖が使われていたり、アミノ酸等と記載されているのが、気になるところだ。

そこで私は、混ざり気のない素材を使う事を、提案してみた。

「気分転換に、醤油を変えてみなさい 」

と…、
すると、700ミリリットル1000円程の醤油を購入してきた。一升瓶だと2000円程で高価と言われている種類の醤油である、原材料も国内産丸大豆、国産小麦、天日塩とシンプルだ。

サンプル1号が

「シンプルな材料で作られた醤油は、美味しいですね。これが、本当の味…私は、今まで、鰹出汁入りの醤油を普通の醤油感覚で使っていましたが…原材料を見て驚きました。これにも、お砂糖が使われていたなんて…」

と、驚いているのだ。調味料に対して、さほど、気にしていなかったのだろう。

「そうですね。意外でしたね。砂糖等は、とろみやコクを作る為の技法でしょう。あなたが、今まで使っていた醤油よりも、安く販売されている醤油には、実に多くの薬品や、醤油には本来ない調味料が入れらていますよ。
お弁当に付いている、小さな醤油も含まれます。
脱脂加工大豆
アミノ酸液
ブドウ糖果糖液糖
グルタミン酸ナトリウム
リポヌクレオチドナトリウム
グリシン
天草
ステビア
サッカンナトリウム
CMC-Na(増粘多糖類)
カラメル色素
乳酸
コハク酸
安息香酸プチル…
です」

私は、淡々と説明したが、実は驚いていたのだが冷静を装っていた。

「えー󾬄マジですか?多すぎないですか?」

サンプル1号は、目を白黒させている。無理もないだろう。

「マジです。ここまで詳しく記載された醤油は少ないと思います。大抵は、アミノ酸等と書かれていて内訳等は、記載されていないでしょう。これにはトリックがありましてね。キャリーオーバーと言う事で、省いて記載しても良いと言われています。ここまで入っているものは、既に醤油ではなく醤油風調味料です」

「え、偽物っぽい響き…なんか騙された気分…じゃあ、私達は、何を頼りに買い求めればいいんですか?やっぱり値段ですか?」

「調べなさい。そして、自分の舌で確認しなさい」

「え、でもでもですよ。一升瓶で2,000円レベルの醤油なんて、高価じゃないですか、家計を圧迫しませんか?」

「圧迫?馬鹿おっしゃい。醤油一升瓶をジュースのように、数日間で消費するんですか?」

「…さすがに、それはないです」

「ならば、さほど影響はないはずです。確かに、現時点で、安い醤油風調味料を消費していけば、その場は節約出来ますね。しかし、数十年後、もしかしたら、節約したつもりの分が、様々な形となって返って来て、プラスマイナスゼロなんて事にもなるかもしれませんね…」 

「どう言う意味ですか?」

サンプル1号は、キョトンとしている。

「その醤油風調味料等の中の物質には、本来の醤油にはない物質があり、体内に蓄積させるものもあります。臓器がそれらの化学薬品的な有害物質を、解毒、排泄出来ず、限界値を越えた時、体に大きな負担がかかります。処理しきれなかった物質達は、体内を巡り、やがてそれは、病と言う形で現れ…」

「それって、もしかして、医療費…ですか?」

「はい、節約した分のしわ寄せが、体の老化と共に表面化するんです。周りを見てごらんなさい。あなた方、テラビトは、これらの現象に何も疑いもなく生きて来たのでしょうか?」

「人間は、年を取ったらひとつやふたつの病気は当たり前だと思いますし、普通の事ではないのですか?それに、このような合成食品達に入れられている添加物は、国が定めた安全基準だと聞いています…体に影響ないと判断された分量を使っていると…?」

サンプル1号は、すっかり、大きな組織が発表した基準を、鵜呑みにしている…

「確かに単品だけなら安全でしょう。ですが、考えてみてごらんなさい、それらを鍋の中に複数投入したり、皿に盛り付けたり、一緒に胃の中に入れたらどうなりますか?」

「複数の食品達の添加物が混ざります…」

「混ざったらどうなりますか?」

「化学反応が起きます」

「起きたらどうなりますか?」

「どうなるんですか?」

「無害だった物質が有害な物質になったり、結合して別物の物質に変化したり、体内で化学実験が繰り広げられます。その結果、最悪、消化器官が傷ついたりする可能性があります。内臓の壁が破壊されれば、有害化した物質がすり抜け、血液に流れ込む可能性もあり、それらを除去する細胞達も作業が追い付かず、どんどん毒素が、蓄積していきます」

