テキスト入力専用携帯機ポメラ使用レポ | 酒とホラの日々。

テキスト入力専用携帯機ポメラ使用レポ

ポメラ2

ポメラを買った。
私にとってはまさに欲しかったモノ。折りたたみキーボード付きメモ機である。テキスト入力しかできない。

 

PCが小さくなったといっても機能過剰で電池の持ちや起動時間の遅さなどその鈍重さが我慢ならないときがあるし、携帯電話の入力方法の進化しないことといったら傘が何百年も進化しないことと双璧である。

 
このポメラはテキストの作成に特化した携帯デバイスであるが、軽い、起動が速い(2秒)、フルキーボードとATOKで入力が容易など、詳細についてはメーカーのページでも 参照してもらうとして、ここでは三週間ほど使用してみた感想をメモしておきたい。

 
買ったのは発売日二日目の晩なのだけれど、目指していたオレンジ色はすでに発売日初日の朝の内に売り切れてしまっていたとのこと。みんな考えることは同じというか、カジュアルな文具の延長とするとやはりポップなオレンジ色を欲しがったということなのだろうか。そこで私は白を買ったのだけれど、これがまた意外にいい感じ。全体的な質感の高さ(予想外だった)と相まって安っぽくないパール調で、黒のように指紋や手垢が付いたのが目立つこともなく、なにより机の上に置いても書類に紛れて目立たず自然にデスク環境に溶け込むのがいい。(写真参照)

 ポメラ1


キーボードはもちろん少々小さいのだけれどむかし持っていたモバイルギアだのシグマリオンなどよりずっと良い。この程度使いこなせなければモバイラーにはなれないだろう。
応答性も良い。むかし私が使っていたモバイルギアはWindowsCEで変換や入力応答性のどうしようもなくぬるい感じがつきまとっていたが、ポメラにはそんなストレスがない。
 
なにより、一番感じたのは本当にテキスト入力しかできない環境での新鮮さである。
通常私は文章を書くときはもっぱらPCを使っているが、PCは常時ネットに繋がりまたたくさんの資料を格納している。いつもは思いつくままにこれらの資料を参照しつつまたそんな環境に依存しつつ文章を書いているし、また同時にそんな環境が一つの作業への集中力を奪っていると感じることも多かった。

 
だが、このポメラはテキスト作成専用機であるから、ひたすら思いついたことを伸ばし展開して書くしかない。わき目もふらずまっすぐ突き進むしかないのである。
これは良くも悪くも使い方次第なのだが、気の散りがちな私にはとても新鮮に感じたのである。

 

納得のテキスト入力専用機ではあるけれど、もちろんこれまでのところ機能的に変更を考えて欲しいところがないわけでもない。

 
第一には現在のところ一度に一つのテキストデータしか展開表示できないので、今後同時にいくつもデータを開いて画面切り替えで、同時進行で複数データを編集参照できるようにして欲しい。
つまり文章を書くときは次から次へとアイデアが出て複数の文章のアイデアをあちこちに書き付けたいとしたら、いちいち今書いているデータを保存して別データを開いて書き込むということをしなければならないのは煩雑である、というか現実的でない。紙のメモなら別の紙を並べてそれぞれに書き込めばすむことなのである。
まとまった文章でなくとも、議事録を書きながらふと気づいてToDoリストを書いたり、スケジュールを追記したりすることはよくあることであるのだから。
 
第二には何でメディアはマイクロSDなのか?ということである。携帯電話のように極限まで小ささを追求するマシンでもないので、今にもなくしそうなマイクロSDよりもアダプターなしでPCに突っ込める普通のSDカードで十分だと思うのだけれど。
 
三つ目はATOKのことなのだけれど、これはPC用のフルスペックなATOKとは異なる機能限定型の組み込み専用のATOKである。これが何が困るかといって、会社では困らないのだけれど、私の場合、私的な文章作成の時は古語文語漢文の引用など自由気ままに書くために、古語入力が面倒なのは困るのである。

ひとり蓬窓の下に座し兀々静かに尋思す。尋思するもその初めを知らず、いずくんぞその終わりを知らん。 徒然わぶる人はいかなる心ならん、まぎるるかたなく、ただひとりあるのみこそよけれ。 直ちに万事を放下して道に向ふ時、障りなく所作無くて心身永く閑かなり、、、などと言うのもすらすら入力できないとストレスを感じるのは当然である。古語入力モードを是非付与してもらいたい。

  

まあいろいろ言いいたいこともあるけれど、私は購入後二日目にして講演会に持ち出してバリバリメモを取るのに使って成果を上げられた。ブログもいくつかはこれで書いた。

 
このポメラの利点は文庫本並の携帯性とキーボードによるインタフェース、テキスト入力に特化した応答性の良さ、それに接続性の悪さと機能限定したことによるセキュリティに対する不安の少なさである。
少なくとも今後下手にあれやこれや機能追加してこの使い勝手を殺さないようにお願いしたいものだ。
 

 

 

 


 
 


その他詳しくはITmediaの記事 、または

使用レポート を参照されたし。