ドラクエ1冒険日記(14)最終話 | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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かいんはまた竜王の城へと潜り込み、
そして3本目の呪いのベルトを手に入れた。
喜んで、またベルトを装備するかいん。
本来なら、これが4本目のはずなのに、
くそジジイめ!呪い解いたドサクサで1本盗みやがって!
と、喜びながら罵倒もした。

そうこうしているうちに、レベルも19になり、
ついに真の勇者たるに値する呪文、ベギラマを覚えた。
わはは!どうだ、死神!
俺は、何もかもお前を超えた!
お前なんかが真の勇者なわけないだろう!
次に会ったが最後、
お前は跡形も残らないだろう!
そう言っているかいんに向かってきたのは、
死神の騎士ではなくダースドラゴンだった。
そして、即死呪文のラリホーを唱えた。

城に戻されたかいんは舌打ちする。
くそ。
またラダトームか。
しかし、ベギラマを覚えた俺には、
もはや竜王さえも小者にしか見えない。
鋼をも砕くロトの剣で砕けなかったお前の体を
ベギラマで撃ち貫いてやる!
と、豪語するかいんは、
まだ自分のベギラマの威力を見たことがない。


竜王は、
また同じ位置で、
またレッドスネークの杖を持って、
また魔法使いのような姿で待っていた。
そして、またこう言った。
「仲間になるか?」

なるわけないだろう!
と、かいんに斬りつけられ、
効かないと薄々わかりつつも、
申し訳程度にマホトーンを使い、
かいんが後ほど使おうと大事に温めておいたベギラマを
先にかいんに見舞った。
フン。
いいさ。
俺のベギラマはまだ温存だ。
さあ、早く正体を現しやがれ!
かいんが思うのとほぼ同時に、
竜王は正体を現した。
出てきたな!竜王!
出したな!本性!
お前の箱庭は、
今、ここでお前の手から離れるのだ!

かいんは、
まだ1度も使ったことのない、
この戦いだけのための呪文であるベギラマを
意気揚々と唱えた。
しかし、
くたばれ!竜王!
と、言って唱えたベギラマが、
実際に竜王をくたばらせるときは来なかった。
9回唱えても、1度も竜王の肌を焦がすできず、
かいんは、また、
何もできないままラダトーム送りへとなった。


くそー!
なんでだ!?
俺はいったい何のためにベギラマを覚えたんだ!?
もっと唱えれば、
たまには効くのか?
そして、効いたときには、
1撃で竜王を沈められるのか?
わからない。
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
しかし、もっと唱えるとしても、
俺には、それほどの魔法力はもう残っていない。
かいんのMPは、今0となっている。
宿に泊まると、115まで回復した。
ベホイミがMP10、ベギラマが5、
7ベホイミ+9ベギラマ=115、
くそ、ジャストじゃないか!
MPを1も使わずに竜王まで辿り着いたというのに、
すべての魔法力を使っても、
なお竜王を倒すには届かないのか!

ベギラマじゃダメだ!
次の策を考えないといけない。
しかし、
こう何回も戦いに向かっても、
竜王は俺の息の根を止めずに、
生かし続けているところを見ると、
よほど俺のチカラがほしいのだろう。
なるほど。
ならば、こちらにも考えがある。
お前の、その心の隙を突いてやる!


かいんは、
また竜王に会いに行き、
今度は味方になる、と言った。
ふふふ、どうだ、竜王?と、ほくそ笑むかいん。
俺のチカラが欲しいばかりに、
お前は決して俺を殺せない。
絶対に死なない俺と、
死ぬかもしれないお前と、
果たして、追い詰められているのはどっちかな?
そして、
その、どうしても味方にしたい俺が、
味方になろうと言っているのだ。
お前がそれを拒否する理由はないだろう?
さあ、俺を受け入れろ!
そして、背中を見せろ!

