前節、ジョシュ・チルドレスが加入した三遠ネオフェニックスに連勝した千葉ジェッツ。
更新中のチーム連勝記録は11まで伸びました。
ホームに戻り、迎えるは富山グラウジーズ。
下位で苦戦しているものの、マイアミ・ヒートなどでNBAのプレー経験を持つデクスター・ピットマンが数日前に加入し、戦力が底上げされています。
そのグラウジーズとの二戦、レポートします。
17日土曜。
初対戦となるグラウジーズ。
城宝選手、宇都選手、比留木選手を要し、激戦のB1中地区を戦う北陸の雄。
城宝選手や宇都選手を間近で見るのは初めてでしたが、やはり雰囲気があります。
また、元千葉ジェッツの宮永選手や田中選手には、アップに登場した時から場内に拍手があふれました。
さらに、今節で話題となったのは。
この巨漢ぶり!
誰かと言えば、この人こそが、
デクスター・ピットマンです。
211cm、128kg。
昨年までのイメージではもっと太目だった気がしていましたが、今回を本人を目の当たりにしたところ、想像よりも体が絞れているように思えました。
アップでは体の軽いところを見せて、軽快なフットワークにスムースなジャンプシュートなども披露。
パワーだけの選手ではないところを伺わせます。
なお、足元は NIKE SOLDIER X でした、このモデル、本当にインサイドプレーヤーに支持されていますね~。
そのピットマン選手、チーム合流間もないタイミングでしたが、驚きのスターター起用。
彼のインサイドアタックの威力はまだ未知数であり、それが故に対応が難しい部分もあります。
激戦の予感する中、第一戦のティップオフとなりました。
グラウジーズはインサイドを強調したオフェンスをセットし、ピットマン選手を積極的に使います。
対するジェッツはディフェンスからの早い展開を出そうとしますが、流れを掴むまでにはいかず、序盤は点差が離れないまま進みます。
しかし、ここでアームストロング選手がジェッツに勢いをもたらします。
強気にインサイドを攻めてくるピットマン選手を、見事な連続ブロック!
またパーカー選手のヘルプディフェンスも力を発揮し、グラウジーズのインサイド陣に思うような仕事をさせません。
そして、オフェンスでは石井選手に当たりがきて、一気に得点を加算。
石井選手は第1クオーターだけで14得点を稼ぐ活躍でした。
グラウジーズも城宝選手のスコアリングでやり返すものの、流れはジェッツ。
1Q終了 千葉 26-17 富山
第2クオーターでも、アームストロング対ピットマンの肉弾戦は続きます……と言うか、さらに激しさを増しました。
二人の争いは、これまでの日本バスケではなかなか見られなかった力感に溢れていました。
マッチアップ相手を上回ろうと、火花を散らす二人……ピットマン選手がアームストロング選手の腕を払いつつ、大声で 『ジャッジ!』 と叫んでファールをアピールした場面も。
とにかくも、この二人には目が釘付けになりました。
あの肉弾戦を見るだけでも、数千円の入場料を払う価値があると思います。
ただ、この日の二人のマッチアップは、アームストロング選手が上回りましたね。
パワーではピットマン選手が勝っていましたが、そこからショットを決めさせないアームストロング選手のうまさが光りました。
ジェッツのオフェンスは好調で、パーカー選手のショットが安定して決まります。
しかし、グラウジーズはウィラード選手が連続得点してチームを助け、大きな得点差にはなりません。
最後はむしろ、グラウジーズが流れを掴みかけて終わり、後半に繋げました。
2Q終了 千葉 46-40 富山
後半。
コートに出たところで他の四選手を呼び止めるアームストロング選手。
身振り手振りを交えて、何かしらの確認。
アームストロング選手からのトークとしてはかなり長めで、ちょっと珍しいなと。
おそらくは、インサイドのディフェンスについての確認だったろうと思います。
しかし、この3クオーターは。
グラウジーズで脅威となったのは、インサイドではなく、この人。
城宝選手。
前半も素晴らしいスコアを続けていましたが、それがさらに威力を増します。
切れ味鋭いショットを連発し、止めようがない状態に。
逆にジェッツは3ポイントが全く決まらない時間帯が続き、グラウジーズのゾーンディフェンスにはまってしまいます。
逆転を許し、ずるずると離される嫌な展開に…。
そのまま第3クオーターを終えたくはないジェッツは、ストーン選手や冨樫選手のスコアで再逆転。
3Q終了 千葉 66-65 富山
勝負の第4クオーター、いきなりターンオーバーを連発し、またも嫌な流れになりかけるジェッツ。
ここで、キャプテン小野選手がその流れをコントロールします。
自らのスコアに加え、ジェッツオフェンス全体の潤滑油となるプレーぶり。
また、このクオーター半ばからは小野選手を基点としたオフェンスがセットされるシーンが多く見られました。
