わたしの病気はなんですか?@癌と闘うニューハーフの話 | 美容レンジャー★ニューハーフゆうか★

わたしの病気はなんですか?@癌と闘うニューハーフの話

「わたしの病気はなんですか?」とレントゲン技師に聞いている車いすの老婦人



今朝、看護師さんがわたしの病室にやってきて
「レントゲンの検査があるので準備できたらレントゲン室までいってください。」
と言われた。






準備も何も、身体一つでいったらいいのでとりあえず顔だけ洗って1階にあるレントゲン室にいき受付を済ませて待っていた。

その時わたしの横を車いすをおされた老婦人がすり抜けるようにレントゲン室に入ろうとしていた。

「○○○番の方」

と呼ばれて車いすを押していた看護師の方が老婦人の代わりに返事をした。
「はい!」

「こちらにどうぞ。」


レントゲン室の待合室では普通の光景。


「まって…」
老婦人は不安げな小さい声でレントゲン技師に話しかけた。


「わたしの病気はなんですか?」


「病気のことは先生からお話があると思いますよ。」


さぞかし不安だったに違いない。
昔からのドラマの設定で「ご家族の方に話があります。」といえば、もうほとんどの場合が不治の病…しかもだいたいがという設定になっている。
おそらく、この老婦人も病名を告げられることなく、レントゲンの検査に行ってください…と言われてここに来ているのだと思う。
病名を知るため、と言うかどのような病気になっているのかを調べるのが検査なのだが、婦人には、先生から「レントゲンを撮って診ましょうか?」と言われたことで、間違いなく自分は癌に違いないと思っている。

先生の言葉でナーバスになるのは若い人より老人が多いのではないかとおもう。
先生の言葉はぜったーい!であるが故に「レントゲンを撮って調べてみましょう。」なんていわれたら頭の中に聴いたこともないようなクラシック音楽がながれ、ご主人の顔が浮かび、助けを求める祈りを何度も何度もしていたに違いない。

わたしはその結果をしらない。






が…
結果が出るまでの恐ろしく長い時間を理解することはできる。
わたしの場合、レントゲンは何度もとっていたのですが、カメラをいれて写真を撮りその腫瘍の大きさや色を診たとき、すでに自分の中では結果はでていた。
それでも生険の結果が帰ってくるまでは一部の望みを持ちたいとおもいつつ、ずっと結果がでなければいいのに…でも早く知りたい。


頭の中が混乱し…



わたしの家族は老いた母しかいない。
先生も母に告知して、わたしに告知するかどうかを聞くようなことはしないだろうと思っていたが、やはり直接の告知を受けた。



癌です…と。





今朝会った老婦人は大事ない病気であればいいのにと思う反面、もし家族に決断が必要な病気であったときには家族で苦しみや辛さをわかちあえることができるのか?
倍増させてしまわないように祈りたい。

患者と一緒に悲しんであげることも大事。
もっと大切なのは一緒に闘っていける事を患者さんにわかってもらうこと。


頂上の見えない山を一人でのぼるのは本当につらい、けど一緒に上ってくれる人がいるとどれほど安らぎをおぼえることか。




あの不安げな顔が安堵の顔で今夜も眠りについたことを祈ります。



=和央ゆうか=



とぉ-!!!



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