ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独) | 映画とcoffee、ときどき妄想

映画とcoffee、ときどき妄想

     ≪そろそろ映画館に行きたい・・・・≫ 

監督:ジム・ジャームッシュ
製作:サラ・ドライヴァー
製作総指揮:オトー・グローケンバーガー
脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:トム・ディチロ
音楽:ジョン・ルーリー
出演:ジョン・ルーリー/エスター・バリント/リチャード・エドソン/セシリア・スターク

ニューヨーク大で映画を学び、卒業後、ドイツの映画監督らのもとで助手として働いたジャームッシュの独立後の最初の監督作品。
365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)
評価★★★☆☆

--------------------------------------------------------
[STORY]
ウィリーはニューヨークに10年住んでいる。ハンガリー出身で本名はベラ・モルナー。ある日彼のもとに、クリーブランドに住むおばさんから、16歳のいとこエヴァがアメリカでの新しい生活を始めるべくブタペストから来るが、自分が急に入院することになってしまった為、10日間ほど預かってほしいという電話がかかってくる……。

[IMPRESSION]ネタバレ注意!

こんな何も起こらない映画、なかなか出会いませんな(笑)
この映画の凄いところです(笑)
な~~~んにも起こらない。
3人の男女の混沌とした日常生活を永遠と1シーン1カットで撮り続けた作品です(笑)

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

ウィリーの元にやってきた従妹のエヴァ。
最初は彼女をうっとおしく思うウィリーだったが、次第に彼女が気になり始める。
これは恋心とかそーいう物ではない、ハンガリーからの移民である彼らの絆とか、そういうものであろう。
ウィリーは彼女にドレスを買ってやるが、彼女はダサいと言う。

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

淡々と10日間、何もせずに時間だけが過ぎていく2人の生活。
そしてエヴァはクリーブランドのおばさんの元へ行ってしまった。

もう一人の登場人物は、ウィリーの連れのエディー。
ウィリーとエディーはいつも賭博をして金儲けをしている。

ある日、いつものように賭博で稼いだ金で、エヴァが暮らすクリーブランドへ突然行く事に決める。
車をレンタルし、おばさんの家を訪ねる。
おばさんから、彼女がバイトに行ってる事を聞き、バイト先に迎えに行く二人。

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

突然の訪問でも喜ぶエヴァ。
3人でおばさんの家に戻り、2~3日お世話になることに。

しかし、ここへ来ても何も起こらない。
何もすることがない。
そんな時、エヴァの友達が彼女を映画に誘って来たため、ウィリーとエディーも一緒に映画を見に行くことに。

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

しかし何も起こらない。
彼らはフロリダへ発つことに決める。
エヴァも連れて。

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

そして3人でフロリダのモーテルに泊まるが、ここでも何も起こらず。

ある日の朝、エヴァが起きると、ウィリーとエディーが部屋にいない。
ただ一人、モーテルに残され、何もせずにただ時間だけが過ぎて行く。

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

そこに2人が険悪な雰囲気で戻ってくる。
ドッグレースでほとんどの金をスッたらしい・・・・。
残った金で今度はウマをやろう!とのことで、また出かけて行く2人。

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

残されたエヴァはギフトショップへふらっと出かけ、そこで帽子を一つ購入する。
その帽子をかぶってフラフラ歩いていると、ジャンキーからヤクの売人に間違えられ、大金を手に入れる。

その大金をモーテルに持ち帰り、いくらかをモーテルに残して書き置きをして空港へ向かったエヴァ。

モーテルに戻った二人は、慌てて空港へ追いかけて行く。

エヴァはブタベスト行きの飛行機のチケットを購入。
それを知ったウィリーは、彼女を連れ戻すために、とりあえず同じチケットを購入して搭乗口へ向かう。

エディーは一人、車で待っている。

するとウェリーを乗せた飛行機が飛び立ってしまう。
その様子を見ていたエディーは車で帰って行く。

365日中、50日は映画館!-ストレンジャー・ザン・パラダイス ~84(米・西独)

しばらくして、フロリダのモーテルにエヴァが現れる。
飛行機には乗って居なかったのだ。

何も起こらない映画の最後が、3人のすれ違い(笑)
交わる事のない3人の若者の人生を、ただ淡々とモノクロームで表現。
ジャームッシュお得意のニヒリズム。
野心も向上心も夢もない彼らの混沌とした世界を描いた90分。

見る前に何の情報も無しに、この作品を見たワタシにとっては、やや退屈だったかも(笑)
ジャームッシュ作品に、『何かが起こるかも?』という期待すら無意味なんだけどね(笑)