特筆すべきは、ストーン選手とのツーメンゲームです。
ストーン選手にピックに来るよう指示し、そこから相手ディフェンダーの対応を見てプレーを選択する。
ボールハンドリング能力を有しつつアウトサイドショットが強力な、2mクラスの選手二人による 【ピック&ロール】 オフェンス。
これにはグラウジーズディフェンスも対応に苦慮していました。
さらには、ピックに来たストーン選手がゴールに向かってロールするのではなく外に開き、自身にディフェンダー二人を引きつけた小野選手がそのストーン選手にパス。
【ピック&ポップ】……完全フリーのストーン選手にはワンドリブルして足を揃える余裕さえある、難なく3ポイントをヒットしたシーンも。
この二人のツーメンゲーム、強力です。
確立されれば、今後大きな武器になると思います。
しかし、粘り強いグラウジーズ、宇都選手に当たりがくるなど離されない。
ジェッツはストーン選手の好調なオフェンスで、リードを保ちます。
もつれた最終盤、またきた城宝選手のアウトサイドショットで、残り1分あまりで3点差にまで詰め寄られます。
さらにはバックコートからのプレスを受けたジェッツはターンオーバーを犯し、イージーバスケットを決められ。
残り35秒で、ついに1点差に。
ここからは、一本のフリースローが勝敗を分ける場面。
ここでフリースローラインに立つのは、ストーン選手。
成功率は7割あまり、決して高確率とはいえない彼のフリースロー、しかもこの痺れる展開の中ですが。
一本、一本と確実に沈めていきます。
だがしかし、この日は最後の最後までもつれます。
4点差となった残り4秒、グラウジーズはウィラード選手が3ポイントのファールを受け、フリースローを三本獲得。
ここでグラウジーズは、ベンチにいたピットマン選手をコートに戻します。
その狙いは明らか。
ウィラード選手に三本目のフリースローをわざと外させ、ピットマン選手の力強いオフェンスリバウンドに賭けたのです。
ウィラード選手は最初の二本を落ち着いて決め、三本目は。
大きくリムを跳ね返り、リバウンド争い……そのリバウンドを制したのは、ストーン選手!
これによりジェッツが逃げ切り。
試合終了 千葉 91-87 富山
辛勝です、でも勝ちは勝ち。
これで連勝は12に。
ストーン選手のオフェンスと終盤のフリースロー、また試合を通じパーカー選手の渋いディフェンスに助けられたゲームでした。
ゲームMVPは、ストーン選手。
MVP賞のジャンボ君人形をどうするか、という恒例の質問に、彼は。
『今日会場に来ている、ガールフレンドにあげたいと思う』
そうコメントし、スタンドに一直線。
一階席で観戦していた彼女さんに手渡し、さらには熱いキス。
アリーナが大いに盛り上がったことは、言うまでもありません。
ゲーム自体は胃が痛い展開でしたが、最後のその一連のシーンでほっこりできました(微笑
でも、帰り際のジェッツブースターの多くが口にしていましたけどね、「城宝やべぇよ」 と。
私も城宝選手のキレすぎなショットは、ちょっとトラウマになりそうです…。
それでは、18日日曜。
第二戦の模様を。
一戦目に引き続き、インサイドの肉弾戦は激しい。
しかし、ジェッツのインサイドはアームストロング選手とパーカー選手の連携がよく、ピットマン選手に自由にさせません。
オフェンスは停滞することなく、点を重ねるジェッツ。
対してグラウジーズは、富樫選手にマッチアップされる宇都選手がミスマッチをついて攻めます。
ピットマン選手が早々に2ファールとなったのは痛いものの、オフェンスの展開を変えてリズムの出たグラウジーズ。
前日同様、離されないままで最初のクオーターを終えます。
1Q終了 千葉 21-17 富山
第2クオーターは、我慢し合う展開。
グラウジーズは比留木選手や宇都選手のスコア、ジェッツは石井選手のスコアで加点。
ただ、ディフェンスがより強固になったジェッツが、じりじり点を離す。
このクオーター頭から投入された阿部選手、そして途中から投入の上江田選手、荒尾選手のディフェンスが効き、グラウジーズにいいオフェンスをさせません。
前日爆発した城宝選手をマークする、阿部選手。
間合いを詰めてボールを持つ前からプレッシャーをかけるディフェンスは、明らかに前日の反省を踏まえてのものかと思います。
荒尾選手は、スペースの潰し方や危機を早めに察知してのヘルプディフェンスが素晴らしい。
ジェッツの誇るベンチプレーヤー達がディフェンスから流れを作り、リードを作る。
2Q終了 千葉 41-31 富山
後半に入ると、全体の流れをコントロールできてきたジェッツ。
決定的な点差にはなりませんが、危なげないゲーム運び。
相変わらずディフェンスは崩れず、オフェンスの停滞する時間は短い。
そして、石井選手に当たりがきて、いよいよ流れを掴もうというタイミングで。
ジェッツブースターの皆さん、お待たせしました。
彼が、戻りました。
背番号31、原修太!
