慢性腎臓病5 | カッサフォルテ犬猫コラム

慢性腎臓病5

それでは慢性腎臓病を診断するにはどうしたらいいのでしょうか?
その前にまず慢性腎臓病の定義からお話しする必要があります。

慢性腎臓病とは何らかの腎臓の障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。
人間の場合は腎臓の機能が健康な人の60%以下になった状態や、
タンパク尿が3ヶ月以上続く場合を慢性腎臓病というそうです。

この腎臓の機能を評価する目安がGFR(糸球体ろ過量)といい、
1分間にどれくらいの血液を濾過して尿を作れるかを表します。
しかし、これを実際に測定するのはほぼ不可能なので、
イヌリンクリアランスというものを計算します。
これはイヌリンという物質を注射し、
それが一定時間毎にどれだけおしっこの中に排泄されるかを測定して計算します。
これが一番正確に腎臓の機能を評価できるのですが、
何回も採血が必要だったり、正確な採尿が必要だったりで簡単にはできません。
人間の場合にはこれをもう少し簡便にしたクレアチニンクリアランスというものがありますが、
これも尿量を正確に測定する必要があることと、
決まった時間におしっこを採る必要があるので動物では難しいです。
さらに、人間では簡単にGFRを推定できる計算式もありますが、
これは膨大なデータの蓄積があってできることなので、
動物では当てはめられません。
では、どうすればいいのか?
それを次回からお話ししていきたいと思います。