言葉は必要ない | 人と触れ合う大切さを伝え、こころ豊かに生きる。

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会話にもならないほどの辛く閉ざされた心に

かける言葉は一つも見つかりません。


幾度か、ブログにも様子を投稿していますが、

今年の冬でトリートメントをさせていただいてから

3年になる70代の女性


先日、施設様にお伺いした際、

険しい表情をしていらっしゃいました。


お声をかけて、お部屋へ入ると

タンスから綺麗なハンカチを出して、

テーブルを拭いてくださいました。


いつも、小さなゴミでも見つけては拾い


「若いから」と座布団を出してくださいます。


お声をかけながら準備し

それでも、いつもと違う雰囲気に心が痛みました。


テーブルを囲んで座ると

「もう、死にたい」

何度、この言葉を聞いただろう・・・


当然、トリートメントができる状況ではありません。


斜めに座り、

少し時間が経った頃に

やっと手に触れることができ、

10分くらい、顔を見ながら握りしめて、ただ擦っていました。


そして、

少し、笑顔が見れたころを見計らって、

フロアに戻る声かけをし、片づけが終わってから、

その人を抱きしめていました。


そうすると、

「おんぶして」と、子どものようなあどけない表情で

一言おっしゃいました。

私は、その表情と言葉が嬉しくて

「良いですよ」と言って、後ろを向いて、おんぶをする格好をしました。

「いいわいいわ!」と遠慮しながら、

「抱っこしてあげる」と私の大きな身体を持ち上げようとします。


さっきまで、険しい表情をしていた人の顔とは

全く違う顔に変わっていました。


そんなやり取りをしながら、二人で声を出して

笑っていました。


1か月に3度

ほんの数十分の関わりです。


その時々でさまざまな想いが入り乱れます。


一瞬でも良い

その人の笑顔に出逢えれば。


時には、

言葉は必要ない時もありますね。