民主党の小沢一郎幹事長は31日、京都市と静岡市で相次いで記者会見し、参院選京都、静岡両選挙区(改選数2)で、現職に続く2人目の新人候補擁立を発表した。京都では府連が推していた女性を拒否し、昨年の衆院選で初当選した河上満栄衆院議員(比例代表近畿ブロック)をくら替えさせる。衆院選比例代表近畿ブロックの民主党候補は全員当選し、繰り上げ当選者がいないため、河上氏がくら替えすれば同党は衆院で1議席減となる。衆院選での民意を重く見ない異例の対応には批判も出そう。小沢氏が大義名分に掲げる「参院選勝利」は一層不透明さを増している。

 「衆院の議席を失うのは残念だが、参院の勝利によって民主党の支援者に報いることができる」。小沢氏は会見で、衆院の議席を減らしてでも参院での単独過半数獲得を優先する考えを強調した。

 河上氏は「小沢チルドレン」の一人。小沢氏は、昨年の衆院選で側近の青木愛氏に参院議員を辞職させて、東京12区で太田昭宏公明党代表(当時)への対立候補としてぶつけた。07年の岩手県知事選では、達増拓也氏を衆院議員を辞職して立候補させた。勝負時には「必要な駒」として議員を転身させるのが小沢氏の手法だ。

 が、今回は府連が公認申請した候補を拒否してまで独断で擁立した。小沢氏は「現職以上に支援する」と明言したが、地元選出の国会議員は「小沢氏自身の政治とカネの問題で2人当選が困難になっているのになぜ押しつけるのか」と強く反発している。

 一方、県連が2人目は擁立しない方針を決めていた静岡選挙区では、会社員、中本奈緒子氏(30)を立てた。小沢氏は「静岡県だけを全国の例外にして扱うというわけにはいかない」と県連の態度を厳しく批判したが、連合静岡の吉岡秀規会長は31日の記者会見で「内閣支持率の低下の原因は小沢氏のカネの問題にある。小沢氏が辞職願を出してほしい。そうすれば2人擁立にも真剣に向き合う」と述べ、公然と小沢氏の辞職を要求した。【念佛明奈、平林由梨】

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