$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-美術
<上記写真は購入した図録より拝借>

妻と休みが合い、誘いもあったので
渋谷文化村で開催の
【フェルメールからのラブレター展】
に行ってきました。

TVで紹介されていたので何となくは解ってはいたのですが、
フェルメールの名は、あくまでもマーケティング的にで、
作品はむしろフェルメール以外のものが多かったです。

というか、それはそれで非常に楽しめました。

時代背景的には
・プロテスタント的背景を持つ国の画。
・教会的学校から、身近な学校への移行時代。
・識字率の向上、紙の製造増加、印刷業の増加。
・東インド会社などの登場による貿易の盛り上がり。
・偶像化された神よりも人や自然に目を向けた時代。
そんな17世紀の画でした…

中でも個人的に気に行ったのは、
$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-美術展
ボルフ作「眠る兵士とワインを飲む女」
<上記写真は購入した図録より拝借>

図録の説明にある
・クレイパイプ=男根(やる気を失った)
・女性を意味する水差し
も興味深かったですが、

この様子そのものが現代でも見られる現象として面白かったのと、
時代的に女性が祭りでもない場所で酒を飲んでいる様子が画になったこと自体が、
時代の変化を告げるものとして興味深く思いました。


次に興味を引いたのは
Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-美術展
ボフォーヘン作「テーブルに集うファン・ボフォーヘンの家族」
<上記写真は購入した図録より拝借>

大きな聖書を手にした怖そうな父(左)をメインに、
神への忠誠心が深そうな家族が表現されていて見事でした。

永遠を意味するレースの首飾りや、
食卓には聖なるものの象徴であるワインとパンに塩(入れ)
それに罪がないとされていた鳥や卵が描かれているのも印象的でした。

この家族の何人かはこの後ペストで亡くなるそうですが、
ただでさえ真水の確保が難しかったオランダでは、
常に死と隣り合わせだったので、
それを想うとただの家族写真的な絵ではない気がしてなりません…


他に気になったのは先日読んだ薬剤師の歴史の影響もあるとは思いますが、
Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-美術展
マン作の「薬剤師イスブラント博士」
<上記写真は購入した図録より拝借>

描かれた奥の瓶の棚に、後ろには暖炉、
机の上には本に天球儀に楽器などは、
それまで錬金術師として書かれた画の構図に酷似して
医学や薬学においての新しい時代、
つまり、もはやどこか錬金術師を差別しない世の中なのだという
メッセージが込められている気がして楽しめました。

最後はお約束ですが、
Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-美術展
フェルメール作「手紙を書く女と召使い」
<上記写真は購入した図録より拝借>

フェルメールの画と言えば、
ことあるごとに「光」がテーマとされるますが、

風を操って土地を生み出し、
河やダムを作り、
火をも操ってきたオランダではありますが、

人間が操れない最大の力こそ「光」であり、
それこそが神を感じる大きな「力」だったのでしょう。

プロテスタント国になり、
偶像を排除したオランダだからこそ、
そして未来を期待させるこの時代だったからこそ、
この画が生まれ、またそう表現されてのではないでしょうか?