「怖いこと言わないで下さい!そこまでひどくないと思います」

「過信は禁物です。実際、あなたの体内は、長年取り込んだ化学物質の影響をもろに受けているではありませんか?安全だと言われて信じて摂取してきた物を、思い出して下さい」

「……」

「今回、あなたが買ってきた、この高価な醤油は、1年以上の時間をかけて発酵し熟成させて作られたものです。この中には、フラノンと言う杭酸化作用がある物質あります。そして、メラノイジンと言う物質は、遺伝子の酸化欠損を防ぎ、ペクチンはアレルギーを抑え、ミネラルとして、カリウムやマグネシウムが含まれています。比較的、塩分が多い調味料と言われていますが、仮に多く取りすぎても、カリウムやマグネシウムのお陰で、余分な塩分は排出されます。かと言って、使いすぎはいけませんがね…」

「知らなかった…」

「それに、殺菌作用もあり、生魚等を食す時に醤油をつけて食べると言う事も、利にかなっているのですよ。山葵も同様、食中毒を防ぐ役割をしています」

「へー!」

「そして、醤油作りに欠かせない麹菌は、微生物です。彼等が生きていく上で生み出される酵素が、あなた方の体を守る力を持ち合わせています。とても調和のとれた素晴らしい調味料です。ですので、偽物の醤油風調味料を使って、体をわざわざ壊す事など本末転倒ですよ」 

「この醤油、大切にいただきます󾬆」

サンプル1号は、醤油瓶を握り締め、新たな実験をスタートさせた。

塩の時と同様、料理の味付けが変化した、そして、ここ最近、気持ちが穏やかになって来たのだと言う。

今までに、砂糖の使用を控え、塩、醤油の質を変えてきた。

次は、味噌である。前回の塩の章で出てきた味噌汁にも、大きな役割と漬物石(遮断石)除去のヒントが隠されている。

[つづく]

 2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京 高円寺 猫の額さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい)  











ようやく梅雨も開けました。暑い夏がやって来ますね昔、

では、物語の続きをお楽しみ下さい。

画像は、個展作品[猫沢博士、帰還]カンタスカラーナに帰ってきた猫沢さんの、優雅な飛行シーン、乗り物は、物語の中に、よく出てくる、フラクラフトです。お魚の形をしています。

画材、三菱ユニポスカ、コピック




《第4章 テラビトサンプル1号観察記録 2014年秋③塩》

私は、サンプル1号の戸棚から持ち出した、ある物を見せた。

「あ、お菓子…」

「前にも言いましたが、甘いお菓子類は、体内から大量なミネラルを消失してしまいますよ。仕事柄、止められないのは分かります。あえて、止めろとも言いませんが、あなたが、減塩し甘い物を大量に摂取すれば…さらにアンバランスな体になります。本当に必要な物を、ご自分の体に聞いてごらんなさい」

私は、つい最近、別のテラビトサンプルが手に入れた、ある物を手渡した。

実は、サンプル1号の他に数名、サンプル達がいる、1号よりも漬物石除去が既に進み、一歩先を行く彼等から託された物である。

「これは、塩ですね…この塩は一体?」

「これは、あなた同様サンプルとしてコンタクトを取っているテラビトから受け取った、高知県辺りで作られた天日塩です。彼等から他のサンプル達に、必要な時が来たら渡して欲しいと託されました…彼等はテラビトの中でも特殊な種類と判明しています」

「特殊なテラビト?私の他に、サンプルの地球人は何人いるんですか?」

「30人位です。あなたが、夏に東京個展をした時に、ギャラリーに訪れ、僅かですが、コンタクトが取れたテラビト達もいます。猫好きばかり集まるお陰で、良いサンプル達と出会えましたよ。ちゃんとお礼をしておいて下さいね」 

