他人への思いやりや、優しさの感情・行動とは、心のどこからやってくるのでしょうか。
「人間以外の動物には、親子の関係以外にこの感情は無い」のだと、何かのものの書で読んだ記憶があります（コミュニティを守るための感情・行動とは別）。
人ゆえに持つ他人への「優しさの感情・行動」
常識や理解を超えた数々の事件を見るにつけ、ひとが人であることの証明である感情・行動にDNAレベルの変化を呼び始めているのかなぁと感じたりも・・・
それでも優しさに触れると胸のなかが柔らかくなり笑顔がこぼれてしまいます。
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ランチの待ち合わせで、横浜モアーズの１Ｆエントランスに立っていた。
壁際には、小さな女の子とお母さん。
柱側には、小さな男の子とお母さん。
２組の親子がそれぞれ立っていた。
小さな女の子は、ニコニコとお母さんと楽しそうにお話しをしていた。
「ひとつだけ食べてもいい？」
「ご飯の前だからひとつだけよ」
肩から斜めに掛けたポシェットのなかから、綺麗な包み紙に包まれたアメを嬉しそうに取り出し、
ポイっと口のなかに放り込んで、お母さんにニッコリと笑顔を向けた。
小さな男の子のお母さんは、待ち人が時間に遅れているのか、
しきりに駅の方を気にしながら携帯に目をやっていた。
「ママ・・・」
見るからにハニカミ屋さんに見える男の子は、ぴったりとお母さんに寄り添い立っていた。
「うん。どうしたの」
お母さんは、ふと我に返ったように膝を屈め、男の子に言葉を掛けた。
「・・・アメ食べたい」
消え入りそうな小さな声で親指を口に咥えながら彼は伝えた。
「いまはアメを持っていないし、ご飯前だから少しだけ我慢しようね」
お母さんの言葉にそれ以上の思いを伝えることを彼はしなかった。
何人もの人達がエントランスの出入りをして通り過ぎていった。
それまでのもとの時間に戻ったようなその時、
お母さんと何かを話していた女の子は、ゆっくりと男の子に近づき、
「はい」と、小さな手のひらに握ったアメを男の子に差し出した。
「ママ・・・」
男の子のお母さんは、女の子に気が付き、彼女とお母さんに笑顔で微笑み頭を下げた。
お母さんは、膝を屈めて男の子に向き合い、耳元で内緒話しでもするように何かを囁いた。
「ありがとうございました」
親指を口から離して、しっかりした声と笑顔で男の子は、女の子に気持ちを伝えた。
小さな女の子の手のひらにあったアメは、小さな男の子の手のひらへと渡された。
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13:00を過ぎた寿司屋のカウンターは空いていた。
あがりを飲みながら、ほのぼのした待ち合わせの出来事を話した。
「アメは、ないけど、これならあるよ」
ジャケットのポケットから、歯磨きガムとFRISKがテーブルに置かれた。
・・・何か違うんだよなぁ・・・と思いながらも、
２人の小さな子の優しさに触れ、胸のなかは柔らかい気持ちに溢れていた。
優しさは、シェア出来る・そして、伝染をしていく。
そんな風に感じた午後だった。
笑顔の行方を見つめて
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「人間以外の動物には、親子の関係以外にこの感情は無い」のだと、何かのものの書で読んだ記憶があります（コミュニティを守るための感情・行動とは別）。
常識や理解を超えた数々の事件を見るにつけ、ひとが人であることの証明である感情・行動にDNAレベルの変化を呼び始めているのかなぁと感じたりも・・・
それでも優しさに触れると胸のなかが柔らかくなり笑顔がこぼれてしまいます。
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壁際には、小さな女の子とお母さん。
柱側には、小さな男の子とお母さん。
２組の親子がそれぞれ立っていた。
小さな女の子は、ニコニコとお母さんと楽しそうにお話しをしていた。
「ひとつだけ食べてもいい？」
「ご飯の前だからひとつだけよ」
肩から斜めに掛けたポシェットのなかから、綺麗な包み紙に包まれたアメを嬉しそうに取り出し、
ポイっと口のなかに放り込んで、お母さんにニッコリと笑顔を向けた。
小さな男の子のお母さんは、待ち人が時間に遅れているのか、
しきりに駅の方を気にしながら携帯に目をやっていた。
「ママ・・・」
見るからにハニカミ屋さんに見える男の子は、ぴったりとお母さんに寄り添い立っていた。
「うん。どうしたの」
お母さんは、ふと我に返ったように膝を屈め、男の子に言葉を掛けた。
「・・・アメ食べたい」
消え入りそうな小さな声で親指を口に咥えながら彼は伝えた。
「いまはアメを持っていないし、ご飯前だから少しだけ我慢しようね」
お母さんの言葉にそれ以上の思いを伝えることを彼はしなかった。
何人もの人達がエントランスの出入りをして通り過ぎていった。
それまでのもとの時間に戻ったようなその時、
お母さんと何かを話していた女の子は、ゆっくりと男の子に近づき、
「はい」と、小さな手のひらに握ったアメを男の子に差し出した。
「ママ・・・」
男の子のお母さんは、女の子に気が付き、彼女とお母さんに笑顔で微笑み頭を下げた。
お母さんは、膝を屈めて男の子に向き合い、耳元で内緒話しでもするように何かを囁いた。
「ありがとうございました」
親指を口から離して、しっかりした声と笑顔で男の子は、女の子に気持ちを伝えた。
小さな女の子の手のひらにあったアメは、小さな男の子の手のひらへと渡された。
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13:00を過ぎた寿司屋のカウンターは空いていた。
あがりを飲みながら、ほのぼのした待ち合わせの出来事を話した。
「アメは、ないけど、これならあるよ」
ジャケットのポケットから、歯磨きガムとFRISKがテーブルに置かれた。
・・・何か違うんだよなぁ・・・と思いながらも、
２人の小さな子の優しさに触れ、胸のなかは柔らかい気持ちに溢れていた。
優しさは、シェア出来る・そして、伝染をしていく。
そんな風に感じた午後だった。
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