Z-Ⅱ~DIE FRAU AUS DOR | 元漫画少女の雑記帳

Z-Ⅱ~DIE FRAU AUS DOR

Z君   涙で終わった恋心・・


「Z」の第二話からサブタイトルがつくようになりました。

そのサブタイトルが表示されているのは、話の一番ラストです。


ちなみにこの話が発表された時は本編では「アラスカ最前線」

記事 )と殆ど同じ時期のようです。

(参考:青池保子作品リスト(80年代)

つまりお金のプリントゴッコにジェイムズ君が歓喜したり、

ボーナム君の「NATOのおっさん」発言があったり、

少佐と伯爵は狼に襲われたり、ソ連の原潜の中で大暴れした上

戦闘機を奪ってソ連から無事に帰還してきたりとド派手な話が

進行しつつ、サイドストーリーではこんなに切ない話が展開されて

いたのですね。(涙)


まだまだ若く任務中でも綺麗な女性はチラチラと見てしまうZ君

ですが、この任務では年上の未亡人と知り合い、密かに恋をし

そして目の前で展開された悲惨な出来事により涙を流します。

もしかしたら少佐もこんな目に遭ったのでしょうか・・

涙を流すZ君へのフォローが優しいのです。

傷が痛いから涙が出るというZ君に対し、初めは傷が痛い位で

べそかくなといいつつ、ぼそっと「彼女のことは忘れることだ」。

ああ、やっぱり分かってらっしゃる。

いつかこういう新人時代の少佐の砕け散った恋の話も読んで

みたいなと思いつつ、伯爵がもしその事実を知れば嫉妬に

悶えるのかと想像すると・・・くすくすっ。


第二話は「NATO エーベルバッハ少佐」というメモだけを遺して

死んでいた男、そして少佐の元に送られたボルト一本、

東側の企業スパイ、東ドイツからの逃亡者というハードな素材と、

この死んでいた男の妻の悲しい事情・・そしてZの恋心という、

まさにローデが言ってた非情で暗くて陰惨なスパイ物語

となっています。

Z君は東側のスパイ探しのために、コンピューター技師となって

問題の企業に入り込み、未亡人と接触します。

初めは「コンピューターおばさん」(彼女、まだ20代なのよう)

と恐れていたZ君だったけど、次第に惹かれていく・・

そして非情な東側のスパイ。

彼はこの未亡人を利用していた。

彼女は東ドイツに人質に取られた弟の為にスパイ行為に

協力していた・・。
そして最後に彼女が選んだ決断は・・・・・・。


もうあんまりだよ・・Z君が可哀相だ。

だけどこういう悲惨な経験をしてまた一歩成長したZ君。

本編でも「あいつ結構悲惨な経験しているからなあ」と

先輩に言われている彼ですが、間違っても

「あれは1980年のデュッセルドルフだった・・・・。」

なんていつか出来るかわからない後輩に語る事はないでしょう。


個人的に選んだ名セリフ

「スケベ心をおこすな。彼女は美人だ」(少佐)
・・・・Z君のこと良くわかってらっしゃる・・・・

「いい匂いだな・・どこを見ているんだバカ!」(・・Z君)
・・・・若いっていいなあ・・・・

「少し窓を開けます。あなたの香水によっぱらったみたいです」

(Z君)

「彼女はすてきだ。ボンドでなくて残念だけど」(Z君)


「ぼくの任務はまだ終わっていません!」

(撃たれたものの彼女を助けようと必死なZ君  泣)

「さようなら・・・やさしいスパイさん」(レナーテ)

「忘れてこい。次の任務につくまでにな。

仕事はきさまを甘やかしてはくれんぞ」(少佐)


「忘れてきます・・・・忘れます・・・」(Z君)


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