可笑しい春 | 春昼閑話
Max Ernst
こだわりの減った部屋の隅
隠れていた慢心なる無知が
燐寸棒を擦って明かりをつけた
頭の上の
凝り固まった出来物が疼く朝の光をうけて
からいものを食べ過ぎた喉が水を欲す
固いものを齧った顎が感覚を無くす
目を見開きすぎた目頭からは血が滲む
笑いすぎて空腹になったおなかがすいたはらがへった
雛鳥のようだとまた笑うふざけた心がまだ残る窓辺にて
わたしの来し方行く末夢をみた
彼岸にむかい隠せない嘆息は
軽い助走で崖から 墜ちる
全て剥ぎ取ってまた身につけて
整頓しては散らかして
精査した脳内が散漫になるのは
春がおもいのほか早く来た所為だ。