こないだ、ふとキャンサーコネクトの創業時をふと思い出したことがあった。
それは、SNSを見ていて、ご自身の病気のことを書いている投稿のコメントを見てのこと。
・絶対大丈夫!すぐ治るよ!
・○○ちゃんなら乗り越えられる!
・○○ちゃん、頑張って!必ず治るよ!
元気つけたり、応援することは、
日常生活においてはいいことだと思います。
良い思考がとても大切なのは理解をしています。
ただ、がん患者・家族の支援に関しては、やはりすべて元気づけたり、応援が良いわけではないとおもいます。
昔、ある外資系の生命保険のセールスパーソンの講演を聴いて、私はお客様と話をして、気持ちよくなってもらい、応援をするのが仕事です。
と話をしていました。
当時、とても素晴らしいなと思い、流石、外資系のトップセールスマンはホスピタリティが違うな!
とリッツカールトンみたいなホスピタリティを目指しているといっていたのを覚えています。
キャンサーコネクトは、当時、日本でも有数な在宅ホスピスに勤めている男性看護士と立ち上げました。その当時、お客様ががんになられた保険営業の方、がんになった方などから相談があり、その対応を間近でみていて当時、感じたことがありました。
彼は
良かったですね、体調がよくなって。
良かったですね、食欲が出てきて。
など心遣いはしても、決して、大丈夫、きっと治りますなどの言葉は決して使っていませんでした。
当時、私が浅はかでしたので正直、冷たいなー。
もっと元気つけてあげればいいのになーと思っていました。
でも、もしかすると冷たかったのは私の方だったと今はおもいます。彼が勤める在宅ホスピスでは毎日のように患者さんを見送り、その患者さんや家族と最後まで寄り添っています。私はパリアティプケアやスピリチャルペインの言葉すらわからず、緩和ケア、ホスピスの違い、もわかっていませんでした。
人が死というものを感じたり、考えたりするということが今まで非現実であり、そのような環境にいませんでした。
ある時、また違うある優秀な営業マンのSNSを見ていると、がんで闘病中の患者さんにお見舞いをしに行き、元気づけたり、応援したりした内容でした。
数ヶ月後、その闘病中の方はお空に行かれたのですが、その時のSNSには元気づけたり、応援したりしかできなかった。。。悔しい。。。
その患者家族からも、○○さんは本当に良くやってくれました。ありがとうございますと言われたことが書いてありました。
私は、この時、モヤモヤした気持ちが収まらなかったんです。
昔、私の転職した際の師である外資の保険会社出身のコンサルタントからおそわったことがあります。その出身の保険会社には、
”すべては顧客のために”
”.Final 3feet”(顧客との大切な距離感)
という言葉がある。素晴らしい考えだと思いました。
寄り添うことは、とても大切です。患者さんや家族により関わり方に正解はないかもしれません。
私は、
セールスとサービスの違いを良く考えます。
セールスは徹底的に顧客の願望を共有し、願望実現のサポートすることで対価を得る活動。
サービスは、奉仕であり、もてなしであり、ビジネスの生産活動以外のことも必要になる活動。
ビジネスはセールスとサービスの一対。
私も、”Final 3feet”という言葉が大好きで大切にしています。
決して踏み込めない大切な距離、
その距離があることでプロでいられる。
私はお客様が生きてるとき、最後の時に役に立ちたい。まだまだ道が長く、わからないことが多いですが。
だからこそ、学び続けているんですよね。
海外セカンドオピニオンのサポートの日本窓口などをさせて頂き、患者さんの相談を受けることが昔に比べて多くなりました。
時には、藤田さん、もっと生きたいんです。
というような、心が締め付けられるようなことも言われます。
そんな中、今は、決して、安易な言葉はかけることはできません。もちろん希望は一緒にもち、最大限、できることはサポートさせていただいています。
創業時、パートナーに気づかさせて頂いた、命のこと、寄り添う心を見せてくれたこと。
今でも、感謝しています。