![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-venetian](https://stat.ameba.jp/user_images/20110816/21/catador/30/63/j/t02200314_0224032011421572899.jpg?caw=800)
お盆休みを利用して六本木東京ミッドタウン内の
サントリー美術館で開催されている
「あこがれのヴェネチアン・グラス」展
に行ってきました。
開催は2011年8/10から10/10(休館:毎週火曜)までです。
行けそうにない、行けなかった方は、こちらのBlogか、こちらのBlogを参照のこと。
ヨーロッパの中世から近世への転換期である「ルネサンス」をスタートに
近世の「啓蒙思想」前後に見られるグラスの変化を
・ヴェネチア
・ネーデルランド
・イングランド
を中心に、その芸術性の奥に見え隠れする
キリスト教を中心とした宗教的要素を
様々な作品を通して見ることが出来ます。
また中世のヴェネチアとネーデルランドの関係、
近世のネーデルランドとイングランドの歴史的関係も視野に入れながら
想像をめぐらして展示物を見るのは非常に有意義な時間でした。
中でもグラスで興味深いのは、上記ポスターにもある
数々の「レース模様」でしょう。
この展示会の中では説明されていませんが、
レースやレース模様は「流れ」や「動き」、
そして「連続性」や「永遠」という意味合いがあり
多く用いられたモチーフです。
この辺の話はダヴィンチ系の本にも出てきますね…
もちろんこの意味合いを持つのはレースだけではなく、
「ドラゴン*」や
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-glass2](https://stat.ameba.jp/user_images/20110816/21/catador/ca/e7/j/t02200165_0300022511421649922.jpg?caw=800)
「ツイスト・ステム」↑にも見られます。
上記写真は自由が丘Cupika-glassさんから拝借
2011/9に自由が丘にお店がOPENするようです!
他にも18世紀スペインの
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-porron](https://stat.ameba.jp/user_images/20110817/10/catador/20/ed/j/t02200196_0800071411422665896.jpg?caw=800)
町田市立博物館蔵:同展カタログより拝借
「ポロンPorro」↑や
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-cantir](https://stat.ameba.jp/user_images/20110817/10/catador/99/8e/j/t02200381_0800138611422665889.jpg?caw=800)
町田市立博物館蔵:同展カタログより拝借
「カンティールCantir」↑、
(いずれもカタルーニャ圏の酒回し飲み器)
また中でも目を引いたのは
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-almorratxa](https://stat.ameba.jp/user_images/20110817/10/catador/c9/c7/j/t02200422_0800153411422679311.jpg?caw=800)
町田市立博物館蔵:同展カタログより拝借
「アルモラータAlmorratxa」↑
と呼ばれる香水播き瓶でした。
因みに播いていたのは薔薇水だそうで、
蒸留法と香水を伝えたイスラム文化を古くから受け継いだ
スペインならではの展示品に感動しました。
*ドラゴンはエジプト文明で見られるものや日本(しめ縄)のそれと同様、
「動き」や「力」、「夫婦」を象徴するもので、
多くの文明でそうであるように「蛇」でも良かったのでしょうが、
ギリシャ神話では蛇は、アスクレピオス的で良くても、
キリスト教的には蛇は、サタン的でダメだったのでは…
と思います。
で、今回の展示内容とは重ならなかったので、無かったですが、
このレース模様の考え方やデザインは、
やがて「カット・グラス」へと受け継がれていきます。
他にも、今回、個人的に感動したのは
「ディドロ、ダランベールの『百科全書』」もあった事です!
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-百科全書](https://stat.ameba.jp/user_images/20110816/21/catador/1f/6b/g/t02200329_0600089811421647760.gif?caw=800)
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-百科全書2](https://stat.ameba.jp/user_images/20110816/21/catador/a2/45/j/t02200181_0340028011421683331.jpg?caw=800)
左がディドロ、右がダランベール
もちろん展示目的から本の展示内容は「ガラス/グラスの製造工程」でしたが、
当たり前のようにグラスを使う今、大事に使わねばと思ったと同時に、
この大震災の後に、この割れやすい展示物の数々が、
よくもここまで揃ったなと、改めて感動したしだいです…
コーヒー・カップ同様、グラスもハマりそうで危険ですネ(汗;