と、考えているのが見え見えだったようで、
「本当か?」といぶかしむ竜王。
笑いが止まらなかったかいんは、
本当なわけないだろう!バカめ!
と、竜王に跳びかかった。
怒りの竜王は、また正体を現した。
そして、
むしろ、かいんが身構えるより早く襲いかかって来た。
不意打ちをしたはずのかいんは、
逆に先に攻撃をされて、
泡を食って、逃げ出した。

逃げ切れないかとも思ったが、
竜王は玉座から動かず、かいんを追うこともせず、
かいんは、一度は竜王を振り切った。

そして、態勢を立て直してまた攻撃をしようとすると、
竜王も、その間に、態勢を立て直していたようで、
また、レッドスネーク型に戻っていた。
もう一度やってきたかいんに、
そろそろその気になったか?
と、言わんばかりに、同じ質問を繰り返した。

誰がなるかー!
何回聞かれても「いいえ」に決まっている!
さっき「はい」と言ったけど、
それは不意打ちのための作戦で、
俺がお前に協力することなどない!
と、言って戦端を開いたはいいものの、
かいんは、さっきので味を占めたように、
形成不利になったら、
一目散に逃げ出した。
ふん。
どうせ玉座から離れないんだろ。
逃げる俺を追うことなどできまい!

そんなことはなかった。
かいんの逃げる方向に、サッと回り込む竜王。
人型のときは、ちゃんと人的な動きをするらしい。
竜王の研ぎ澄まされたディフェンスを前に、
かいんは、結局、それを突破することができずに、
今度は、正体を現す前に倒れてしまった。


また、ラダトームから歩いて来るかいん。
洞窟に潜ると、
何度でも竜王が待ち構えている。
いつでもどうぞ、と言わんばかり。
竜王は、
招待の意を表しながら、正体を現した。

今度は剣で勝負だ!
と、かいんは剣とベホイミで戦った。
どうせ俺は死なない身。
この戦いは、正義の戦いなんかじゃない。
竜王による、
単なる俺の力試しだ。
どうしても勝てないと悟らせて屈服させ、
俺を味方に引き入れるための戦いだ。
ならば、
俺のほうもお前を試してやる。
どこまで涼しい顔でいられるかな?

かいんの剣は、
竜王の皮膚に6や7ほどのダメージを与える。
一方で、竜王の炎は、
かいんに45ほどのダメージをいつも与える。
ベホイミで回復はしているものの、
かいんが使えるベホイミの回数は11回。
それが尽きるまでに、
竜王の体を貫かなければならない。

かいんは、2ターンに1度の割合でベホイミを唱え、
11度のベホイミを経て、
22ターン後には、勝敗が決する、という計算。
もちろん、その計算は、
かいんが負ける上での計算。
11回の攻撃では、70ほどのダメージしか与えられない。


かいんのチャレンジは続いた。
あるときは17回斬り付けることに成功し、
112ものダメージを与えた。
またあるときは15回の攻撃しかできず、
86しか与えられないときもあった。
しかし、
まだまだ竜王が屈するときは来ない。


くそ!
俺は何をしにこんなところまで何回も来ているんだ!
作戦だ!作戦を考えるんだ!
何が足りない?
攻撃力か、守備力か、体力か、回復力か。
いや、違う。
ターンが足りないんだ。
どれだけ多くのターンを攻撃に使えるか、が、
勝負の分かれ目だ!

かいんは、サッと計算した。
俺のHPは今130。
竜王の攻撃に2回は耐えれるだろう。
3回は耐えれないかもしれない。
耐えられるかもしれない。
一方でMPは115。
ベホイミは11回だ。
ベホイミ11回で、
どれだけ攻撃のターンを回せるか、が、
俺が勝つために必要な戦略だ。

かいんが最初に考えたのは、
竜王が招待の意を表すときには、
HPが全快でなければならないということ。
でなければ、
早々にベホイミを使わねばならぬことになり、
1ターンが失われてしまう。
そこで考えたのが、
レッドスネークで余裕を見せている間に、
薬草を食べて全快になっておこうという作戦。
竜王は、どうしてもかいんの呪文を封じたいらしく、
ベギラマに混ぜてマホトーンを仕掛けてくる。
ロトの加護を受けているかいんは、
その間なにを気にするでもなく、
薬草を食べることができる。
ベギラマが来たときは待ち、だ。
薬草で凌ぐんだ。
マホトーンが来たときだけ攻撃して、
そして、全快の状態で正体を暴いてやる!

