我輩は雄である       cerieta


ナンパ師の主人公、秋葉源蔵が徐々に人の道を理解し、進化して行く過程で、夢の中でプラトンに出会う。プラトニック・ラブとイデアの奥義を授かり。。。。。〈プライバシーを考えて、源蔵のphotoがメイン〉


 銀座三越もリニューアルオープンして数ヶ月、人の流れは青山(路面店)から銀座に変わりはじめていた。ひさしぶりの銀座はどこにいってもセールがはじまっていて、さらに人ごみでいっぱいだ。我輩は、最近ご無沙汰のショプがあったのでよってみた。ミリタリー系の帽子があったので似合うかどうかショップの娘に聞いてみると、こちらの方がいいですよといってくれた。よく見ると違うショップにいた娘で「もしかしたら◯◯◯にいたでしょう」と聞いてみた「よく覚えていますね五年も前のことですよ」我輩は撮影用の衣装を購入した他に、この娘が可愛いくて性格がいいので、つい通ってしまったのである。


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「あのときは初々しくてどこか頼りない所が魅力だったような気がしたが、大人っぽくなりましたね」「もう二十五才になりましたから、でもよくわかりましたね」「可愛いのに鼻の下にホクロがあったから覚えているよ」ちょっと怒った顔が可愛かった。「仕事柄、無い方がいい場合はいうようにしているよ。トーク中に人は目と目をみているよね、でもホクロがあると無意識に五秒から十秒に一回はホクロをみているよ。その仕草に影響されて自信がなくなり、引っ込み思案になりやすいから、ない方がいいと思うよ。西新宿皮フ科クリニックは安心できるところですよ」「私も、前から気にしていましたから、ありがとうございます、でも痛そうでなんか怖いです」「少しでも盛り上がっているホクロは保険がきくし、やさしい先生だから大丈夫ですよ」「やはり一人じゃ行けないです」「わかった、君の休みの日とスケジュールがあえば行ってあげるよ」「本当ですか、私は友美といいます、よろしくお願いします」ということで、二週間後に西新宿皮膚科クリニックへ連れて行った。直径五ミリ以下は、保険が利いた場合一万円前後で数分できれいに取れてしまう。後はキズバンをつけて終わりだ。

元気づけに食事に誘って、人目につかない広尾の懐石料理店(季楽、今はない)にいくことにした。友美は静かなタイプで、今日は特におとなしくなっていた。キズバンをつけた若い娘とおっさんでは、面白すぎて笑ってしまう。
食べ始めると元気がでてきたみたいで、「とても美味しくて上等な器で感激です」「若いのに器がわかるんだ、いいねー」「源蔵さん、せっかくの器でしょ、お酒がありますよ、私は運転に自信がありますから安心してください。ちゃんと送ってあげますから」「じゃーお言葉に甘えて少しだけ頂くけど、高速で一周してほしいな」素直だからつい乗せられる源蔵だ。「高速の試運転ですね、まかせて下さい」と嬉しそうに語った。ホクロを取ると自信がつくのはわかるが、もうかよという感じで、変化を源蔵は楽しんだ。食事も終わり、友美の運転で高速に入る。確かに運転のキレがあり、女とは思えない腕だった。源蔵はこんな娘とつき合ったら、運転をしてもらえるし、楽でいいなと思った。





 そんなときナオミがテレパで「私も運転が上手かったでしょ、いつも源蔵は居眠り運転の常習犯でしたから、イデアがきっと選んだと思います。この娘は私たち三人と天使が応援していますよ、なかよくね」源蔵はそのまま口をあけて寝ていた。よくナオミに口をふさがれて、眠りのじゃまをされたことがある。「源蔵さん高速を一周して事務所の近くに着きましたよ」「ごめん寝ちゃいましたね、よかったら事務所に寄っていきますか」「今日は帰ります、こんな顔していますからキズバンが取れたら、遊びにいっていいですか」「大歓迎だよ、今日は少し腫れているから早く寝た方がいいね」地下鉄の外苑前まで送ると、友美は何回も振り返って手を振っている。そんな仕草に源蔵はとても可愛いな思った。







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つづく。。。





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