我輩は雄である       cerieta


ナンパ師の主人公、秋葉源蔵が徐々に人の道を理解し、進化して行く過程で、夢の中でプラトンに出会う。プラトニック・ラブとイデアの奥義を授かり。。。。。〈プライバシーを考えて、源蔵のphotoがメイン〉



田沢湖の11月は寒い、紅葉がわずかに残って、雪もパラパラと迎えてくれた。
 撮影の仕事をやり遂げて、名湯巡りが好きな関係者のおかげで、モデル達、スタッフ等と乳頭温泉の妙乃湯に泊まったのである。夕飯前にみんなで風呂に入ることにして行くと、混浴になっていた。風呂場の奥の奥が混浴で、すでにモデル達が占拠していた。その美しい肢体に後ろの景色が、これぞ絶景として迎えてくれた。川音にライトアップ、雪月花(女)の美しさに感動して話が進む、やはりプラトニックラブのレクチャーになってしまった。
 肉体よりも精神的なつながりが本当の愛だといって、その奥はもっと長い道のりで、精神的なつながりをゆっくりと軌道修正しながら、愛しくなる気持ちがピークになるときに、最後まで達する。こんな愛し方があるんだよとしゃべっていると、雪が頭につもりはじめて部屋に戻った。夕飯を食べてから朝方まで飲んで盛り上がり、この旅も終ったのである。

(秋田県/田沢湖)
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(たつこ姫伝説)


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(たつこ像の隣りに鎮座する神社は、もの凄いパワーがあった)


それから半年後、銀座を歩いていると、街角でロケをしているチームがいた。通り過ぎようとすると、その中のモデルから声がかかり、よく見ると田沢湖で仕事をしたモデルだった。「すぐ終るから待ってて」と言われたのである。秋波に温かいぬくもりを感じて、この間のレクチャーが効いたのかなと思い待っていた。
 イタリア系アメリカ人を父に日本人を母に、いいとこ取りのチルビルというモデルだった。
化粧品メーカーと雑誌のモデルをしているが、気取らずいい性格をしている。
チルビルの父親の知り合いでもあり、チルビルの遊び場でもある六本木のピアノ&バーに連れて行かれ、飲むことになった。時間が経つとピアノのショータイムが始まり、何曲目かにチルビルが呼ばれている。ピアノ&ボーカルで、ヘレンメリル(ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」の歌(後にコマーシャルで使われた曲)を、我輩に聴かせながらチルビルの秋波が届く。
我輩は両目を静かに閉じて、ゆっくりと笑顔を返したのである。ワインも効いてきて心地いい。そんなとき席に戻ったチルビルは、自分の唇につけた指を我輩の唇に押し付けてきた。我輩はこんなとき子供返りをして、どうしていいかわかんない振りをして無邪気にしていると、「外に出ましょう」とリードされた。
 それからチルビルのマンションに行くことになり、青山の細い道を寄り添いながら部屋に入った。「私もプラトンの愛が欲しい」と言うとハグをしてきた。チルビルの心臓の音が伝わってきて、我輩の心臓も応えているのがわかった。しばらくチルビルにまかせていると、ハーフのパワーはもの凄く激しい、唇が唇に吸われて舌から心臓まで、抜き取られそうな感覚になった。リズム感のある声は我輩に最後まで行けと誘っているが、チルビルとプラトンの約束を続けたいから、最後の手段で魔王と呼ばれている友達の技を使うことにしたのである。
 寸止めの一、必ずワンステップで止める。寸止めの二、連絡はこちらからは絶対しない。寸止めの三、絶対 S◯◯はしない。一と三がすこし似ているが、奥義があるので働きが違うと思う。希望がもてるが激しい攻撃にセーブをしないと、最後まで行くのが時間の問題だ。やっと言い聞かせて、事務所に帰ったのはAM10時。チルビルと付き合ったら仕事にならないぞと思い、ペース配分を考えて行動することにした。
 ニ週間後チルビルから連絡がきた。なぜかうれしくなっても落ち着いて平常心で応えると、チルビルは、イスタンブールに撮影の仕事で行って来たらしく、旅の余韻が残っていた。一緒にトルコ料理を食べたいと誘うので、青山スキーショップジローの近くの店に入った。
 最近の我輩は和食が好きだが、付き合いだから仕方がない。ノリのいい店の連中に進められた料理を、チルビルは元気に食べている。しばらくたって、チルビルの友達のミキという女が同席してきた。これから二人の付き合いに大丈夫かどうか、雰囲気的に我輩を観察しているみたいで、信頼を得るには大変なことだと思った。ミキはカンが鋭いらしく、良い人悪い人がわかるようだ。チルビルの保護者のようである。ミキはあまりしゃべらず、二人の会話を楽しんでいるようにも見えたのである。

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 食事も終わり、キラー通りを左にまがり、表参道から骨董通りまで三人で歩いた。花茂の前でミキと別れて、チルビルのマンションに向かった。どうやらミキの洞察力に感謝して部屋に入ったのである。
 我輩は、チルビルにいくつかのエレメントを教えなければならないと思い、対面に座らせた。お互い正面を向いて、男が北東の方角に向く。北東の神はやさしさに満ちあふれる最高神で、パワーがある。女は南西の方角に向く。南西の神は北東のパワーを回転させ、もっと大きなパワーを出すことが出来る。だだし、マイナスエナジーとか怨念をもつ者は、邪神の虜になりやすい。呪いにこの力を利用したら倍以上に自分に返るから、特に相手を選ぶ必要がある。その点チルビルはプラス側だから大丈夫だ。位置を決めてから瞑想の準備に入る、火と水は縦と横の意味で十字を意識する。土は地球の真ん中から火の力を借りて自分を通り抜けて天までの柱を意識する。風の神エンリルと二人の愛(空、気)のパワーで回転し始める。そして両手をお互いにあてると静かに動くようになる。

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(イメージ写真)

 チルビルは覚えがいいから、数週間で回転までマスターしたのである。次のステップは、お互いが○になり、同じことをして気を回転させる。最後に立ち上がり、ハグをするとお互いの心臓の音が聞こえるようになり、天と地球と自分たちが回転するような感覚になる。ここまでが第一段階で、床は2人の愛◯で濡れていた。これからが大切な第二段階で、女が横を向いて、男が後ろから添い寝する。男の右手は女の◯◯に手を添える。男の左手は◯の◯◯目にそって自分の右手に触る程度に近づく、そして絶対に動かしてはならない。このときたいていの女は自分から動いてくる。チルビルもかなり動いた。「お願い◯◯て」とせがまれ、我輩はゆっくりと「風、空、火、水、土」と5元素を唱えて動きを止める。自然を意識すればいいのだ。
 眠りにつくとアストラル界に入る。その瞬間の意識を長引かせる訓練をすると、寝ている状態でも意識があり、思うような if の世界に入れる。そのとき我輩は、実際は動いていないが、意識で右手を動かすようにする。チルビルもアストラル界に入り、身体を動かさなくてもイメージでS◯◯ができるようになったのである。二人の意識体は一つになり、優しさにつつまれ、宇宙に抱かれているような感覚で、我輩は脳からエク◯タシーというか、意識体から射◯をしていた。今まで経験をしたことがない快感をチルビルは感じて、ベットいっぱいの愛◯(甘露水)があふれていた。とろける秋波を送るだけで、しばらく放心状態のチルビルは「気持ちいい」と言って目頭から大きな涙がこぼれた。この経験を活かして更に奥義に進むことを、チルビルと誓った。



我輩は雄である (31) 七月のパリ
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つづく。。。





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