前回からひきつづき、初観劇を終えた笹先生の観戦記です。

2014.7.5(土)@浅草ロック座1回目

ストリップ界の大御所(?)N氏から、ショーを見る前の事前学習として浅田次郎の短編「あじさい心中」を読んでおくようにとの課題が出ていた。
 
リストラされたカメラマンと、場末の年増ストリッパーの出会いが描かれたこの作品。
浅田ワールドの人情モノの一つだ。
 
私はこういう作品が好きだ。
どうしようもなくうらぶれているんだけど、でも健気に生きている。
救いがないように見える人生の中で、それは切なく本人を照らす。
主人公のカメラマンは、そんな女を美しいと心から思う。
 
ストリップショーを見る前、私にまったく偏見がなかったと言えばウソになる。
女の性は隠してナンボと思っているところが、どこかにあった。
「女性の場合、終わってからドン引きする人がいるんです」
というN氏の言葉を聞いて、自分がどういう感想を持つか益々わからなくなった。
 
でも、彼女たちは美しかった。
女体に見とれながら、私は、彼女たちがどんな過去を抱えているのだろうと想像してみた。
やさぐれていたのかもしれない。
インテリだったのかもしれない。
「あじさい心中」のストリッパーのように、
人には言えない過去を持っているかもしれない。
でも終わりに近づく頃、私はハタと気づいた。
そうして過去を想像することすら、女体を美しく見せるエッセンスであるということを。
残念ながら、男性の身体ではそんな想像力はかき立てられないのだ。
 
若くてハリのある肌は文句なしに良い。
でもちょっと崩れた身体のラインも色っぽい。
 
私はまだ諦めていなかった。
昨晩はペタンコ座りをしたまま、イナバウアーのように上体を反らしてみることにチャレンジ。
腰痛がひどくなるといけないので、腰は夫に支えてもらう。
でもすぐに夫が音をあげた。
 
「支えている僕がぎっくり腰になる」
 
うーむ。
アラフォー女とアラ還男では、やはりダメか。。。
 
自分にできないことをできる人、私はそういう人を心から尊敬する。
 
車の運転がうまい人、
語学が堪能な人、
記憶力のある人、
執筆が早い人、
早起きができる人、
 
そして、自分の身体を武器にのし上がっていける人。

(終)

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