レンタルでもう一枚借りていた「カポネ大いに泣く」です。


1985年の公開で、ジュリーは微妙な時期でした。TVや歌のお仕事はお休みで、久々に映画に出たと思ったら記者会見で「仕事をください」とか、寝たふりこいて質問に答えなかったりとはらはらしましたわ。


主役はショーケン、桃中軒海之門という浪曲師の役で、アメリカへ渡って浪曲で一旗揚げようともくろむわけですね。浪曲、ご存知ですか、この20年くらいテレビでも見たことのない大衆芸能です。


原作は梶山季之の同名小説。全編なんだかエロイのも梶山先生ならではと納得いたしました。1970年代の週刊誌などにはこんな娯楽小説がよく連載されてました。快男児アメリカで大活躍、みたいなお話です。

かつて一度映画化の話があったものの、予算の関係でとん挫して、脚本を練り直して鈴木清順監督で完成したものです。


例によってジュリー中心に見ていく映画、最初のシーンは・・・


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いつもガムを噛んでいて、物憂げというかけだるそうなジュリー。役名はガン鉄という、およそ似つかわしくないいかついお名前です。

サンフランシスコの日本人向け施設「横濱ハウス」にて。


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ヨメの小染(田中裕子)を助けようとして刀を持って乗り込んできたショーケンを取り押さえるガン鉄。片手で柄を持った刀からするするっと刀身を出して見せます。なんじゃこら。

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裏世界に顔が利きそうなあやしい男。


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なーんかいつもつらそうな顔なんだよね。

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中国人マフィアを襲撃。ダミーの左手をつけて乗り込みます。

このあたりが見覚えがある景色だと思ったら、鬼怒川のウエスタン牧場ではありませんか。大谷石の採掘場も出てきます。

アメリカが舞台ですが、予算の関係でほとんどが国内ロケとセットです。

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カポネ役がチャック・ウィルソンです。ガン鉄は逆立ちをしてカポネに近づき、不意打ちをかけます。かつて曲芸をやっていたという役らしい。どうりで、縄で縛られてダイナマイトと一緒にボートに乗せられた時も縄抜け脱出してました。お前は引田天功か、っちゅうくらいです。

しかしこの逆立ちが足の先しか映ってないの。本当に逆立ちで歩けたらよかったのに、これではコントのようだわ。そうでなければエノケンの映画のあの時代を狙っているのか、監督の意図はいずれにか、はなはだ困惑いたします。


ショーケンが玉乗りする役もしかり、玉乗りは吹き替えです。玉乗りは明らかに当時の有名な玉乗り芸人さんのもようです。懐かしく見れたのでそれはそれでいいんですけどね。



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ガン鉄の最期は自分で釣ったフグに当たって死んでしまいます。左利きの役だったのね・・・・。器用だなあ。




「カポネ大いに泣く」日本のワンダーホイール (観覧車通信)