その作戦は上手くいった。
無傷で洞窟に潜り、
無傷で本性を暴くところまでは来ている。
しかし、
それでもなお、巨竜を沈めることができない。

果たして、
今の俺に、竜王を倒すチカラがあるのか?
と、疑問にも思った。
もはや、仲間として手を組んだ方がよいのではないか。
そう思ったりもした。
竜王はここまで考えていたのか。
くそ。
計画に一片の狂いもない。

しかし、
かいんも、ここで引き下がるわけにもいかない。
今まで俺は、
竜王をどこまで追いつめていたのかわからないでいた。
そして、今でもわからない。
しかし、俺もまた、
最高のパフォーマンスを出せてはいない。

かいんがそう思う理由は、
かいんの勇気のなさにあった。
次の1撃で倒されるかもしれない、と思うと、
すぐにベホイミを使ってしまう。
何度倒れてもいいと思いつつも、
いざとなると守りに走って、倒れるのを怖がった。
そう言う理由で、
HP45の状態からベホイミを使ってしまうことが、
たびたびあった。
一方で、100ほども回復できるベホイミを
そんなに早く使ってしまえば、
その回復力をフルに発揮できないことになる。
かいんのHPの最大値は130しかないのだ。
できれば、
HPが30以下にならなければ、
使いたくないところである。
倒れたくなければ、
倒れるかもしれないほど攻める必要があるのだ。
倒れる覚悟ができていないから倒れてしまうのだ。

かいんの決意には勇気がいった。
当たりどころが悪ければ、
いつ倒れてしまうとも知れない状態でも、
ベホイミのタイミングを敢えて1つ遅らせた。
倒れずに済む見込みだってあるのだ。
多少のギャンブルをしなければ、
竜王には勝てない。
慎重かつ大胆に踏み込み、
竜王の皮膚を斬り付けるかいん。
毎ターンのギャンブルを続けながら、
かいんは、小さく確実に竜王の皮膚に傷を重ねた。
6や7の攻撃を重ね続けたかいんに、
竜王の顔がゆがんだ。
そして、
ついにそのときはやってきた。
かいんが振り下ろしたロトの剣は、
今までの最高の切れ味を見せた。
9ものダメージを与えて、
ついに竜王を沈めたのだ。
あと1度ベホイミを使える余裕を残しての勝利だった。


勝った!
と、かいんは後ろに倒れ込んだ。
疲労の極みだった。
何度諦めかけたことか。
何度竜王に屈しそうになったことか。

あまりの喜びに、
あまりの解放感に、
竜王の玉座から転がり落ちた光の玉のことなど、
全く気がつかなかった。
そもそも、この旅のはじまりが、
光の玉を取り戻すという目的だったことなど、
全く覚えてもいなかった。

かいんが覚えていなくても、
玉からは、勝手に光が溢れ出した。
そして、
竜王に脅かされ続けたアレフガルドは、
光に包まれ、脅威から解放され、平和を取り戻した。


かいんの活躍を
人々は、あなたのおかげだと称えた。
勇者かいん万歳、と喜んだ。
ゆう帝も、ミヤ王も、
ロトの剣と鎧と印を見せても、
勇者の証拠でもあるのか?と言っていた町人も。
皆が皆、かいんに敬意を払った。
ラダトームの新参兵とて、例外ではない。
呪いのベルトを3本も身につけているかいんを見ても、
もはや細事を言うことなく、
かいんを王のもとへと勧めた。


王は、かいんに祝福の意を示し、
かいんに王位を譲って、
この国を治めてほしいという旨を口にした。

しかし、
かいんの気持ちは、
すでにアレフガルドの外へと向いている。
竜王が進撃しようとした、
アレフガルドの外の世界。
だから、かいんは、
王のこの申し出に「いいえ」と答えた。

