テレキャスター19 / ストラトとの比較(1) | おんがく・えとせとら

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 テレキャスターとストラトキャスターとの違い。形も機能も全然違うやんか!と言ってしまうと身も蓋もありません。どちらかというと…いや。バリエーションも含めると圧倒的にストラトキャスターの方が人気があるでしょう。

 かくいう私も,Rブラックモア、ジミヘン、Jベック…というアイドル・ギタリスト達が皆ストラト愛用者、という理由で長くストラト党を続けていましたが、ある時からテレキャス派に転向しました。テレキャスターといえば良くも悪くも「カントリー」のイメージで,(1本所有してたものの)実はそれまでじっくり弾き込んだことはなかったのです。

 きっかけは、一台のテレキャスターとの出逢いです。そこで初めて気がついたのは、音色の違いもさることながら、一番はサスティンの差。個人的な経験では、ストラト(カスタムショップ製)についてはいろいろとPUを交換してみたものの、どれもイマイチ期待するほどには音が伸びませんでした。
 弾き込んでみると、フロント+リアのミックス音やハイパスコンデンサーなども使い勝手がよく,なかなかデキたギターだということが分かりました。

 さて,その,テレキャスとストラトの音の違いについての参考資料があります。

おんがく・えとせとら-sound book

 1987年に発行されたプレイヤー誌別冊の「ギター&ベース サウンド・ブック」。エレキギター,ベースの音をイミュレーター(サンプリング・シンセ)で取り込み、Macで波形を解析した本です。まだパソコンが普及してない頃、Macは手軽に波形表示もできる!という夢のような機械だと思われてた時代。画像処理はMacの十八番でしたが、後年その模倣者であるウィンドウズに追いつかれてしまいました。
 最近はこの手の企画が流行らなくなったことも含め,改めて時の経過を感じます。

 本書の計測対象は当時売れセンのギター,ベースがメインです。
が,ヴィンテージ・ギターのサンプルも何本か掲載されており,その中に'50ブロードキャスターと'54ストラトがあります。

おんがく・えとせとら-sound book2

 グラフは,開放5弦(A)を弾いた時の周波数、時間経過と音量の変化を3次元表示しています。アンプなどを通さず,サンプリング・シンセにダイレクト入力したエレキギターの素(?)の音が表示されています。目立つ倍音部には赤線を追加表示してみました。

おんがく・えとせとら-front フロントPUの比較
おんがく・えとせとら-lear リアPUの比較

 上記の波形についての解説,考察は長くなりそうなので,また次回に。