ドラクエ1冒険日記(6) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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      読むドラゴンクエストの世界へようこそ。

マイラの村に、よしりーんという老人がいたという。
そして、そのよしりーんは、
リムルダールへと旅立ったのだという。
よしりーんは、不思議な笛を持っていた。
その笛は妖精の笛と呼ばれ、
妖精たちがゴーレムを眠らせるのに使ったのだと言われている。
その妖精の笛が、
どういう経緯でよしりーんの手に渡ったのかはわからない。
しかし、
どういう経緯でかいんが手にしたかはわかる。
当然である。
今、かいんは妖精の笛を手にしているのだから。

それはリムルダールで。
お金持ちだと噂のゴールドマンを倒すのに、
薬草を5個も使って、
120ゴールド出資した割りに174ゴールドしか得られず、
大して利益が出ないじゃないか!
と、誰をともなく罵りながら宿で一泊したときに、
かいんはよしりーんなる人物と出会うことになった。
かいんは、
よしりーんが妖精の笛を持っているのかと思っていたが、
よしりーんは、どういうわけか、
自分では笛を持ち歩かずに、
マイラの温泉の近くに埋めてしまったのだと言った。

それを聞いて、かいんはふと思い出した。
リュウマチを竜町と聞き間違えて、
マイラの温泉娘に激怒して地面を蹴ったところ、
棒状のゴミを見つけてしまったことがあった。
あの棒が、実は妖精の笛だったのだと、
かいんは遅ればせながら気付いた。
そして、
中途半端なことすんな、もうろくジジイ!
と吐き捨ててリムルダールを出て、
マイラへと戻った。
くそっ!
何度も往復させやがって!
毒の沼地に自ら何度も飛び込む気持ちが、
お前にわかるか!ジジイ!
俺が勇者だから恐れずに飛び込めるだけだぞ!
勇気があるからだぞ!
俺は勇者だからなっ!
と、勇気のないかいんはそろそろと沼地に足を入れて、
痛っ!と跳び上がる。
一度そこで命が尽きた沼地が、
恐ろしくて仕方のないかいんである。



マイラに戻って妖精の笛を手に入れたかいん。
ことのついでに、
マイラ北西の祠へと足を向けた。
その祠の老人が言うには、
銀の竪琴と雨雲の杖を交換してやろう、とのこと。
かいんは、
聞かれてもないのに「いいえ」と答えようかと思った。
竪琴を持って来なくても杖を渡せ、
という意味である。
毒舌にして内気なかいんが、
唯一得意とする会話が、
イエスノークエスチョン。
「はい」と「いいえ」だけはハッキリと答えられる。
それ以外の会話となるとてんで苦手で、
何も言えない挙句、
ぶつぶつとひとりで誰にも聞こえない暴言を吐くのみ。
結局のところ、
イエスノークエスチョンでない老人の言に、
もうろくジジイ2という名前を付け、
チッと舌打ちをして祠を出て、
よくわからない杖のために竪琴を探しに行くことになった。



銀の竪琴とは、
魔物を呼び寄せる竪琴だという。
そして、その竪琴はガライの町にあるのだという。

1度はガライの町に行ったこともあるかいんだが、
鍵を持っていなかったこともあり、
町のすべてを歩いたわけではない。
今、鍵を持ったかいんが、
ガライに再び足を踏み入れたが、
鍵のかかった部屋の中で得られた情報は、
はるか南にドムドーラという町がある、
ということだけ。

かいんは、その情報だけをもってして、
ガライの町を後にしようとした。
しかし、
町を出ようとして、またふと思い出したことがある。
ラダトームで、こういう話を聞いたことがあるのだ。
「暗闇の壁を押すがよい」と。

ふむふむ。
暗号か。謎解きか。
こういうものは、まずは平仮名に直すのが定石。
「くらやみのかべをおすがよい」
そして、文字を並び変えるというのがよくある手。
「かべのみくすをおやらがよい」

・・・
わかった!
「カベノミクスを親らが良い」!!
カベ氏の経済政策を親たちは良いと言っているのだ!
しかし、具体的にはどうしたらよいのか。

・・・
わかった!読めた!
壁のように堅いゴールドマンを倒すことで、
たくさん薬草を使う冒険者が増えて、
道具屋も経済的に潤うし、
冒険者もゴールドをそれなりに手に入れることができて、
アレフガルドの経済が良くなると、
親、つまりバカ父オルテガが言っているのだ!