「いいえ」と答えるだけなら、
今までのかいんにでもできたことだろう。
しかし、今、
かいんは、真の勇気を絞り出そうとしていた。
「いいえ、王様・・・」
そこまでは出たが、
かいんの次の言葉はなかなか出て来ない。
言おうとしている言葉が、言葉として出て来ない。


かいんには悩みがあった。
しかし、
悩んでも仕方のないことだ、
と、悩みを放棄するばかりの日々を送って、
かいんは、ずっとやってきた。
ところが、あるときをきっかけに、
かいんは旅をしながら、
少しずつ、悩みを解決しようと努力するようになった。

かいんの悩みとは、
人前で話すことのできない悩み。
悩みを話せないのではない。
話せないことを悩んでいた。
意思表示はできる。優柔不断でもない。
イエス、ノーは、即座に決めれるし、即座に答えれる。
しかし、
そのイエスの理由を説明するとなると、
イエスの結果どうしたいのかを説明しようとすると、
言葉が出て来ない。
考えがあっても、言葉が出て来ない。
失語、だった。
言葉を選ぶのに時間がかかる、
選んだ言葉が発音できない。
かいんの返答を待つ沈黙が、
いつもかいんを苦しめた。
早く何かを言わなければという気持ちが、
かいんに、いつも追い討ちをかけた。
だから、
いつしか、かいんは、
話すことをやめた。
意志表示だけをしておけば、
ほとんどのことは、それで事足りる。
そう思うようになった。
そして、悪態をつくようになった。
会話ができない行き場のない苛立ちとも言えるし、
悪態によって、
会話をする場を減らそうとしていたとも言える。

しかし、あるとき、きっかけがあった。
話をしたい、と思う気持ちが再び芽生えた。
それは、ローラ姫と出会ったときだった。
はじめは、
ただ、
洞窟からラダトーム城まで運べばいいだけだと思った。
ところが、
呪われの身であったことが原因で、
ローラ姫を城へと戻すことができなくなった。
それから、しばらくの間、ふたり旅が続いた。
ひとり旅と違って、
黙っているのは不自然な旅。
かいんが今まで経験していなかった旅。

特段ローラ姫と話がしたかったわけではない。
ふたりでいるにもかかわらず、
沈黙が続くことが苦手だった。
町での会話も、城での会話も、
用事が済んだら終わりを迎える。
いつまでも会話が続くこともなければ、
用事が終われば、
その会話の場から立ち去ることもできる。
しかし、
ふたり旅をしているのならば、話は別。
常に会話ができるチャンスがあり、
常に沈黙を恐れなければならないピンチもある。
ピンチだからといって、
場を離れることもできない。
ふたり旅は、常に会話の場での旅だと言える。

それをきっかけに、
かいんは、
密かに、会話の練習をするようになる。
ひとり旅のときには、
魔物に向かって話すこともした。
ふたり旅のときには、
ローラ姫と会話をしようと考えたこともあった。
しかし、
ずっと会話のセリフを考えてはいたものの、
いざ口にしようとすると、
どうしても身がこわばって言葉が出なくなる。
心臓を握られたかのように苦しくなり、
呼吸が乱れて、舌や唇が渇いた。
会話をしたいという気持ちがあるだけで、
結局、ローラ姫ともまともに会話ができなかった。
先は長いものだと考えていた。
ずっと心構えと練習をしている、
長くローラ姫と居続けることで、
きっと言葉が出せるようになると信じた。
しかし、
状況の変化は突然訪れた。
ラダトームの町の老人が、
かいんの呪いを解いてしまったのだ。
かいんは、ローラ姫を手放さなければならなくなった。

確かに、ローラ姫を足手まといだとも思っていた。
自分に気を持つローラ姫を煩わしくも思った。
ローラ姫のその気持ちが、
逆にかいんの言葉に歯止めをかけるのだ。
気持ちを知ってしまうと、
簡単に言葉をかけれなくなった。
そういう意識をしないでいられたほうが、
まだ言葉を発しやすかった。

