テレキャスター30 /ヴィンテージ・レプリカの実力 その4 | おんがく・えとせとら

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 いろいろ調べていると、米国にはヴィンテージ・テレキャスターのレプリカを作っているところがたくさんあるようです。(全体的にはストラトの方が多いようですが。)
 結局、ギブソンギターなどに比べるとボディ表面の凹凸がない、1VOL,1TONEなど電気回路も簡単で作りやすい、ということなんでしょう。あと、カントリーミュージックの代名詞でもあり、お国柄、テレキャスターに対する愛着度が強い、また、需要の見込める人気機種である、ということもあるでしょう。

 ではまず、これまでに紹介したメーカーのおさらいをしときましょう。

特集第1回…Fender ORIGINAL、 Nash Guitars、 Danocaster、 Jeff Senn、 
   Bacchus、Fender Japan、Fender ROADWORN
特集第2回…K-Line、 Old World、 Rock'n Roll Relics、 Revelator Guitar Works、
   RS Guitar Works、 Glendale Guitars、 Kelton Swade Guitars、King Bee
特集第3回…Vinetto、 RELICASTER、 Greenwich Village Custom Guitars、
   Big Tex Guitars

そして、今回はさらに次の8つを紹介。
  LSL Instruments、 Angry Angus Guitars、 Rittenhouse Guitars、 Fullertone、
  Scoop Creation Works、 Vintique、 MJT、 Shyboy Guitars

LSL Instruments
 G&Lのロゴに似せたLSLは、カリフォルニアに本拠を置くランス・ラーマン氏(Lance Lerman)の頭文字を示したブランド。Sはたぶんミドルネーム。
 面白いのは一台ごとに女の子の名前がつけられていること。B.B.キングのルシールゃAキングのルーシーなんてのは有名だが。ちなみに下の例は「メリー・ルー」…じゃない「メリー・リー」ちゃんだ。お客さんは名前で購入対象を決めたりするのだろうか?
 マーク・ゴールデンバーグやジェリー・マッギーも使用しているとのこと、人気上昇中のようである。YouTubeのアップ動画数もこの手のビルダーの中では群を抜いている。国内でも取扱店が増えている模様。お値段は25-29万円。PUは自社開発、製作担当者は日本人女性だとか。

$おんがく・えとせとら-LSL おんがく・えとせとら-HEAD T-BONE
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Angry Angus Guitars
 キャンベル・ギターズを主宰する、ディーン・キャンベル氏(Dean Campbell)の手掛けるギター。キャンベル氏は、ギルドがフェンダーに買収された際に退社して独立。本国では定価2,494ドル、小売価格1,895ドルの例あり。(試奏動画は見つからず)

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Rittenhouse Guitars
 リットンハウス・ギターは、エイブ・リットンハウス氏(Abe Rittenhouse)の設立したブランド。基本的には受注生産のようで、ローラーのPUを標準に採用している。(純正のテレキャスター・レプリカの試奏動画は見当たらず)

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Fullertone
 こちらは国産、ミュージックランドKEYがバックアップするフラートーン。下の動画にも登場する田中千秋氏が一人で制作しているという。ブランドネームはレオ・フェンダーのパートナーだったジョージ・フラートーン氏から借用し、TONEをひっかけてるんだろうね。価格は25.8万円。
 同社のストラトは、ギターマガジンの試奏比較特集では好評価だったようだ。

おんがく・えとせとら-FULLERTONE_HEAD おんがく・えとせとら-fullertone_body TELLINGS 52




Scoop Creation Works
同じく国産、大阪にある工房。「大手メーカーは特別仕様の製品を高額で販売しているが、本来はそれがスタンダードだったはず。余分な経費を転嫁し過ぎている。手頃な価格で良質のギターを供給したい」というのが設立の趣意。価格はTL'54が標準25.2-30.45万円。仕上げの程度により価格差がある。(試奏動画は見つからず)
$おんがく・えとせとら-scoop $おんがく・えとせとら-HEAD


Vintique
ニュージャージーのジェイ・モントローズ氏(Jay Monterose)が手掛けるブランド。彼は故ダニー・ガットンのギターテクニシャンだった人で、エレクトロソケットやスラントタイプの3ウェイサドルを開発したのも彼らしい。テレキャス用交換ブリッジなどパーツ類も販売している。
 ギターの方は気が向いたら作る、とのことらしくホームページは現在休止中。お値段は5000ドルから。

$おんがく・えとせとら-vintique モントローズ氏とその作品




GM Vintage Restoration
 カナダのブリティッシュ・コロンビア州在住のゴード・ミラー氏(Gord Miller)の手掛けるレリック加工部材を日本で組み上げたブランド。国内販売価格は30万円前後。
 かつては、モントルー(Montreux)ギターズという商社がパーツを供給し、輸入代理店として国内小売店へ供給していたが、2010年9月、GMV社が「フェンダースタイル・ギターのアッセンブリーへの関与を止め、顧客から要望された真のヴィンテージの補修のみ行う」と宣言して、契約を解消したようである。ということで絶版? (試奏動画は見つからず)
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MJT
 ミズーリ州のマーク・ジェニー氏(Mark Jenny)が息子のマシュー(Mathew)とともに運営するブランド。PUと電気系統以外のエイジド加工、リフィニッシュを施したリプレイスメント・ギター・パーツの販売を専門とするようだ。…ということは、PUを搭載してみないと音は分からない…。

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Shyboy Guitars
 カナダはトロントに本拠を構えるシャイボーイ・ギターズ。
 ニルス・ロフグレンを彷彿とさせるロゴマークがなかなかイカしてる!アメリカならではのデザイン。プーツなど革製品の細工も行っているようで、それらを取り込んだギターデザインも。お値段は約2,000ドル。

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おんがく・えとせとら-logo おんがく・えとせとら-head
$おんがく・えとせとら-nils 海老ゾリ具合は叶わない!