11月の休日の過ごし方 | 酒とホラの日々。

11月の休日の過ごし方

$酒とホラの日々。-11月の庭

ひんやりと冷たい雨降りの休日。
理想の11月ライフにはもってこいの天候だ。
優しく色付いた木立を窓の向こうにして
着膨れした私は机の前でぼんやりと過ごす。
本を読むわけでもなく、テレビなどみるわけもなく
たまに近くを通り過ぎる配達の車や、小鳥の声ぐらいしか耳に入る音もない。
 
集中やまして根詰めとはまったく正反対の
緩みきった時間で、何かを行なう者としての私はほぼどこにも存在しない。
懶け、ただらけてなにも生み出さない時間かもしれない。

人によっては、なんとつまらない、退屈な、
本当にばかばかしく無駄な時間を過ごすのかと
目くじらたてる者もきっといることだろうけれど
私にとってはこんなにも何もなくて
何もないがゆえに満ち足りた時と云うものは滅多にない
得難い貴重な時期だ。
 
ひっそりとして静かな11月。
しかも騒々しい外界の活動の失せた冷たい雨降り。
こんなときだからこそ家にこもって自分の中に引き込んで、
何ものにも邪魔されない自分だけの意識だけと静かに向き合う
充実した時間を過ごすことができる。
 
ただでさえ今の世の中はあれをみろ、これを買え、これを知らないと
世の中に取り残されるぞ、というような脅迫めいたゴミのような情報が
溢れかえっているし、人の間の話題もまたそんな
広告やネットやテレビで見たゴミ情報を弄ぶことだったりして、
本当に心からの意思疎通などが成り立つことはまれなものだ。
 
静かな冷たい11月とただ一人向き合うことは
何ものにも邪魔されない自分の心と向き合うことだし
一見無為の時に見える孤独を過ごすことは
心の内奥を歩き回り、忘れていた自分自身に改めて出会う
穏やかながら再発見と驚きの充実した時間である。

あとは酒があればなお良い、というのは夕方までとっておこう・・・。