今年も昨年に引き続き、参加しました。
がん患者学会の目的は、全国のがん患者団体が集まり交流を深めつつ、現在のがん医療やがん対策の課題について学び、患者団体が取り組むべきことについて議論すること。
今年感じたことは、がん患者や家族の要望を国へ伝えることの大切さを改めて感じました。
会の中で、各地の全国がん患者団体連合会加盟団体と賛同患者団体で「がん対策基本法改正案の国会審議に関する緊急記者会見」が開かれ、
全がん蓮の天野代表理事を始めとし、患者会の仲間の方々でがん患者の命に関わるがん対策基本法改正案を、国会や政治の取り引きや駆け引きの道具とせず、早期に成立するよう求めました。
私は患者会を命がけで運営している先輩方のそばで、自分のできることはなんなんだろうかを考えることしか、できていない不甲斐なさを感じながら、
アドボケイト活動がよりよい社会を作るために必要な活動と肌で感じさせて頂けることに感謝します。
日頃、みなさんが恩恵を得ている社会保障制度も、勝手に国が決めてできあがっているわけではありません。
例えば、高額療養費給付制度は2012年4月までは入院のみ使える制度でしたが、以降は外来でも1カ月の窓口負担が患者の自己負担限度を越えた場合は、その超えた医療費を支払わなくてもよいか、あとから戻ってくる制度に改定されたんです。
それまで外来では、高額な医療費がかかったら、一回支払い、2~3カ月後に、自己負担限度額を超えた分が公的保険から戻る仕組みでした。
2012年4月からは、入院だけではなく、例えば外来での高額な抗がん剤治療でも「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提出しておけば、支払いは自己負担限度額の範囲内で済むようになったんですよ。
今では、がんだけではなく、たくさんの方々の役に立っているこの制度も、治療を続けて命を守るために、毎月の治療費で苦しい想いをしてきた仲間の声を患者会の方々が訴え、働きかけて、厚生労働省が動き、改定になってきています。
私達が、与えられている日本が誇る、国民皆保険の環境は当たり前ではないのです。
命をかけて闘って旅立った先人の方々、
よりよい社会を作ろうと命がけで訴えてきた患者の方々の魂の叫びが国をも変えていくんです。
本日も衆議院厚生労働委員会で『がん対策基本法改正案』は原案の通り可決されたと患者会のかたのSNSで知りました。
これから本会議で審議などあるようですが、国会成立に向け、動いていることは間違いありません。
行動は力。
本気で取り組むことにより社会はよりよく変革できるんだということを目の当たりにしています。
私達は日頃の身近なことだけではなく、自分が与えられている環境について考え、自分ができることをして、社会を作っていく一員であることを考えていきたいですね。
今回の可決でご尽力いただいた患者会の方々、議員の方々、感謝いたします。
そしていつもありがとうございます。