ローラ姫と別れた後も、
かいんは、ひとりでも会話の練習を続けた。
しかし、心で思っても、
言葉にすることは難しく、
ひとりごとをつぶやいたり、
魔物に話したりするのがせいぜい。
かいんは、まだ、
きちんと言葉を発することができずにいた。


「いいえ、王様・・・」
それ以上の言葉が出ずに、
呼吸だけが乱れる。
もし「はい」と答えるだけなら簡単だっただろう。
王位を継ぎ、この国を治めるという決断をしたのなら、
きっと、簡単に事は運んだのだろう。
自分も、きっとここまで苦しまなかっただろう。
と、かいんは思う。
しかし、
かいんの気持ちは、
もう外の世界へと向いている。
王位を譲ると言われて「いいえ」と答えるには、
それなりの理由を説明する必要がある。
かいんが、今まで決してすることができなかった、
意志表示の理由の説明。
しかも、
この場は、ローラ姫とふたりだけの場所とは違う。
国中の人々が、
今まさに新しい王が誕生するのかもしれない、
と、見守る公すぎる公の場。
しかも、
いま自分は、
その人々の期待を裏切るような発言をしようとしている。
はじめての会話。
はじめての説明。
それが、王位の継承の儀。
はじめての舞台が、あまりにも大きすぎる。
そして、あまりにも重すぎる。

しかし、かいんは、言わなければならない。
そうすると、自分で決めているのだ。
この国を出て、
アレフガルドの外の世界で、
自分の国を探すのだと決めているのだ。

「いいえ、王様・・・私の治める国があるというのなら・・・」
かいんの言葉は、またそこで詰まった。
かいんはまた呼吸を整えた。

今までのかいんの態度を見ていると、
今までのかいんの発言を聞いていると、
かいんが言おうとしていることが、
王にもわかっていた。
しかし、ラダトーム王は、
かいんの意志を理解しても、
かいんの発言の場所を奪うことはしなかった。
ただ、黙って、かいんが次の言葉を発するのを待った。
かいんの勇気を信じた。

かいんは、
今までの冒険の中の、
どの場面よりも大きな勇気を振り絞ろうとしていた。
今までできなかったことをしようとする勇気。
今まで言えなかったことを言おうとする勇気。
かつてのかいんでは、
きっと、これを成し遂げることができなかっただろう。
しかし、
竜王との戦いの中で、
かいんが手に入れたものがある。
できないかもしれないことに挑む気持ち。それである。
竜王との戦いの中でのひとつの決断。
倒されるかもしれないのに、さらに1歩踏み出す勇気。
恐ろしいことに立ち向かおうとする勇気。
そして、
かいんの勇気は、
今ついに流れ出していた。

「私の治める国があるなら、それは私自身で探したいのです!」
勇気と一緒に、涙も流れ出していた。

王位継承を断られたのに、
ラダトーム王の顔は嬉しそうだった。
それを見守っていた国中の人々も嬉しそうだった。
ひとりが、
「勇者かいん!万歳!」と声を上げた。
すると、人々は、それに続くように、
次から次へと声を上げた。
勇者かいん!万歳!
勇者かいん!万歳!

それを見たかいんの涙は止め処なかった。
ついに、勇気が出せた。
ついに、今まで出せなかった最後の一歩が踏み出せた。


かいんが、
城を出ようとすると、
「待ってください!」と、
ローラ姫が走り寄ってきた。
「そのあなたの旅に、ローラもお供しとうございます!」

かいんは、もはや拒まなかった。
どうせ断っても、ついて来るのだとわかっていた。
「嬉しゅうございます!ぽっ!」
と、かいんに腕を絡めるローラ姫を
かいんは肘で軽く突き放した。

そんなに近寄るな、バカ。

いいじゃありませんか、かいん様。

手を握るな。

そんな・・・ひどい・・・

そういう顔をするな。

なーんて。えへへ。

バカ。





そして、かいんの新たな旅が始まる




To be continued to ドラゴンクエスト2








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