私は、サンプル1号に天然の天日塩を渡し、説明を続けた。 

「あなたが手に取っている物は、太陽の力で作られた塩です。沢山のミネラルをふくみます。甘い物を食べた後に失った、ミネラルを補給しなさい」

「そんな事が、可能なのですか?」

驚いたサンプル1号は、まじまじ塩を見つめている。粗めの結晶だが美しい塩である。

「甘い物を食べるなと制限すれば、逆にストレスになり、別の意味で、体内バランスが崩れます。ならば後から補給すれば良いのですよ」

「実は、私、悩んでいたんです。頭で分かっていても、甘い物を、なかなか止められないんだと…だけど、まさか、それらを、食べた途端にミネラルが失われるとは思いませんでしたし…すぐ補給出来るのが、天然塩とは思いませんでした…」

「塩は敵ではありません。良い塩と言うのは、
適度な塩辛味の塩化ナトリウム、
甘い無味の硫酸カルシウム、
旨い苦味の塩化マグネシウム、
コクのある苦味の硫酸マグネシウム、
キレのある酸味の塩化カリウムの五つのバランスが取れたものを示します。精製された塩には、塩化ナトリウムだけ残され、あとのミネラルは排除されますので、ただの塩辛さしか感知出来ません。そんな化学塩を大量に使われたなら、のちのち体にも、大きな影響も出るでしょう。それが減塩推進のカラクリです」

「……」

「従って、あなた達は「減塩」と言う言葉に踊らされているんですよ」

「猫沢さん、では、減塩の弊害と言うのは一体どのようなものですか?私には、まだピンと来ないのです。テラビトの体の成分が、海水と、ほぼ同じなのは、なんとなく分かりました。もし、足りないとテラビトは、どうなるんですか?」 

「冷え性や無力感、胃腸不良、立ちくらみ、目眩等です。塩分摂取不足以外では、私が先程、あなたに言った、体内塩分を相殺してしまう食品を多く摂取してしまう事も含みます」

「私、冷え性で低血圧です」

「朝起きるのが辛いでしょう?」

「凄く辛いです。だるいし、やる気も出ないし…」

サンプル1号は、いつも疲れた顔をしている、動作も、他のテラビトと比べ鈍いのだ。

「それはそうでしょう。血圧を上げるエネルギーが低下していては、うまく起きられる訳がありません。朝からガス欠状態なのは、適度な塩分とミネラルが不足した結果です」

「…意識していませんでした…」

「あと、塩分不足は、風邪をよくひいたりします。免疫力が低下して、外から入ってくるウィルス達に負けて感染してしまうのです。風邪ばかりではなく、胃腸の中もバランスが崩れ、あらゆる生活習慣病の引き金になるんですよ」

「私、年に何度も風邪を引きます。塩が足りないだけで、多くの不調が出てしまうんですね…」

「塩に関する、エピソードをひとつお話しましょう。昔、長崎で落ちた原爆の話は、ご存じだと思います。その時に、ある医者が、被爆者に、玄米飯に多くの塩をつけたおにぎりと、塩辛い味噌汁を毎日食べさせ、甘い物を避け、砂糖は一切避けさせたのだそうです。それらを徹底した結果、酷い原爆症を患う事もなく過ごせたと言う話があります。それくらい、塩は大切な物だと言う事を、多くのテラビト達は知らないと聞きます…この話は、もっと広まってもおかしくないと思うのですがね…」

私は、とても不思議に思っていた。このような素晴らしい話が存在しているのに、現代では、全く生かされていないのだ。

減塩を意識して過ごしている、ヒノモトのテラビト達を観察していると、魂を抜かれたような精気のない表情に驚かされるのだ…

「猫沢さん、私も、この話は、始めて聞きました」

やはり、サンプル1号も、知らなかった。残念な話である。

相変わらず、塩は敵である。

そして、テラビト達の周りには、高カロリー、高脂質、糖質の食品達が、沢山あり、しかも、とても美味しく出来ており、魅力に取りつかれて過剰に摂取しているのだ。

この中には、長期間保存出来る薬品や、美味しそうに見える発色剤や、味を整える薬品が多く使われている。

お陰で、安価で安定した品質の物が、大量生産出来る仕組みだ。

これらの進歩した技術で造られた食品を、喜んで食べ、テラビトの体内外に、漬物石(遮断石)を大量に蓄積させ、あらゆる感覚を退化させている事に、多くのテラビト達は、知らないのだ。 

