トラブル修理-H様スズキラパン(HE21S) | フリークのブログ

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自動車の整備を、もっと身近に、もっと分かりやすく!!

「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

「交差点のど真ん中で車が止まって動かなくなった!!!」

と大慌ての電話で、私もビックリの大慌て!



地元の方は解ると思いますが、

JR松山駅から堀端に向かって突き当たった大きいT字の交差点。

そう、愛媛新聞社の交差点です。


あの交差点のでお客さまのラパンが突然止まって動かなくなったとのお電話ですあせる


お客さまと話しながら、ちょっとお待ち頂いて片方で知り合いのスズキディーラーに電話。


症状を話すとすぐに答えが汗


「恐らくISCでしょう」 との事です。


  ・・・すぐに答え出る位なんですね。


更に聞けば、同じシステムを使っている ラパン&MRワゴン などに最近ちらほらと出ている症状らしく、

アイドリングを制御できなくなり、アクセルから足を離すとエンジンも止まってしまうのです。


お客さま加入の保険会社からのレッカーサービスにて当社までレッカー移動。

さっそく修理に取り掛かりました。


抵抗値を調べていくと、コンピュータまでダメになっているという診断になりました。


そこでもっと詳しく教えて貰いたくて知り合いのスズキディーラーに電話。


どうやらISCバルブ(アイドリングを制御する部品です)がダメになり、

それが原因でコンピュータに過剰電流が流れ込み、

同時にコンピュータまでダメにしてしまうらしいのです。


共に交換するとかなりの高額の為、

ディーラーでもISCバルブのみ交換して納車した事もあるらしいのですが、

すでにコンピュータがダメになっている事がほとんどらしく、あの恐怖の症状がすぐに再発し、

結局コンピュータまで交換する羽目になるらしいです。


ディーラーではスロットルボディーアッセンで交換する例もあるらしく

そうなると費用は15万円をゆうに超えてきますあせる


原因はISCバルブとECU(コンピュータ)ですので、スロットルボディーを取り外して交換する事にしました。



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作業はリフトを使わずこのまま行えます。



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余計な部品を取り外しました。

黄色で囲んでいる部品が、スロットルボディーです。

アクセルを踏むと、この中の弁が開いて回転が上がります。



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届いた新しいISCバルブです。



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ISCバルブは、スロットルボディーの底部分に付いています。



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この部分ですね。



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左上・・・ECU(コンピュータ)

右上・・・ISCバルブ

左下・・・スロットルボディーとISCバルブの間にあるガスケット

右下・・・スロットルボディー本体の脱着の際に交換が必要となるガスケット


上記4点を交換しました。

交換の際に、冷却水が少し抜けてしまいますのでその分を補充。


エンジン始動!

今まで掛からなかったのが嘘の様に、普通に掛かってくれます(当たり前ですが)。


今回の修理代は、部品代と取り替え工賃を入れて、総額 ¥101,000- です。


ただ、症状が症状だけに、

もしかすると(絶対は言い切れませんが)リコールになる可能性があります。


後程リコールになった場合、

今回の請求書と領収書を提出頂ければ、メーカーより費用が戻ってきます。

大切に保管下さい<(_ _)>



この症状ですが、みなさん予兆を感じておられるようです。

アイドリング状態(信号待ちなどですね)で、エンジンが妙にブルブル震える、などを体感されている様ですので、

気になる事がありましたら、なるべく早めにお近くのディーラーに相談に行って下さい。


当社のお客さまの様に、往来の激しい交差点などで突然止まってしまうと、

最悪の場合、大惨事に至る事もあるかと思います。


もし、大変危険な状況で止まってしまった場合、

右足でアクセルペダルを一定状態で踏み回転を上げて、

ブレーキを左足で操作しながらでしたら車を動かす事が出来ます。


ただ、この操作を急にしても、慌てている上でのしかも不慣れな操作ゆえ、

車が急に飛び出したりなどの危険を伴います。

広くて安全な場所で、左足ブレーキを練習しておくと何かと役に立つかも知れませんよ。

 (でもそんな練習、普通しませんよねあせる


ともあれ、メーカーのなるべく早い対応を願います。


事故に至らなくてよかったです。


修理は完了致しましたので、後ほど納車の連絡をさせて頂きます<(_ _)>



整備士やプラいベーターの方に対しての余談ですが、スロットルボディー内にキャブコンを吹き付けての洗浄はやめましょう。

現在ほとんどの車にISCが取り付けられているのはご存知かと思いますが、

内部のコイルを保護しているコーティングが、このキャブコンによって溶かされ、

それが原因で故障する例が多く見受けられます。

このK6もISCはスロボディ下部ですし、他メーカーも構造上キャブコンが溜まったままになってしまうものが多く有ります。 

格言う私も、GDIが出てすぐの三菱車のスロットルボディーに大量のカーボンが蓄積しているのが気になり、安易にキャブコンを使い不調を来たさせてしてしまった事があります。

今でもスロットルボディーへのキャブコンはトラウマです。

どうしても掃除したい場合は、ウエスに少量つけて、拭き掃除をしましょう(^^)