2013.1.19(土)@居ざっく 雅麗華の店

「もう一杯何か飲もうか。」
戦友がなかなかいいタイミングで、オーダーをする。
「おっ、そうですね。」

「何飲みますか?」とたまき美香さん。
「う~ん、Marker's Markありますか。」
探す。が、なかった。
メニューを見る。
「ジントニックを。」
これまたなかった。
つまりバー店のような注文をしてしまった私は野暮だった。
「日本酒とか飲みません?ママが日本酒すきなんですよ。」
いや、全然OKなのだが、特殊な銘柄のものが出てきて、総額ヴァンダレイさんのビッグマネーでも足りなかったら困る。
結果、眞露というもののボトルを二人で入れることになった。実はそうした方がジントニック単体(1,000円)より安いそうで、値段を計算してくれ「ママもよくそう説明しているんですよ。」と言ってくれた。
チーマママがボトルの名札を持ってくる。
「ここにお名前書いてください。」
ヴァダレイが「どうぞ。」と自分に書かせる。
うぅーんと少し悩んでいると
「通り名でもいいですよ。」と言ってくれた。
結局、ガチな本名を告げ名前を書くと「○○さんね。」と言ってくれ、ボトルに名前を掛けてくれた。
いやー、人生初のボトルである。
しかし、「通り名」という呼び方、なんとなく粋だ。
源氏名に通じるものがある。
また、デラカブで「素人は行くの?」とかいう話題で盛上がった時、チーママは、
「素人という玄人な。」という名言を残してくれた。仰せの通りである。

飲料自体に話を戻そう。
たまきさんが、カウンター下の冷蔵庫から小洒落た瓶のようなものを出す。
「それは何ですか。」と聞くヴァンダレイ。
「これはトニックウォーターの一種で、入れるとちょっと甘味がでる。」と説明された。
なるほど、確かにそのようで美味かった。

また戦友(ヴァンダレイ)が壁のメニュー表を見てると、
「ママとかチーママは料理が得意で、○○とか凄く美味しいんですよ」と推奨。
戦友が「じゃあ、それ頼もうか。」といい、自分も腹は減ってたし異論はなかったので同意。
「玉子焼は甘めがいいですか。」とチーママに聞かれ、
「はい、それでお願いします。」と返答する。
チーママが奥に行き、腕を振るうことになった。

和服ながらホステス中最年少風の現役ショーパブダンサーの方は、会話中の驚き方がいい感じだった。
ヴァンダレイは最も気に入ったかもしれない。
銀座TACTや宝塚系にも出演しているらしく、最近観たロックの子では
「みかさん?、小嶋実花さんはすごい!」と言っていた。
また、私たちが盛上がった12頭の沙羅さん話には、
「沙羅さんは、店でよくみてるけど、踊ってるところをみたことない・・・。沙羅さんの本当の姿見たい!」とも言っていた。
「ショーパブって面白いんですか」って聞くと、すかさずチーママが
「面白い!」と言った。
「どこにあるんですか。」とヴァンダレイが聞く。
「銀座にも六本木にも色んなところにありますよ。」
「浅草にもあるんですか。」
「浅草にだけはない(笑)。」
まぁ結局、そんな話も出た。
1結の仙台。ロックの真白希実さんのブログに仙台のショーパブシーン画像が載っていた。
踊り子さんたちで行って、ダンサーさんと熱い話もしたらしい。
照明が見たことないほど素敵だったと書いてある。
一度はショーパブに行く必要があるのかもしれない。

これから行く浅草話。
1頭中のチラシを見ながら、たまき美香さんが聞いてきた。
「この中で誰が一番長いかわかる?」
「はい、沙羅さん。」
「あっ、知ってる!」
「沙羅さんは12月の浅草、凄くよかったですよ。沙羅さんはもともとクラッシックバレエとかしてたんですか。」
「いや、何もやってない。沙羅は18年やってるけど、最初は歌でデビューしたのよ。沙羅は昔はホント踊りが下手だったから、今凄く上手くなっててびっくりした。沙羅は上手くなった。」
詳しく聞くに、昔はストに歌の部があったそうだ。そういえば白川理恵さんが「昔歌を歌っていたとき凄く歌が上手かった。また歌ってよ。」とお客さんに言われてたのを聞いたことがあったけど、白川さんも歌の部を努めていたのかもしれない。
因みにたまき美香さんもダンスの素養がなく、クラブで踊ったことがあるくらい。股割りも踊り子始めてからできるようになったそうだ。

ふとカウンター奥、調理姿の梓めぐみさんが見えた。
何かいい。
長渕剛の東京朝焼け青春物語ではないが、台所に立つ踊り子さんの姿は風情がある。
料理上手は床上手という下種な話とは別次元の情緒が感じられた。
何故か楽屋で手料理を作って振舞う、HIKARUちゃんの姿が思い浮かんだ。
チーママも昔色んな劇場の楽屋で、めぐみ姐さんとして妹たちに料理を振舞っていたのだろうか。
となると、今この瞬間、自分やヴァンダレイは妹となった。
栄養がありそう料理は、ステージへの活力となる。
まぁ、男なら明日への活力と言い換えることができるだろう。
これこそが、踊り子スナック、踊り子ラウンジ、そして居ザックの核心である。
出来上がった一つ皿を貪り食う自分たちを観て、たまき美香さん、ショーパブダンサーさんが実は「この隣、ホモバーなの。」と楽しそうに言った
ハハハ、冗談じゃないよ、全く。苦笑するヴァンダレイと私。
しかし、入店前感じたどことなくイリーガルでハードボイルドな空気は、隣にそんな店があったことも影響してたのだろうと妙に納得できたのであった

↓ 沙羅。ダンスの素養のない元スト歌手だった。
photo:01