テラビト達が、この事に気づけば、漬物石の増殖を食い止め、減らし、私達の星も助かるのだが…うまくはいかないものである。  

なにせ、私達の星の危機が、テラビト達の行動と関係ある事など知らないのだから…

今回、塩の事を知ったサンプル1号は、積極的に、塩を取ろうと、別のサンプルテラビトから貰った天日塩を料理に使ったりしはじめた。そして、ヒマラヤ岩塩等を、購入してきたようだ。

味噌汁を作り、朝食に加える事を決め実践しはじめた。 

その甲斐があってか、以前よりも元気になり、ハードワークもこなし、作品を描くスピードも上がった。

もちろん、味覚異常も完治している。

風邪も、以前よりも引かなくなった。

サンプル1号は、大喜びである。

まだ、問題点は、沢山あるが、減塩をやめた事で、体の調子が良くなり、漬物石(遮断石)も、さらに少しづつ除去されていく、頼もしい限りである。

実験は、現在も継続中である。

[つづく]

2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺 猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい) 


















まだまだ梅雨明けしない日本列島、蒸し蒸ししたり暑くて体力を奪われたりで、体調管理が大変ですね。

いかがお過ごしでしょうか?


画像は、2016年個展作品[虚空の舞]

とあるミュージシャンの方が、6月の初めに、突然の心不全で、49歳の生涯を閉じ、この世界を旅立ちました。追悼の意を込めた作品です。急な事で、とてもショックを受けました…ご冥福をお祈りいたします。
画材、三菱ユニポスカ、コピック


そして、今回のお話は、塩についてです。物語開始当初、猫沢さんに、サンプル1号と命名された、私の、食生活は、随分と変化してきました。お陰で、少しづつ体調は良くなり、問題の[漬物石]の除去も進みつつあり、いまいち何かが足りないまま過ごしていた頃の記録です。


《第4章 テラビトサンプル1号観察記録 2014年の秋②》


「減塩て、もしかして…?」

サンプル1号は、大きな疑問にぶつかった事に、ようやく気づいた。

「海の成分と同じ環境の体内に、塩分の補給を制限してしまったら、テラビトの身体機能に支障は出ないのでしょうか?」

「海の成分…もしかして、私達が教わったのは、間違っていたと言う事なのでしょうか?高血圧や心疾患や脳卒中等のリスクがあるから、減塩、薄味と言われてきました…」

「それは一理ありますし、一理の微塵もありません。あなたが示している塩のリスクと言うのは、イオン交換膜製塩法により生成された塩化ナトリウム99%以上ある精製塩の事でしょう」

「精製塩?」

「あなた方の住む国は、塩田を禁止され、工場生産の塩に切り替えられた歴史があります。それらの塩が、あなた方に間違った塩の知識を植え付けました」

「植え付けられた…?」

「そう、本来型の伝統的な塩は、海水を汲み上げ天日や釜で作られ、沢山のミネラルや栄養を含んでいました。それらからミネラルを体内に取り入れ、機能維持をしていたのです。その機能を排除したものが、普段の食卓にのぼり、大量に加工食品等に使われ、病気の元凶となり減塩運動を促しています」

私は、テラビトの塩の歴史の資料を、サンプル1号に渡した。
驚いた事に、私達の星にもテラの海と同じような液体が星を覆っているのだ。成分もよく似ている。

「あなたは、積極的に野菜摂取を増やして減塩と薄味を実践した結果、味覚異常を起こし、ますます体調不良になりました。野菜には多くのカリウムが含まれています。カリウムを含む野菜を沢山食べ続ければ、体内にあるナトリウムは、体外に排泄されてしまい塩不足になります。味覚異常の原因である亜鉛不足は、必要なミネラルが流れ出てしまった結果です。そして、もう1つ原因があります」

「原因?」

「はい、あなたの食生活の中で、なかなか改善出来ないものです」

私は、サンプル1号の戸棚から持ち出した、ある物を見せた。もちろん、私が、決して口にしない物である。

[つづく]

2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい)