三軒茶屋の昭和女子大人見記念講堂で、小澤竹俊氏の

[いのち」に関する講演がありました。


氏は40代後半。この17年間は在宅医療に取り組んで

こられたそうです。


ホスピスは、最後、もう命が終わるという事を受け入れた人の

為のものと思われているし、現実なのですが、本来は

「まだ死にたくないんだ、死など受け入れたくないんだ」と

あがく人をも受け入れるべきなのでしょう。

というお話がありました。


人は苦しみの中にあっても人や自分を傷つけないで

いることなど出来るものなのでしょうか。


その答えは終末医療のスピリチュアルケアの中にあると

言われました。


1番目:将来の夢があること。

     

     病が治ったら家族と旅行したい。

     職場に復帰したい等の夢はもちろんですが、

     夢はなにもこの地上とは限らず、

     亡くなったあの優しいおじいさんに、死んだら会える、

     亡くなった戦友の分もと、一生懸命に生きてきたが、

     あの世 では死んだ戦友にお礼を言いたい。

   

     これなどは、死をも超えた将来の夢である。



2番目:支えとなる関係があること。


    自分の事を認めてくれる他者がいること。

    (人に限らず動物、自然など人を超えた存在も入る)


    手を伸ばせばあなたがいる、という存在があり

    一緒に笑う、涙を流す、聞いてくれる人がいる。


3番目:自分で決める自由があること。


   食事のメニューを選ぶ事が出来る。

   職業を選ぶ事が出来る。

   好きな人と結婚することが出来る。


   しかし、人は次第に歩けなくなる。

   一人でお風呂に入れなくなる。

   立てなくなる。

   でも どのヘルパーさんにお願いするとか、

   支えになってくれる人を選ぶことは出来る。

   排泄方法も、その場でする、

   トイレまで連れて行ってもらう、など選ぶ事が出来る。


 でも、だんだんと、~ができる。ということから、

 ~にゆだねる。手放す。という方向に移っていく。


 自分で決めてきた様々な大事な事を、信頼できる人

 (家族、ヘルパーさんなど)にゆだねるという、

 そうした支えになるものを持つ時、人は苦しみの中

 でも生きる力を持ち続ける事が出来るのです。


 苦は残り続け、完全に抜くことは出来ないが

 人は支えによって生きられる。

 あなたもきっと誰かの支えを受け、

 誰かの支えになっているはず。


 目に見えない支え。

 宗教も穏やかさを持ち、神や仏との繋がりを

 もつ事ができる。


 苦しみの体験が一人一人違うのと同じで、

 一人ひとりの支えは異なります。

 あなたの支えは何でしょう?


 

 いつも感覚で生きてきていますが、たまにこうした

 講演を聞くと自分の考えを新たに発見できる良い

 きっかけになります。   


 



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