おかめ流 野犬の慣らし | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ


捕獲器のなかは狭い。
向かい合わせにしても、狭すぎる。



犬もなかで排泄するのはいや。犬はきれい好き。


常総シェルターには現在8匹の野犬がいます。

狭いから、犬どうしの噛み合いが起こらないように、係留には間をあけて、しかもチェーンがからまないように、神経を使いながら管理している。

あーちゃんとスマイルさん、のぐちゃん、ラッキーさん、皆さんの知識と経験の、それから、愛情のおかげ。
ドンドン進化している常総シェルターです。

野犬ですから、繋がれたことがありません。

首輪に慣れて人と散歩ができるようになるまでか、
犬にも人にもつらい。
排泄の片付け。

ジェニファーさんと、さぶとニコ。


野犬の慣らしが進み、外に出して散歩ができるようになると、お互いに楽になり、犬も人にぐんと心を開くみたいです。

最初は、捕獲器の外に出すのも、かなりの緊張。犬も、こちらも。

でも先に進まねば。
足も萎えるし。

まず一歩。
こわいよね。

草むらから動かない。

こわいよね。そりゃそうだ、いきなりつかまり手術だもの。

人間いやだね。
痛かったね。




犬の性格によるけれど、怖がりな子には、
無理にはしないように、呼吸を合わせる。
リード引っ張らないで、犬に合わせる。

犬が走ればこちらも走る。首をゆるめてあげるように。

向かわない。横か背中向ける。

空や草を見る。神経を犬からずらす。

ななみ。ななちゃん。つまりNo.7の犬。

いいにおいがする。


大丈夫でしょう。
ほら、外におしっこしよ。


あら、すっきりしたね。


またお散歩しようね。


やはりいっしょにいる時間が長くないと信頼してもらえない。

でもあるときは踏み込んでいかないと、次のステップが進まない。

強気な犬には、ぐいっとやったら、次にもっと距離が縮まる。

ハラスがそうだったし。
ジョーも。

でも犬によるかな。

栃木のマスターさんや、土浦の野犬の慣らしで、また引きこもり支援をされるあさいろのくもさんや、おおつかさんの姿から、慣らしの道をさぐりながら、テレパシーを使って(笑)、犬にイメージを与えながら、試行錯誤です。

まったく、自己流にもほどがあるよ、
プロに笑われちゃうよ。



むつみ。No.6。






11月12日に初めてお散歩。

人間といっしょに歩く、初めての試み。

野犬から飼い犬に移行するための、訓練。


最初は緊張していたけれど、
どたん、ばたん、逃げたくて暴れるけれど、
少しずつ、捕獲器の外に出し、トイレをさせる。



10m、50m、だんだん距離を延ばして。

19日には3回目、ゆっくり歩けるようになった。



草のにおいをかいで。

ほら、大丈夫だよ。



むつ。顔が黒い、可愛い女のこの犬です。

自分も横にしゃがんで、ゆったりする。
たのしいやさしいこと頭に浮かべる。

唱えるのは、これまで関わりを持った犬猫たちの名前。
みんなが集まるイメージ。


いつも物陰から牛の視線。

よりちゃん、No.4。






もう薄暗くなってくる。

4匹の散歩を慣らしながらじっくりやると、掃除やごはんもあり、ひとりだと四時間はかかります。

可愛いよりちゃん、大分慣れた。すいすい畑の奥まで歩くよ。

ちょっと笑顔になってきた。
よりちゃん、確実に内面が変わってきた!






最後はNo.5のいつみちゃん。
からだが大きく、力持ち。

まだ人がこわいね。


でも、もう排泄を外で行おうとする。
グッドよ、ワンツーワンツー、
よしよし、とたくさん誉める。



もう真っ暗だよ、からすも帰るころ。
いっしょに空を舞う鳥を見上げる。

心の交流。

牛も見てる、私たちのこと、いつも草の陰から。さびしいんだ。ひとり、最後に残った放れ牛。



さあ、もうすぐパッパの時間になる。

おなかすいた?

みんな、待ってる。

こんな、牛舎の跡地でも、犬たちにとっての臨時マイホーム。

ここでステップ踏んで、野犬は飼い犬になるんだ。

暗闇のなかで、ごはんと、捕獲器のそうじと、洗い物と、記録。

さぶ。

おやすみ。

おやすみ、みんな。




それからパトロール。







捕獲器の仕掛け。

みんなを助けたい、一匹も残さずに助けたい、
ハラスの姉妹を、
ハヤトの父親を、さぶの兄貴を。

ここまできたんだからなあ。


By おかめ