テレキャスター6 / '58-59年製?改(その1) | おんがく・えとせとら

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 今年5月,ヒスコレ・54レスポールとの交換で友人から入手したテレキャスターです。
 大きなピックガードが目を惹きます。塗装を剥がしてアッシュのナチュラル仕上げにしてあります。元は米国のブルース・ミュージシャンの使用品だったとか。

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 ブリッジもマイティマイトあたりの6ウェイのブラス製に交換されています。銅成分が多いせいか,駒の表面は緑青を吹いてます。嘗めたら毒だな。(上は入手時の写真,オクターブ調整前です。)

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 バックにはFマークの入ったネックプレートが。シリアルナンバーからすると,1966年製?

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 しかしネックを見ると,パテント・ナンバーなしのスパゲティロゴがヘッド上部にあるので,1957-62年製と推測されます。ワンピース・メイプルであることを併せると,さらに60年頃までに絞られます。
 ナットはブラスに交換されています。これも,赤みのかったブラスで,ブリッジと同じメーカーのものかもしれません。フレットもやや角張った太めのものに付け替えてあります。ストリング・ガイドが増設され,1-2弦用は別のパーツに。ネックは同年代の特長である薄めのものです。

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 バックの弦止め用フェルールは,オリジナルと形状などが違います。ボディ表面とスレスレに埋め込んであり,内側の面取りがない。
 もともとあるものを,わざわざ掘り出して付け替える,なんてことはないと思います。これは,裏通しタイプでなかったものを改造した,と考えるのが自然でしょう。とすると,ブリッジプレート止めだった1958-59年頃の改造品か? (別誂えのボディということも考えられるけど。) Fマーク入りネック・プレートは,別の個体から外してきたものでしょう。
 ネックの日付は4の数字は読めるものの,年数は不明。ボディも塗装を剥がし,大きく加工してあり日付は消えてます。

 大きなピックガードは,実はその下の悲惨な状態を隠す役目を果たしています。センターとリアにはハムバッキングPUを取り付けた大きな穴が空いてる! これが円空仏並みのノミ跡生々しい細工で,ちょっとお見せできませんトホホな状態です。
 おまけに,ボディの塗装を剥がした時にトップと左肩部分を削ってるようです。そのせいもあり大変軽い! 通常の軽めの製品でも3.5kgはありますが,これは3kg! 随分肩の負担が少ないのはいいんですが…。

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 50年近く経過してネックも随分使い込まれてます。
 しかし,指板の塗装剥がれによる黒ずみには,感慨深いものがあります。写真でしか見たことのなかった,ベックやクラプトンの愛機のアレと同じだ! 国産品の指板を無理矢理細工してた友人もいましたが,おお,本物はこんなんなってんだ…mmm…7fのポジション・マークが抜けてるうううううぅっ。(次回に続く)