ブログ更新560回目、クツは432足目です。
今日肩を並べた、偉大なる記録の記念に。
NIKE SHOX VC2 "SVSM"
NIKEがまだ高校生だったレブロンの為に用意した、スペシャルモデルです。
レブロン・レイモン・ジェームズは、今日(現地時間28日)のシャーロット・ホーネッツ戦で、連続二桁得点試合記録である866に並びました。
この恐るべき記録は、バスケットボールの神マイケル・ジェフリー・ジョーダンが保持していた記録です。
NBAという世界最高峰にして過酷なリーグにおいて、得点力のみならずケガをしない頑強な肉体も必須となる連続二桁得点記録ですが、866というのはそれを11シーズンに渡って続けなければならないという、途方もない数字。
大きな話題になっていませんが、私はこの記録をもっと評価すべき偉大なものだと思っています。
それに肩を並べた今日、何か特別なモデルを紹介すべきと考えた私は、スニーカー部屋からこれを引っ張り出しました。
まだ高校生だった彼にNIKEが提供した、スペシャルな一足です。
このモデルは、ヴィンス・カーターのシグネチャーモデル第二弾 SHOX VC2 に、当時レブロンが在学していたセント・ヴィンセント・セント・メアリー高校のチームカラーを落とし込んでいます。
高校卒業時にNBAドラフトにかかると確実視され、【CHOSE ONE】(選ばれし者) とも呼ばれるレブロンとの契約を目論むNIKEが、彼に首を縦に振らせるべく用意したもの。
レブロン本人やその関係者向けに、ごくわずかな数だけ製造された非常に希少なモデルです。
これはPE(Player Exclusive.....選手に提供される非売品の特別バージョンのこと)が多種にわたり存在するLEBRON関連モデルの中でもとりわけ珍品でして、"LEBRON mania" と呼ばれるNIKE LEBRONシリーズコレクターの間では、幻の一足として知られています。
私が入手できたのはただただ幸運だったがゆえで、ヴィンス・カーターをリスペクトする私からすれば、ヴィンスとレブロンというある意味ダブルネームのこの一足を手にできた時には感動で震えがきました。
そんな一足、まずは各所を見ていきます。
ベースとなるSHOX VC2 というモデルは、2000年代前半に一世を風靡したSHOXテクノロジーが搭載されています。
SHOXテクノロジーとは、着地時の衝撃をそのまま反発力に変換し次動作への助けとする、バネのようなパーツを内蔵した支柱状のパーツを配したクッショニングシステムのことであり、SHOX VC 2 はSHOX搭載モデルとしては初めて、ほぼフルレングスにSHOXコラムが配置されました。
その当時最先端だったモデルを、SVSM高校カラーに染め上げています。
アッパーはホワイトと、補強部やミッドソールにはグリーンを用い、同じくSVSM高校のチームカラーであるゴールドを挿し色として使用。
ゴールドのプラスティックパーツで造型されたスウッシュは、メタリックグリーンで縁取り。
ヒールパーツには、やはりグリーンを用いています。
インサイド側。
スウッシュを別パーツではなく、エンボス加工することで表現。
重厚なレザー素材に通気性を持たせるパンチング孔は、こちら側にも広範囲に施されています。
正面から。
SHOXを搭載しボトムパーツにボリュームがあるため、このアングルでもどっしりしたシルエットに見えます。
シュータントップには、【IRISH】 の刺繍。
これは、SVSM高校で活動するスポーツクラブが "The Fighting Irish" という愛称で呼ばれている為で、レブロンに提供されたこのモデルにもそのまま IRISH と刺繍されたのでした。
後方から。
ヒールに向かってめくれ上がったアウトソールには、SHOX搭載モデルであることを示すSロゴが造型。
またバックタブには、SVSMの刺繍も入れられています。
ライニングと、インソール。
履き口近くには、VCシリーズであることを示すVCロゴが縫い付け。
インソール表面には、NIKE SHOXロゴがプリントされています。
これがLEBRONシリーズであれば、レブロンロゴなりライオンロゴなりがプリントされるところですが、今作はあくまでVCシリーズの1バリエーションであり、それらロゴはどこにも配されていません……て当たり前なんですよね、この時のレブロンはまだアマチュアで、シグネチャーロゴがデザインされる前の話なのですから(笑
アウトソール。
円形のパターンになっている箇所がSHOXコラムが配されている位置です、小さいものから大きいものまで、ほぼ全体に搭載されているのがおわかりいただけるかと。
中足部付近にある三角形の箇所は、シャンクプレートが入れられている訳ではなく、むしろ逆。
屈曲性確保の為、くり貫かれています。
では、他いくつかのアングルから。