・・・
・・・なんてことだ!
せっかく解いた暗号が、
俺に「かいん」という名前しか付けられなかった、
スパイラルバカの親父の単なる一意見だったとは!
かいんは、
バカ親父を蹴るかのように足を振り上げた。
そこに父オルテガがいるわけではないから、
かいんは壁を蹴るつもりでいた。
しかし、
壁だと思っていたそこに壁はなく、
宙を蹴ったかいんは、自分の勢いによろめいて、
見えない壁の向こう側に突き抜けた。

・・・
・・・フンっ!
わかってたぜ!
こんなことだろうと思った!
これが「暗闇の壁」の正体だ!
暗くて壁に見えていたところが、
実は壁じゃなくて通路だった、と、
そいういうことだと最初からわかっていたんだ。
カベノミクスなんてものは存在しないのだと、
最初からわかっていたぜ。
敢えて、フェイクの推理をしただけだ。
本気で間違ったわけじゃないさ。
もはや、かいんの言い訳の相手が誰だかはわからなかった。



誰にともなく言い訳をしながら、
ガライの町の奥の洞窟に辿り着いたかいん。
洞窟内でマホトーンの呪文を覚え、
はじめは苦戦していた魔物たち、
メトロゴーストやドラキーマや魔道士などの、
呪文を無効化することができるようにまでなっていた。
呪文を封じられていても、
ギラを使い続ける魔物たち。
バカめっ!かいんの笑いは止まらない。
特に、封じられているにもかかわらず、
ギラリホー作戦を使い続ける魔道士は、
もはや滑稽でしかなかった。
俺がドラゴンを倒すために考えた作戦だ。
自分が考えた作戦を自分で破れないとでも思ったか!!

そんな強気なかいんの態度が一変するのには、
さほどの時間はかからなかった。
洞窟の階層が深くなると、
がいこつだと思って戦っていたら死霊の騎士だったとか、
リカントだと思ったらリカントマムルだったとか、
ドロルだと思ったらドロルメイジだったとか、
そっくりさんの強い魔物たちが出てきたのである。
しかも、
その強敵たちを切り抜けて、
やっと見つけた宝箱に入っていた呪いのベルトを
装着してしまったのである。
「どうだ!呪いの騎士だ!」
などと強気なことも言えなくなったかいん。
呪われてからというもの、
どうやら魔物によく見つかるようになってきているようなのだ。


呪いの騎士と化したかいん。
さすがに冷静ではいられなくなり、
ガライの町の洞窟を急いで出て、
ラダトームのお城へと戻る。
ところが、
呪いの騎士をお城の兵士たちが通してくれることはなかった。
「呪われし者よ、出て行け!」
と、兵士たちに追い払われるばかり。



よしわかった!
そっちがその気なら、こっちにだって考えがある!
そして考えたかいんの作戦は、
ローラ姫人質作戦だった。

以前ドラゴンを倒して、そのまま放置していたローラ姫。
姫と同行して城に戻れば、
いくら呪いの騎士とはいえ、
王の前まで通さざるを得ないだろう。
そう考えたかいんであったが、
姫の顔も知らない新参兵士なのかどうか、
ローラ姫をこれ見よがしに抱き抱えるかいんを見てさえ、
「呪われし者よ、出て行け!」
と追い出そうとする。

くそっ!
このダメ兵士めっ!
お前たちじゃらちがあかない!
上のものを呼べ!
と言いたいかいんは、しかし内気すぎる勇者。
もちろん、相手が新参兵士だとしても、
そのような発言をできるはずもない。
「はい」と言わないことで、無言の抵抗をするのみだった。

助けたくもないローラ姫を連れ帰ったというのに、
なんて待遇だ!
「そんな・・・ひどい・・・」
と、言いたくなる心境のかいんである。

結局、
城に入ることができないかいんとローラ姫は、
ラダトームの町の宿屋で一泊することになった。
次の朝、宿の主人からこう言われる。
「おはようございます。昨夜はお楽しみでしたね。」

楽しくねーよ!バカヤロー!





かいん:レベル11
鋼の剣、鋼の鎧、鉄の盾
重要アイテム:太陽の石、妖精の笛




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