まつやまひろしの“抜けないトンネル”第57回 | ゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 松山洋の「絶望禁止」ブログ

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福岡に本社を置くゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 代表取締役 松山洋の公式ブログです。
定期的に最新の“思っていること”や弊社で刊行した書籍に掲載したコラムのアーカイブを掲載していきます。

電撃「マ)王2010年08月号コラムより


▼これまでの「抜けないトンネル」コラムアーカイブ
http://ameblo.jp/cc2-piroshi/themeentrylist-10075270773.html


■第57回“おまえの人生が最低なのは、
おまえが誰の役にも立たなかったから
じゃねえ。”


“ツイッター(Twitter)”をはじめておよそ半年近く経ちました。
今現在は私をフォローしていただいているフォロワーも2200人を超えました。
(※2010年当時)

通勤時や出張時の移動の合間に、
ある意味“ファンサービス的な考え”も持って極力“つぶやく”ようにしています。

まあ、内容は具体的なお仕事の話はしにくいことが多いので、
取るに足らない“つぶやき”ばかりになりがちですが、
それでも、まあ、普段何を見てたり、どう感じていたり、ということを
“つぶやく”
ようにしてます。

昨今の社会では当たり前に、この手の“個人の発表の場”が
簡単に用意される(できる)ようになりました。

それ自体は、別に止めようもないし、
便利でいろんなことが簡単にできることは“いいこと”だと思います。

ただ、その使い方は間違ってはいけない、と常々思っています。

私自身が、ツイッター上で“フォロー”させていただいている方も
およそ200人くらいいます。(※2010年当時)

極力、直接の面識のある方で、いわゆる“ゲーム業界関係者”が多いです。
(面識がないのは好きな漫画家さんばかり)なので自分のタイムラインを見ると、
“知り合い”の日々の日常的な“つぶやき”が表示されてるワケです。

そこで気になるのが、その“つぶやき”の中に“愚痴”が入っていること。

まあ、人間ですから。愚痴のひとつもこぼすことがあるでしょう。
クリエイターとはいえ、ほとんどの方が会社員でありサラリーマン。
会社で理不尽な思いをしたり、納得のいかない仕事の仕方があったりも
するでしょう。

そもそもツイッターをやってるのはあくまで“個人的なこと”であり
会社の業務ではありません。

プライベートまで管理されるのはおかしいし、
それくらいの“息抜き”は黙って見守るくらいでちょうどいい……とか、なんとか。
色々な立場と環境と状況と言い分もそれぞれにあることでしょう。

でもね、私の意見はひとつ。

“便所のらくがきが世界を変えることはない。”

まあ、だいぶ飛躍してて語弊もあるかもしれませんが。
それを恐れずに話を進めると、私は(いいですか、今から極論を始めますよ?)

“ゲームソフトを含めた娯楽は子供たちの夢であり、
それを作るクリエイターも同様に子供たちにとっては
憧れであり夢である”

と思っています。

“夢を扱う商売である”ことを絶対に忘れてはいけない。

(あくまでたとえ話ですが)
イチロー選手がいやいやバットを振ってると思いますか?

“練習なんかかったりーし、所詮、野球はビジネスだし、
そうでなきゃやってらんねーよ”
なんて思ってると思いますか?

当然ですが私はイチロー選手からは“そういった要素”は微塵も感じません。
みなさんもきっとそうでしょう。
(下段につづく↓)

【ひろしの今月の逸品】

(↓上段の続き)
それは彼が“プロ”だからだと私は思います。

自分自身が“夢”であることを自覚されているのでしょう。
だから裏切らない。

きっと我々には想像も及ばない苦労や努力や
苦悩や理不尽だってあるはずです。

けど、それを出さない。
出そうとしない。

(あえてこういう言い方をしますが)
“気付かせない”ことはプロとしての義務であり、
責任だと思います。

その昔、“アイドルはトイレにいかない”なんて時代も
ありましたが、これも同じ理由からだと私は思います。

さて、話を戻しましょう。
たとえ、正体(会社・所属)を隠していたとしても
“それがゲームを作っている人”であったり
“ゲーム業界関係者”だとわかってしまうようなひとは
無条件に“子供たちが持つゲームクリエイターへの憧れや
夢をぶっ壊している”ことを忘れないでほしい。

そもそも中途半端に正体を隠して“愚痴”をこぼしたり、
“会社や仕事の不満”をつぶやいたりしても誰にも何も届かない。

中には“直接、言っても聞いてくれなかったんです!”とか
“なんでも物事が言える環境にない人はどうすれば
いいんですか?”とか、どうしょうもない・出口のない状況で、
あまりにもあんまりで、他にどうすることもできなくて、
最後にツイッターでつぶやいてしまった人もいるでしょう。

そういう人は?
……私の意見はこうです。

“甘えるな”

いいですか。
“それでも”です。

“それでも”我々は“カッコつけなきゃいけない”のです。
そして“正しく剣を振り続ける”ことをあきらめないこと。
プロでいつづけること、まっすぐでいつづけること。

口にするのは簡単ですが。辛いものは辛い、人間ですからね。
けどね、“それでも”ソレを口にしない方がいいのです。

だって。
“便所のらくがきが世界を変えることはない”んだから。

電撃「マ)王2010年08月号コラムより


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