この重厚感がたまりません、しかもそれがレブロンの母校SVSM高校カラーとなればなおさらです。
前半で書いた通り、このモデルは高校時代のレブロンにNIKEが用意したモデルです。
神童レブロンは全米に広く名を轟かすほどの逸材であり、彼がプロ入りする際には契約先として選んでもらいたかったNIKE、JORDAN BRAND、ADIDAS、REEBOKといった各ブランドは、こぞって特別にSVSMカラーに仕上げたスペシャルモデルを用意しました……まるで、王への献上物のように。
ゆえに、まだ高校生だったにも関わらず王者の貫録充分だったレブロンは、自分に相応しいかを試すように(笑)ブランドを問わずシューズを履きましたが。
この NIKE SHOX VC 2 "SVSM" も、そんな中の一つ。
2000年代前半のNBAの顔でありで飛ぶ鳥を落とす勢いだったスーパースター、ヴィンス・カーターのシグネチャーをSVSMカラーにしたのです。
(via SOLE COLLECTOR )
当時の SHOX VC2 において、ヴィンス・カーター本人に用意されたトロント・ラプターズカラーなどのほかには非売品の特別バリエーションは存在していなかったはずです……SVSM以外には。
まだプロのコートに立つと決まっていた訳でもない、その意味ではアマチュアの一人にすぎなかった17歳にそれを提供したという事実に、NIKEがいかにレブロン・ジェームズとの契約を重視していたのかがわかりますね。
その後クリーブランド・キャバリアーズからドラフト全体1位指名されたレブロン・ジェームズは、パートナーにNIKEを選び。
以降両者の蜜月の日々は続き、2017年には総額1000億円を超えると言われる "生涯契約" を結びました。
それに至るまでの道程、その初めにおいてレブロンがNIKEをパートナーに選ぶ決断に、この特別なSHOX VC2 が少なからず寄与したのではなかろうか……私はそう考えています。
NIKEやADIDASといったビッグネームに前述のような争奪戦をさせる恐るべき高校生がいることは、私も2002年頃には知っていましたが。
その頃から【ネクスト・ジョーダン】との声が上がってはいたものの、私は彼のプレースタイルを、運動能力の高いマジック・ジョンソン、という印象で見ていました。(当時メディアもマジックと比較する論調が多かった覚えがあります)
ですから、スコアラーとしてもこれほどの力を発揮し尚且つ大きな怪我をせず11シーズン以上を過ごして、あのマイケル・ジョーダンが樹立した866試合連続二桁得点の記録に並ぶ日が来るとは、全くの予想外。
私の見る目がなかったと言えばそれまでですが、その頃に『レブロンはマイケルの866試合連続記録を超えるスコアラーになる!』と確信していた人なんて、世界でも数えるほどしかいなかったでしょうね。
それほどに、今日彼が肩を並べた記録は偉大な記録なのです。
またこの記録に関して言えば、レブロン・ジェームズとヴィンス・カーターの間には面白い縁があります。
実は、この記録がスタートした2007年1月6日のゲームというのは、当時ヴィンス・カーターが所属していたニュージャージー・ネッツとの対戦だったのです。
当時22歳だったレブロンは19得点、29歳だったヴィンスは18得点をあげほぼ互角の活躍でしたが、ゲームはキャブスが勝利しました。
その始まりの日のことも、記憶しておくべきかと思います。
間違いなく、次戦でレブロンは記録を867試合とし、今後も更新し続けるでしょう。
そしてこの記録のみならず、様々なNBAの記録を塗り替えファンを驚かしてくれるはずです。
その度に、SHOX VC 2 "SVSM" を履いていた、"まだ何も成し遂げていないレブロン・ジェームズ" の姿を思い出してみるのもいいかなと。
そうした一つ一つが、NBAのキングとして君臨することになった、彼のマイルストーンなのですから。
以上、ショックス VC2 SVSM の紹介でした。
本当に素晴らしいモデルですし、今日紹介するに相応しい一足だと思いますが、それが故。
記事を書いていたら、ちょっと履いてみたくなりました。
ぅおおカッコいい……でもバスケで履けるかどうかは別問題。
SHOX系のシューズをお持ちだった方ならご存知かと思いますが、ビンテージのSHOXって外観では大丈夫そうに見えても、いざ履いてみたらアウトソールがべりべりっと剥がれてしまうんですよね(汗
それこそヴィンス・カーターも先日、SHOX VC4 を履いてゲームに出場した際、見事にアウトソールが剥がれてシューズ交換を余儀なくされました。
ですのでこの一足も、大丈夫そうに見えてもプレーすれば壊れてしまう可能性はかなり高い。
ここはグッとこらえて、試着程度にしてバスケはやめておこうと思います……うん、こらえろ俺(震え声
ということで、本日はこれで。
また次回に~!