テレキャスター18 / エイモス・ギャレット(Amos Garrett)が来た! | おんがく・えとせとら

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 さる4月11日から29日まで行われたエイモス・ギャレット来日公演。知る人ぞ知る、シブ線のミュージシャンのためか、音楽各誌6月号にはほとんどレビュー掲載は見あたりません。
 4月18日,岡山でのライブに行ってきました。バックはベースに岡崎文氏,サイドギター/ウクレレに今井忍氏のお2人。会場のライブハウス「MO:GLA」は50人ほどでほぼ満杯。


 今回は,去年5月に出たパーシー・メイフィールド(Percy Mayfield)に捧げた新譜「GET WAY BACK」が中心ということで,アルバム・ジャケットのとおりフルアコでのライブかと思いきや,演奏はやはりテレキャス中心でした。移動時の耐久性などを考えると,やはりそういう選択になるんでしょうね。

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 最近愛用のテレキャス…といいながら,元はフェンダー・ジャパン製エスクワイア。ヘッドにネームが残っています。91年製だそう。ギター・マガジン2008年3月号やシンコーミュージックのムック「フェンダー・テレキャスター・ブック」でも紹介されていたので,覚えている方も多いかも。
 PUはフロントにレースセンサー・ゴールド,センターにダンカンのクォーター・パウンドを追加,ブリッジ駒のみウィルキンソンの角度がつけられるもの(WT3)に交換してあるようです。よく見ると塗装のクラックや部分的な剥落などが見られ、かなり使い込まれているのが分かります。

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  Wilkinson WT3 円形の台座を中心に駒が回転   (駒の単品販売もあり)

 少し離れてたので手元が見えず、PUのスイッチングについてはよく分かりませんでしたが、これでダブル・タッピングや一部弦のみチョーキングなどをカマしながら,フェンダー・ブルースJRでパキパキした音を鳴らしてました。例のスチールギター奏法は,連発されると一体どうやってるのかよく理解できませんでした。
 アンプはレンタル品でしょうか。時折、演奏前にブーストスイッチを手動で押したりしてました。

 しかしまあ何ですね「弘法筆を選ばず」を地で行く選択です。


おんがく・えとせとら-TAPPING 「フェンダー・テレキャスター・ブック」より

 当日はこのテレキャスター(エスクワイア)以外に、黒沢楽器/スタッフォードのエレアコも使用してました。これもレンタル品かもしれません。

 当年68歳。老眼鏡,髪の毛の後退した頭、上半身の恰幅が良くなった出で立ちに、太い低音ボーカルは、さすが説得力があります。これがプロの威圧感というものでしょうか。
 残念ながらボーカル曲はほとんど馴染みがない曲ばかりで、私にとっては定番インスト「スリープウォーク」が一番の聞きどころでした。他の聴衆も同様だったのか分かりませんが、「次はテンポの速い曲を」という紹介を受けても、皆割りと静かに聴きいってましたね。「手拍子でもした方がええんちゃうか?」など思いながら周囲をそっと見回して逡巡してる間に「あぁ終わってもた…」という感じでしょうか。そのせいかどうか、アンコールは1曲のみ。間に休憩をはさんで計約2時間で終了しました。他の会場ではどうだったんだろ?

 最後に,30年前に発行されたプレイヤー別冊「ザ・ギターVol.1」に掲載されたAギャレットのテレキャスをちらっと紹介しときます。56年製。ということは白ピックガードが標準なので,ブラック・ガードは交換品ということになります。Jベック同様「黒ガード」への憧れは万国共通のものだったのかもしれない。ボリュームとトーンのノブの間にはフェイズ・スイッチが。
 この,当時のメインギターは,後にセンターPUが増設され,ネックが交換されたりしていきます。

おんがく・えとせとら-TEHE GUITAR 「ザ・ギター」より