CAPINの富岡救援隊の給餌活動の中で、
福島・楢葉から保護されてきた猫のふうちゃん。
(病院でカイコウメさんに頭突きスリスリしていたふうちゃん)
保護直後は元気そうだったふうちゃんが、
どんどん具合が悪くなり、肝臓、腎臓、さらには、FIPではないかと言われる中、
精一杯がんばりましたが、昨日、お空へ旅立ちました。
今日夕方、シェルターにて移動火葬でお見送りをしました。
たくさんのボランティアさんが集まって下さいました。
臓器を取り除いたため時間がかかりました。
終わったときは真っ暗でしたがみんなで骨を拾い、小さな骨壺に納めました。
ふうちゃんを預かってくれていたカイコウメさん、gakuくんがお花を持ってきてくれました。
お見送りの詳しい様子は、
シェルター長ともちゃんと、ボランティアさんのスマイルさんの記事をご覧ください。
ふぅちゃん虹の橋へ>>>
ふーちゃん 頑張ったね!>>>
ふうちゃんを見送ってくださった皆様、
遠くからふうちゃんに祈りを捧げてくださった皆様、
ふうちゃんのために涙を流してくださった皆様、
心から、ありがとうございました。
以下、ふうちゃんの死因と思われる殺鼠剤と対策について記載しています。
情報共有のため詳細に記載していますので、
長文になりますがご了承ください。
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ふうちゃんの死因について:
獣医師から開腹をした結果、以下の説明を受けました。
・肝臓の周囲に血の混じった腹水がみられた。
・肝臓の膜がやぶれ、そこから出血していた。
貧血や白血球の数値の高い原因はこれだろう。
・FIPではない。
・強い衝撃を受けて、肝臓が損傷し て膜が破れたのだろう。
衝撃は、楢葉時代に受けたのだろう。
・おしっこが出ていないというので膀胱に損傷があるかとみてみたが、膀胱はやぶれていなかった。
・腎不全というのは、消化器系のほかの臓器に不具合があっても、まず腎不全という形で現れることが多い。
腎不全で病院に来たら、別の臓器が悪かったことがわかった、など。
受けた説明を、もう1つのかかりつけの動物病院さんにもご報告しました。
すると、思わぬ情報を下さったのです。
・交通事故や転落などのショックを受ければ、もっと派手な結果となっている。
・外からの衝撃とは考えにくい。
・ふうちゃんの場合、6日には血液検査の結果はそれほど異常はなく、
徐々に進 行し、12日(金)に食欲不振で運ばれたときにはとほうもなく腎臓の数値があがっており、貧血が進行していた。そして、悪化して亡くなった。
・殺鼠剤(クマリン?)を食べたら同じような症状が出る。
臓器の内出血により、あっという間に死亡するが、見た目は病死に見える。
もし殺鼠剤を食べたとしたら、すべて説明がつく。
殺鼠剤は、血液を凝固させる物質の合成を強力に押さえることにより出血死させます。
ふうちゃんの肝臓は大きな傷が無かったにもかかわらず出血しており、
殺鼠剤による出血傾向で亡くなったと考えられるとのこと。
また殺鼠剤は腎不全も起こすそうです。
ふうちゃんが毒物で亡くなったのなら、それが何であるか何とかして特定したい。
ふうちゃんと同じことの繰り返しで亡くなる子を1匹でも減らしたい。
そんな思いで、ふうちゃんの組織や血液、腹水など組織を病理検査に出すことになりました。
クマリンであるとわかれば、浪江町に対して 猫被害防止の要望書を提出することもできます。
鶴田代表は、ネズミ駆除業者と楢葉町役場にすぐに連絡をしました。
業者の対応は、町に話して下さいとのこと。
役場からは以下の回答をいただいたそうです。
今日(17日)から殺鼠剤の配布が始まったところ。町では来週から設置スタート。
6日の捕獲ですでに食べているなら、(ふーちゃんは)町でなく個人が設置した毒を食べたのだろう。
今回は即効性のあるものではなく、徐々に効いてくるタイプ。
ベイトボックスを通って最終的に蓄積され、徐々にねずみは弱っていく。
町内のねずみ被害に対応しなければならず、駆除をやらないわけにはいかない。
複数のボラが管理していた地域猫のふうちゃんの死亡と獣医師の見解、死因調査を
始めることを話したら、
マニュアルに、猫への配慮をするような記述を含めるよう、うえの人にも話します、
とのお返事でした。
町でやればベイトボックス(ネズミだけが入れる直径5センチ=子猫も入れないくらいの通路付えさ箱)を使うので猫への被害はないが、
個人がやれば、猫がやられることになる。
町主導でやらせてもらうことにもメリットがあるとお考え下さい、とのお話しでした。
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もし殺鼠剤を食べてしまった場合:ビタミンKが有効
殺鼠剤に効くものにビタミンKがあるそうです。
疑いがある場合すぐこのビタミンを打つように呼びかけたいです。
経口、24時間ごと、5日から6週。缶詰め(脂肪含む)と一緒に与えると生体内利用率が強化。 第二世代抗凝固系殺鼠剤中毒には3~4週継続。
(獣医師の意見)
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ふうちゃんは、不思議な子でした。
私を含め、実際に会ったことのない人たちの心もつかんで、
なぜか愛してしまう、そんな子でした。
ふうちゃんに会うことを楽しみにしていました。
みんなが、ふっくらふうちゃんになってもらうのを楽しみにしていました。
そして苦労した日々の分まで、幸せになってもらうことを、楽しみにしていたのです。
でも、ふうちゃんは行ってしまいました。
「慣れることのない別れの辛さは、
過ごした時間の長さとは関係ないことを初めて知りました」
お預かりしてくれていた、カイコウメさんの言葉です。
nekonekoさんは、ふうちゃんのお骨を、故郷の楢葉に還してくれるそうです。
原発で取り残されたふうちゃんが、いまだ人の戻る事が困難な地で、
殺鼠剤によって幸せの一歩手前で旅立たなければならなかったとしたら、
ふうちゃんは何重の人災によってこの世を去ったのでしょうか。
ふうちゃん。ごめんなさい。
福島には、日本には、あとどれだけのふうちゃんがいるのでしょうか。
by ドラメイ