(1)からのつづきです。
【目次】(下記をクリックすると、各項目にジャンプします)
(調査対象者属性)
□対象患者の男女比・年齢構成
□PS値による重症度分類
□筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の発症要因
□筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の発症時の症状
□6ヶ月以上継続している現在(調査時)の症状
(症状とその悪化要因)
□症状を悪化させる原因となる事柄
□家事(※日常生活…食事動作、衣類着脱など含む)の後に症状悪化があるか
□家事の後に寝たきりになるか
□家事のできない方は誰にやってもらっているか
□痛みの症状について
□通院後、寝こむか?
(その他症状)
□睡眠障害
□睡眠の質
□活動量(健康だった時の活動量を100とした時の、体調の良い日悪い日の活動量)
□歩行能(歩ける距離)
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調査結果報告
(調査対象者属性)
□対象患者の男女比・年齢構成
男性56名(22%) 、女性195名(78%)
全体 男性 女性
年齡 41.8才 43.6才 41.2才
発症年齢31.0才 32.0才 30.5才
罹患期間 6.3年 6.9年 6.1年
男女間で患者平均年齢、発症年齢、診断年齢、罹患期間に差なし
平均年齢:41.8歳
※他の慢性疾患に比較し、若い傾向(中高年、ではない)
□PS値による重症度分類
・発症時の平均PS値 7.1 (PS値6-7:中等度重症)
・調査時の平均PS値 6.0
(調査時PS値 内訳)
軽症群(PS値5以下):31.5%
中等度群(PS値6-7):35.1%
重症群(PS値8-9) :30.2%
□筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の発症要因
発症に関与したと考えられる要因 ※重複あり
思い当たらない 51名
発熱 68名
感染症 76名
外傷 9名
手術 21名
予防接種 9名
過労・ストレス・環境変化・人間関係 58名
発熱・感染症と回答した患者が多い傾向
□筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の発症時の症状
複数回答(回答率上位より)
肉体的精神的疲労 ↓90%超
疲労回復しない睡眠障害
回復に24時間以上かかり悪化傾向
一時的に動けない疲労
リンパ節の痛み ↓80%超
集中力低下
体温調節障害
広範囲な筋肉痛等の痛み ↓70%超
環境変化適応力低下
・休んでも回復しない著しい消耗性症状
・全身の、筋・関節等広範囲にわたる強い痛み
・自律神経症状を思わせる症状(光・音過敏、体温調節障害) が多い
□6ヶ月以上継続している現在(調査時)の症状
(n=249) 複数回答(回答率上位より)
肉体的精神的疲労 88.8%
疲労回復しない睡眠障害 88.0%
回復に24時間以上かかり悪化傾向 86.3%
体温調節障害 79.9%
広範囲な筋肉痛等の痛み 78.7%
一時的に動けない疲労 78.7%
集中力低下 77.5%
リンパ節の痛み 72.7%
光や音に対する過敏症 70.7%
環境変化適応力低下 69.9%
筋力低下 68.3%
起立不耐症 63.5%
…他
(症状とその悪化要因)
□症状を悪化させる原因となる事柄
(n=250)
ムリせざるを得ない 72.3%
気圧季節の変化 55.2%
ストレス 51.1%
休養できない 49.8%
睡眠障害 46.2%
□家事(※日常生活…食事動作、衣類着脱など含む)の後に症状悪化があるか
(n=245)
全体「はい」94.5%
軽症者でも「はい」86.9%
□家事の後に寝たきりになるか
(n=243)
全体「はい」70.4%
軽症者でも「はい」44.6%
□家事のできない方は誰にやってもらっているか
(n=115)
配偶者 39.9%
母 53.0%
父 6.1%
子供 11.8%
兄弟 7.8%
ヘルパー 13.9%
患者のADL・QOL維持のために、家事ができない場合、家族が負担→家族の支援が必須な状況
□痛みの症状について
痛みの強さ(n=237)
軽い 4%
耐えられる 21%
強い 39%
眠れないほど激しい 36%
痛みの頻度(n=237)
常時 37%
時々 20%
変化 39%
その他 4%
痛みの部位(n=241) ※複数回答
頭痛 75.5%
筋肉痛 74.3%
関節痛 64.7%
その他 32.4%
□通院後、寝こむか?
数日から1週間動けなくなる。トイレにいくのも大変。寝込むというより、「消耗」と理解するのが適切。
(その他症状)
□睡眠障害
安定して眠れるか?(n242)
はい:27.7% いいえ:72.3%
□睡眠の質
(n=235)
非常に浅い:23.4% 浅い:40.0% まあまあ:25.5% よく眠れる:6.4% 熟睡:4.7%
□活動量(健康だった時の活動量を100とした時の、体調の良い日悪い日の活動量)
(n=246)
体調の良い日 中央値50
体調の悪い日 中央値10
※体調の良い日でも、健康な時の、半分しか動けない、ということ
□歩行能(歩ける距離)
(n=227)
全体: 0m: 7.9% ~10m:11.0% ~100m:16.7% ~1000m:39.5% 1000m~:25.0%
軽症: 0m: 0.0% ~10m: 1.4% ~100m: 4.2% ~1000m:42.2% 1000m~:52.0%
中等度:0m: 6.0% ~10m: 4.8% ~100m:14.5% ~1000m:50.6% 1000m~:24.1%
重症: 0m:15.3% ~10m:27.8% ~100m:31.9% ~1000m:25.0% 1000m~: 0.0%
移動距離10m(=家の中でトイレに行くことがやっと、位)の患者が、患者全体の内20%もいる
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報告会(3)につづく
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※報告会関連ブログ記事 各ページへのリンク
・H26年度厚労省「ME/CFS患者の日常生活困難度調査」報告会(1)ー調査概要(対象者、調査方法等)
・「ME/CFS患者の日常生活困難度調査」報告会(2)ー調査結果報告(属性、症状、発症・増悪要因)
・「ME/CFS患者の日常生活困難度調査」報告会(3)ー調査結果報告(就学・就労状況、福祉受給状況・ニーズ等)
・「ME/CFS患者の日常生活困難度調査」報告会(4)ー調査総括、質疑応答
・「ME/CFS患者の日常生活困難度調査」報告会(5)ー各社報道記事リンク