大阪よりお越し頂いたメルセデスベンツS400hのお客様。
ATF圧送交換でご来店です。
ルーティンが体に染み付く位やり上げた7G-Tronicとはちょっと違う構造の為、事前にWISで作業の流れを確認。
どうしても気になるこいつの存在。
このSST、無かったら作業が出来ないのか!?
ATF圧送交換の雄として(!?)、
日々全国の整備工場さんよりお問い合わせを頂いている中で、このSクラスのハイブリッドは過去に3回、別々の整備工場さんから情報が欲しいとの依頼がありました。
しかしその時は私も作業未経験だった為、作業実績が無い事&情報も持っていないという事で情報提供は出来ませんでしたが、実は連絡を頂いていた3件の内1件は、普段から仲良くして貰っている&「四国サミット」などと称してふざけた飲み会を時々やっている香川県の「ヤマグチモーターサービス」さん!!
その後の流れで、作業自体は結果的に未実施となってしまったが、事前準備として要不要不明だけどSSTを取り寄せているという事で、早速連絡をしたら貸して貰える事に。
これで役者が揃いました。
今回は、このハイブリッド搭載車でのATF圧送交換作業の要領書を作る必要がある為、弊社スタッフさんに無理言って私が作業させてもらう事に。
フリークの精鋭サービススタッフ2人に割り込んで、時々出しゃばって来る社長・・・、嫌いにならないでね!
大阪から一泊二日でお越し頂きました。
遠方より遥々、弊社をご利用頂くためとは言え、多少の”こじつけ”もありで道後温泉旅行を計画して頂けた事と”勝手に”解釈しております。
頭が上がりません。
よく見る、あるあるレイアウト。
メルセデスベンツの整備書に従うなら、ATに大きく被っている巨大なミッションマウントは、
「トランスミッションをユニットマウント及びマウントプレートで支持し(落ちて来ない様に支え)、リアエンジンクロスメンバを取り外しましょう~!」
って事だけど、そんな事やってたらリスクだって高くなって来るし、何よりお客様への請求工賃が跳ね上がってしまうじゃないか!!
巨大なミッションマウントが脱着の邪魔をしているボルトは、実質たった1本!(軽微なものも含めるともう1本)
こういう時の創意工夫は、自分でいうのもおこがましいけれど結構得意なんです、わたし。
手持ちの工具を組み合わせてチョチョイと外します。
一部のモデル違いを除いて、殆どの7Gミッションオイルパンをこの方法で攻略しています。
問題のボルトも緩々に出来たので、ATFを排出して行きます。
比較用の瓶に採取。
SSTを使って、オイルパンに装着されているオーバーフローパイプを内側へと打ち抜きます。
これをしておかないと、オイルパン取り外し時にATFを浴びる事になりますが、この大型ミッションマウント付き車両では尚の事、絶対抜いておかないと、その日着ている服は廃棄する事になるかも知れません。
最初は約1リットル程しか抜けて来なかったATFが、オーバーフロープラグを打ち抜く事で、ドバドバ出て来ます。
余りに勢いが良いものですから少し離れて落ち着くまで観察。
写真は、落ち着きを取り戻した状態です。
通常の7Gならもう少し抜けますが、ハイブリッド車は抜けてこの位です。
真っ黒に見えますが、元々濃いめの青色をしたATFです。
そこに汚れが混じり込んでいますので、このタイプのATFは写真写りが悪いんです。
オイルパン取り外し。
設置されている磁石にはそれ相応の量の鉄粉が付着。
綺麗にしてあげます。
バルブボディも綺麗に。
新しいストレーナーと、
新しい部品たちにバトンタッチです。
今日以降はよろしくね!
オイルパンも綺麗にして、新品のガスケットなどを装着。
ストレーナーを取り付けて、オイルパン装着。
オイルパンガスケットがきちんと組付けられているか、オイルパン全周を鏡を使って確認します。
そしていよいよ、アレの出番!!!
と、その前に、マフラー一部を取り外します。
先にテストでSSTを使用せず圧送交換しようとすると、フルードは一切流れて来ませんでした。
当然ですよね。
サーモを開いたままに出来るSSTを刺し込んで、圧送交換が行えるようにします。
エンジン始動。
真ん中のクリーナーモニターにフルードがしっかりと流れて来ました。
これで良し!!
圧送交換を開始します。
1回目終了。
何となく赤みが増してきたかなぁ・・・ってレベル。
2回目終了。
明らかに赤みが増してきました。
3回目終了。
少し透明度も上がって来ました。
4回目でやっとこのレベル。
最後の最後、ダメ押しの3リットルだけ交換してみます。
良いですね!!
これでフィニッシュとします。
オーバーフローして油量調整。
そして最後、SSTを取り外した後に今一度フルード調整をする必要があります。
その辺りは「要領書」に書いておきました。
早く完成させておかねば・・・
飲んだアルコールが翌朝抜けて行くのと同時に、私の記憶は何処かへと垂れ流されて消失して行っている様なので。
あ、そうそう。
取り外したマフラーボルトには必ずスレッドコンパウンドを塗布しておき、今後の焼き付きを防いでおります。
この度は遠方よりありがとうございました。
おかげさまで、
今回作業をさせて頂いた事で、メルセデスベンツハイブリッドでの圧送交換要領書も完成します。
これがあれば、今後全国あちらこちらで圧送交換が可能になります。
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(1) フリークでは、密閉式ミッションの圧送交換が出来る様、様々なアタッチメントを製作・販売しております。メーカーから提供されていないストレーナーや、長期欠品しているストレーナーの在庫も出来る限り取り揃えています。商品一覧はこちらです → F-PETシリーズ
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愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました
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