「花、香る歌」見てきました

韓国映画「花、香る歌/原題：桃李花歌（ドリファガ）」도리화가を元町映画館で見てきました。
神戸の上映、始まったのが６月４日（土）からで、６月２４日（金）までの上映です。
お時間は変わることがあるのでお出かけ前にご確認ください。
ミニシアターなので、１日１回の上映で、昨日は１２時２０分からの回でした。
もぎりの時に、限定だろうと思いますが、ペ・スジちゃんとキム・ナムギル君のポストカードをもらいました。
火曜がレディースデー、水曜がメンズデーで、それぞれ１７００円のところ１１００円。
６０歳以上は年齢確認できる運転免許証などの提示でいつでも１１００円。

半分くらいの入りでしたが、女性がほとんどでした。
キム・ナムギル君のファンでいっぱいだったのでしょうね。

少し早く着いたので左側の階段から２階に上がると小さな休憩室になっていて、自販機などもありました。
お友達との待ち合わせにいいかもしれません。
元町映画館ＨＰ

神戸・元町商店街のミニシアター『元町映画館』

「miss A」のペ・スジちゃん、リュ・スンニョンさん、キム・ナムギル君主演となっていますが、キム・ナムギル君はちょいと悪役担当でした。
勿論ピダムのような素敵さはありますし、声がやはりいいです。

ペ・スジちゃん、すっぴんというよりは、黒塗りで、男装姿も多く、本当に体当たりの演技で、パンソリと呼ばれる伝統芸能も吹き替えなしだったそうですが、素晴らしかったです。

リュ・スンニョンさん、やはりうまいです。

パンソリ初の女性演者チェソン、パンソリの大家で教本なども残しているシン・ジェヒョ、「ドクターＪＩＮ」でイ・ボムスさんも演じていた興宣大院君…３人の演じた役は実在の人物だそうです。

時代背景を踏まえつつ、パンソリという伝統芸能の世界に生きる師弟愛が描かれています。
抑え気味の画面ですが、成長していくスジちゃんの唱、厳しくとも慈愛に満ちたリュ・スンニョンさん、どちらもとてもいい声で魅了されました。

韓国映画らしい作品ではありますが、えげつない部分は少なくて見やすい作品だと思います。
スジちゃん、相当練習を重ねたであろうと思います。←１年余り練習したそうです
韓流時代劇お好きなら、いっぱいウルウルできると思います。
お時間あれば見ていただきたい作品です。

大昔見た岩下志麻さんの映画「はなれ瞽女おりん」も芸に生きる瞽女さんの話でしたが、直接関係はないのですが、雪のシーンなど、美しく厳しい状況が似ていたせいか、見終わってふと、思い出しました。

☆「花、香る歌/原題：桃李花歌（ドリファガ）」
도리화가　英題 sound of a flower
２０１４（公開は２０１５年）　韓国　１０９分
監督・脚本はイ・ジョンピル監督。
「全国のど自慢」に続き２本目の作品。

ここからあらすじ…ネタバレ注意！！

時代は、高宗の父、興宣大院君（１８２０～１８９８）が出てくるので、１９世紀、李氏朝鮮末期です。
幼いチェソンは、母に手を引かれて雪の中を歩いていきます。
母は病に侵されていて知り合いの妓生の妓楼の行首（ヘンス）のチン・ヒギョンさんに娘を預けて亡くなります。
妓楼で大きくなるものの、妓生とはならず、下働きとして育ったチェソンは、町で見かけたパンソリに涙を流します。
自分の境遇に重ね合わせて感動し、やさしく声かけしてくれた親方のシン・ジェヒョ（リュ・スンニョンさん）に見たことのない父の姿を重ねたのでしょうか、パンソリの唱い手になろうと決心し、密かに親方の営むパンソリ学堂トンニチョンサ（桐里精舎）に通い、物陰から学びます。
男性だけのパンソリ社会に入ろうと精進を続け、ついに親方リュ・スンニョンさんに認めてもらいます。
掟破りなのでリュ・スンニョンさんは、お尻ぺんぺんの百叩きの刑に遭ったりするのですが、弟子のため愛情を持って育てていきます。

そんな頃、偶然無頼漢のキム・ナムギル君と知り合うリュ・スンニョンさんは意気投合して将来の夢を語り合います。

時は流れ、無頼漢から国王の父となったキム・ナムギル君は、腐敗した官僚を排斥し、身分の低い庶子も登用するなどの改革を行います。
一方キリスト教徒の迫害を行い鎖国政策を強化するなど、独裁的な様相も呈してきます。

前王の憲宗の願いでもあった景福宮再建を目指し多くの庶民を駆り出して工事を進めますが、慰労のため今で言う俳優・歌手・妓生などを呼びます。

景福宮落慶の時のイベント落城宴（ナクソンヨン）が開かれると聞いたリュ・スンニョンさんは、スジちゃんの美声と実力を認め、都への道中に連れていくことにします。

お役人のキム・テフンさんに女であることを見破られ、わずかに残ったのはソン・セビョク（有名な映画俳優さんです）さん、イ・ドンフィ（朝鮮ガンマン）君、アン・ジェホン（応答せよ１９８８）君とペ・スジちゃんちゃんという一行ですが、強い仲間意識に結ばれて練習を続けながら都に到着。

リュ・スンニョンさんは、スジちゃんを何としてもハレの日に立たせてやりたいと、昔のツテであるキム・ナムギル君のお屋敷に上訴しに行きますが、すでに多くの儒学者たちが蓆を敷いてわぁわぁと叫んでいます。
リュ・スンニョンさんはよく通る声で犬の遠吠えを…昔のいきさつを思い出したナムギル君は会ってくれるのですが、政治の世界にどっぷりとはまって、親方の意図を誤解して牢屋に放り込んでしまいます。

帰ってこない親方を心配したスジちゃんはお役所に出向くと、偶然育った妓楼の妓生一行に会い、妓生に成りすまし、ナムギル君に会うことに成功し、チャンスをもらいます。

大勢の観衆の中、ビビったスジちゃんを親方は励ましながら宴は進み、仲間の協力も得て見事優勝します。

みんなの首はつながったものの、美しく変身したスジちゃんを見初めたナムギル君、リュ・スンリョンさんにスジちゃんを置いていくように冷たく言い放ちます。

親方は立身出世は要らないからスジちゃんたちと静かに暮らしたい、と願うのですが、引き裂かれてしまいます。
その間、都で流行る「桃李花歌」の短い歌詞に親方の想いも感じられます。
お互いの想いを託した文（ラブレター）を、何通もナムギル君に燃やされて幾十年…
ナムギル君は失脚し、ようやく国元に帰ることを許してくれます。
降りしきる深い雪の中を飛ぶように戻るスジちゃん…とても美しいシーンで終わります。

★チン・チェソン（陳彩仙　１８４７～?)…ペ・スジちゃん