【イベント】東京バレエ団 創立50周年 祝祭ガラ(追記) | いろいろといろ

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 ウラジミール・マラーホフ、マニュエル・ルグリ、シルヴィ・ギエムの3人のダンサーの名前に惹かれて、東京バレエ団創立50周年祝祭ガラにいってきました。
 
 \すばらしかった/

■NHKホール


 どの公演もすばらしかったのですが、特に興味のある部分だけコメントを配役表に追記していきます。




東京バレエ団創立50周年 〈祝祭ガラ〉 本日のキャスト (18:30開演)

◆オーケストラ
指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ピアノ:菊池裕介(「ペトルーシュカ」)
協力:東京バレエ学校(「ペトルーシュカ」)


◆上演時間◆

【第1部】 18:30-19:20
休憩 20分
【第2部】 19:40-20:25
休憩 20分
【第3部】 20:45-21:40

【第1部】 18:30-19:20
◆主な配役◆

「ペトルーシュカ」
振付:ミハイル・フォーキン   音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
ペトルーシュカ: ウラジーミル・マラーホフ
バレリーナ: 川島麻実子
ムーア人: 森川茉央
シャルラタン: 高岸直樹   ほか

ペトルーシュカ

♪♪♪ディアギレフのバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために、1910年から1911年にかけて冬に作曲され、1911年6月13日にパリのシャトレ座で初演された演目。これはヴァツラフ・ニジンスキーの当たり役のひとつでありながら、当時の映像がまったくないというもの。
 でも、当時のセットさながらに再現された演目でした。ちょっと足りないけど愛らしいバレリーナに恋する道化、最後にはムーア人に殺されてしまい、人形でありながら、最後は精霊となって空に旅立つ人形の哀しさがひしひしと感じられるものでした。
 また、ちょうど国立新美術館でバレエ・リュスのコスチュームの展示会をやっていたので、そちらにも行って、当時の衣装をみてきました。
 
 ほぼ、上記の写真と同じようなイメージのものでした。熊川哲也さん、オーディオコメンタリ―でこんなことを言っていました。
 
 「バレエはダンサー、音楽、美術、そして観衆がおりなすひとときの奇跡」
 
 その奇跡の瞬間が、当時の衣装やセットや人々の記録を元に100年以上も受け継がれていくのはほんとうにすごいことですよね。



 
【第2部】 19:40-20:25
「スプリング・アンド・フォール」
振付:ジョン・ノイマイヤー  音楽:アントニン・ドヴォルザーク
沖香菜子 - 梅澤紘貴
村上美香、吉川留衣、岸本夏未、矢島まい、河合眞里、三雲友里加
岡崎隼也、森川茉央、安田俊介、杉山優一、永田雄大、吉田蓮、原田祥博、岸本秀雄、入戸野伊織

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:P.I. チャイコフスキー
オネーギン: マニュエル・ルグリ
タチヤーナ: 吉岡美佳


【第3部】 20:45-21:40

「ラ・バヤデール」より"影の王国"
振付:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による) 音楽:レオン・ミンクス 編曲:ジョン・ランチベリー
ニキヤ: 上野水香
ソロル: 柄本弾
第1ヴァリエーション: 岸本夏未
第2ヴァリエーション: 奈良春夏
第3ヴァリエーション: 高木綾   ほか


「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール  音楽:モーリス・ラヴェル
シルヴィ・ギエム
森川茉央、杉山優一、永田雄大、岸本秀雄   ほか

■シルヴィ・ギエムのボレロ
ボレロ

■1990年、ジョルジュ・ドンの「最後のボレロ」のポスター
ボレロ(ジョルジュ・ドン)

♪♪♪実は「ボレロ」にはとても深い思い入れがあります。1990年に見に行ったきっかけは漫画家の萩尾望都さんの「ボレロ」の紹介。当時はインターネットがなく、ぴあとかエルマガでチケットの情報を得ていたわけなんですが、萩尾さんの紹介を見た後、偶然みた雑誌にジョルジュ・ドンのボレロの広告があるではないですか。
 
 「これは運命!!!」

 とばかり、いそいそ見に行きました。場所はフェスティバルホールの36列目。
 相当後ろでしたが、ジョルジュ・ドン氏が演じるたびに、何かオーラのようなものが漂っていて、実際の大きさよりも、なんだか大きく見えて驚いたのは20数年たった今も忘れることができません。

 
 #調べたら、そのときの公演、DVD化されています。わぁ…(買いたくてうずうず)



 で、今回はシルヴィ・ギエム。
 昨年も彼女の公演をみたのですが、
 
 「どの瞬間をとっても絵になる」

 おそらく、どんな種類のダンスも完璧にこなす人だろうと思います。髪の毛一本一本もあるべき場所にある…という感じ。この人のダンスをみてしまうと、他のダンサーのダンスを見ることができません~。
 今回のボレロは完璧以上の完璧。
 
 ジョルジュ・ドン氏のボレロからは、人間の原罪と贖いや存在の儚さや哀しみを感じました。今回のシルヴィ・ギエムさんのボレロからは、小さな生命の光から始まる雄大な生命の曼荼羅を見たような気になりました。
 
 パンフレットにもあったけど、演じる人によってこんなにも意味が変わる演目を初めてみました。本当に感動的な舞台でした。何年かあとにきっと同じ演目を見ることがあると思うのですが、そのときの私はいったいどういう感想を書くでしょうか…。

 ではでは。

<追記>
今頃になって知ったのですが、シルヴィ・ギエムさん来年の12月 東京公演で引退だそうです。数少ない舞台…。今回、ずっと見たかった彼女のボレロを見ることができて本当に幸運でした。
以下、記事の引用です。

ソース


「私は来る2015年の終わりに踊ることを止めます。そして日本でさよなら公演を行う予定でおります。現在のところ申し上げられるのはこれだけですが...」


シルヴィ・ギエム

 デビュー当初より100年に一度の天才と騒がれ、その完璧な踊りと輝かしいオーラで世界中を魅了しつづけたシルヴィ・ギエムが、来年2015年に現役ダンサーとして引退する旨を上記のように表明いたしました。

 ギエムは東京バレエ団創立50周年〈祝祭ガラ〉のために来日し、この8月29日、30日、31日に東京で、9月初旬に大阪・三重・富山で、彼女の代表作のひとつであるモーリス・ベジャール振付「ボレロ」を踊ります。そののちは、来年12月に東京ほかで予定されている公演をもって、日本の観客に別れを告げることになります。

「ボレロ」はギエムが東京バレエ団とともに日本全国でたびたび上演し、またテレビ放映もされて一般には彼女の代名詞のようになった作品です。その強烈な印象ゆえに一度は彼女も本作を踊ることを自ら封印しましたが、振付家ベジャールの追悼や東日本大震災復興支援など特別な機会にかぎって復活させてきました。今回、東京バレエ団の創立50周年を機に東京バレエ団と168回と最多共演している「ボレロ」を踊ることになりました。ギエムの「ボレロ」はこれが最後の機会となるかもしれません。



■関連リンク
東京バレエ団 オフィシャルサイト
  +8月29日配役表
  +シルヴィ・ギエム、来年12月引退。月末〈祝祭ガラ〉で特別に「ボレロ」上演!
ジョルジュ・ドン 日本最後の「ボレロ」(DVD)