彼の復帰、待ち望んだブースターは多かったでしょう。
交代選手に彼の名がコールされるや、アリーナ大歓声。
しかも足元は AIR JORDAN XXX1 ですよ……背番号31番、エアジョーダン31を履いてカムバック!
大いに沸いた第3クオーターが終了。
3Q終了 千葉 61-47 富山
最終クオーター。
グラウジーズのゾーンディフェンスを、ジェッツのシューター陣がついに完全攻略します。
上江田選手が思い切りよく打ち切った3ポイントを皮切りに、富樫選手の連続スリー。
と思ったら今度はアームストロング選手が、ローポストからテクニカルなステップでディフェンダーを翻弄しスコアするなどどんどんいいオフェンスが出ます。
ディフェンスでは城宝選手を油断せずチェックして彼のショットを封じ。
さらには、ピットマン選手がファールアウト。
徐々に追い上げの力を失い始めるグラウジーズにとどめを刺したのは、ゾーン・バスター、石井選手。
そこから3ポイントを三本ヒットさせた 『神様仏様石井様』 がグラウジーズに引導。
最後は突き放したジェッツ。
試合終了 千葉 90-65 富山
これでジェッツは、破竹の13連勝。
この日京都ハンナリーズに敗れた東地区2位の栃木ブレックスと、勝ち星で並びました。
よいディフェンスを試合通して続けたジェッツ。
前日はハマってしまったゾーンディフェンスもしっかり攻略し、このチーム本来の良さを見せてくれました。
さらには、原選手復帰も喜ばしいニュース。
より層が厚くなり、シーズン中盤戦を戦う力が整ってきました。
しかしその原選手、カッコいいだけの復帰とはなりませんでした。
しっかりボールに絡む元気なディフェンスを見せ、ジャンプショートもきっちり決めた彼ですが……第3Q終盤にコンタクトレンズがずれるアクシデント。
コンタクトを直すのに手間取り、それを直すために一旦交代し……って交代しないんかい! というようなシーンがあり、随分とハラハラしました(微笑
試合終了後にゲームMVPのパーカー選手がインタビューを受ける間、そのコンタクトのくだりを小野選手と富樫選手にからかわれる原選手、実に微笑ましたかったです。
おかえりなさい、今後の活躍、期待してます!
以上、12/17・12/18 千葉ジェッツ vs 富山グラウジーズ戦 観戦レポートでした。
二戦目は点差が離れはしましたが、城宝選手、宇都選手、ウィラード選手のプレーぶりは非常に印象に残りました。
まだコンディションが万全ではないだろうピットマン選手がチームにフィットしてくれば、富山グラウジーズはリーグ上位に対抗できるチームになると思えます。
そのグラウジーズに勝ちきったジェッツ、次節はアウェイ新潟戦。
これまた厳しい戦いですが、連勝を伸ばしてくれることを期待。
ちなみに。
記念すべきBリーグ開幕戦を戦ったチームである琉球ゴールデンキングスとも、今シーズンは二試合のみの対戦。
しかもそれは沖縄でのアウェイ戦ですので……とってしまいました。
上の画像の通り、その二戦のチケットを!
人生初の沖縄、2月のキングス戦で行きます、今から超楽しみですよ~♪
ということで、本日はこれで。
また次回に~!