今日の地球も頼りなく | 酒とホラの日々。

今日の地球も頼りなく

酒とホラの日々。-地球

夕立の中に立って、私は
雨に打たれながら遠く雲の切れ目の空の青に
去っていく長い夏の背をみたような気がした。ようやくだ。


やがて雨足が弱まり散り散りになった雲間から差し込む夕日に輝く水の滴の、

あまりに明るいことに思わず目を細めたが、
どうしたわけかいっこうにまふしさが衰えないことを
不思議に思ったところで目が覚めた。・・む。

 

どうやら私はうだる暑さにやりきれず、昼間から寝込んでしまっていたらしい。
起きると猛烈な西日が窓から差し込んで顔を焼いていた。
まぶしいわけである。

 

夕立どころかにわか雨すら降らない夏は、いつから続いているのだろう。
まったく雨を忘れた炎天をちらと見上げて私は、
汗まみれで蚊に責められまくる庭の水やりを
今日もやらねばならないことを恨めしくおもった。
 

 

その晩、ニュースでは、古来より伝わる猛暑退散の行事
真昼のどてら踊りが復活したと伝えていた。
もっとも、踊り手たちは奮闘むなしく軽い熱中症に見舞われて
運ばれてしまったとのことである。
 
まるで公転が停止してしまったのではないかと
地球の変調を疑いたくなるほどの
夏の盛りはまだしばらく続くようだ。