また、サンタローズの件をデール王に問い正すため、
カインはラインハットへ向かった。
ラインハットに向かうにあたっての、
頼もしい仲間、ブラウニーのブラウン。
それと、あまり頼もしくない仲間、スライムのスラりん。
2匹の魔物と心を通わせ、
カインとヘンリーは進む。
ラインハットでは、
国民に高い税を納めさせ、
その税収でモンスターまがいの傭兵を雇うという、
悪政が繰り広げられていた。
カインとヘンリーは、
まずはどうしても、
デール王と話さなければならないと思っていた。
だから、秘密の通路を使って、
ラインハット城に侵入する。
秘密の通路の途中で、
カインたちは不思議な状況に遭遇した。
なんと、地下牢に、太后が捕らえられているではないか。
カインとヘンリーは一瞬わけがわからなかった。
太后は言う。
偽者の太后が、自分に成り代わって、
この国を手中に収めようとしている、と。
なるほど。
カインには事の真相が見えてきた。
太后は、デールを王にするために、
ヘンリーを亡き者にしようとした。
もしかしたら、
ヘンリーの父王をも亡き者にしたのかもしれない。
しかし、デールに王位が引き継がれてすぐに、
自分もまた地下牢に幽閉され、
偽の太后によって、この国は支配されてしまった、
という真相。
しかし。
と、カインは考える。
ヘンリーがどう思ったかわからないが、
カインからしたら、
だからサンタローズの件がデール王の責任ではない、
ということにはならない。
太后が本物であろうが偽者であろうが、
デール王が国の最高責任者という事実は変わらない。
デール王が、邪悪な行いと知りながら、
サンタローズ壊滅を阻止しなかったという事実も変わらない。
カインはデールを良く思っていなかったし、
デールを助けたいとも思っていなかった。
ただ、ヘンリーとの友情はある。
ヘンリーが、デールを助けたいと思うのであれば、
カインがそれに手を貸すのは、やぶさかでもないことだった。
秘密の通路を抜けた一行は、
デール王の間へ向かう。
そして、デール王に、偽太后の件を報告する。
デール王は驚き、
そして、その対策として、
真実を映し出す不思議な鏡の入手を依頼する。
真実を映し出すラーの鏡ならば、
太后が偽者であることを見破れるかもしれない。
そう考えてのことであった。
ラーの鏡が眠るのは、
修道院により近い神の塔。
そして、神の塔に入れる者は、
神の洗礼を受けた修道僧だけ。
カインとヘンリーは、
すぐに修道院のマリアを頼った。
一方で、マリアは驚いていた。
今まさに、カインとヘンリーの、
旅の安全を祈っていたところだったのだから。
マリアは2人に運命を感じずにはいられなかった。
さらには、
自分が神に受け入れられているかを確かめたいとも思っていた。
神の塔に入れるかどうか、というのは、
マリアにとっても重要な試練であった。
「私、足手まといにはなりませんから。」
「マリアさん。いや、マリア。大丈夫、足手まといなら、もうスラりんがいるから。」
「ピキー!」
「スラりんさんが怒っていますよ。彼は足手まといなんかじゃ・・・」
「そうだな、スラりんには足も手もないからな。」
「ピキキー!!」
楽しそうなのかどうなのか、
よくわからない会話を後目に、
カインは神の塔を上って行く。
そして、塔の頂にて、ラーの鏡を発見するに至る。
ラーの鏡を手に入れた一同は、
すぐにラインハットに戻り、
偽太后の正体を暴く心づもりができていた。
ところが、これと時を平行して、
デールも行動を起こしていた。
それは、地下牢の本物の太后を助け出し、
偽太后と鉢合わせさせるというものだった。
しかし、こともあろうに、
デールは2人の太后の区別が付かなくなり、慌てふためく。
ちょうどそんな折りに、ラーの鏡は届けられた。
正体が露わになった偽者は、
苦し紛れにカインに襲いかかった。
そんな偽太后をカインは簡単に叩きのめした。
この偽太后撃退を可能にしたのが、
スラりんの持ち前の素早さだった。
スラりんは、誰よりも速く行動し、薬草を使い続け、
偽太后の攻撃に隙を与えなかったのであった。
さて、偽の太后を倒したはいいけど、
10年前のヘンリー誘拐と殺害未遂については、
どう言い逃れる、太后?
王として、サンタローズを滅ぼした罪を
どう弁解する、デール?
カインはその答えを待ったが、
言い逃れも弁解も、彼らはしなかった。
なぜなら、もはや罪の意識がなかったのだから。
この罪の免除の意識が、
カインには信じられなかった。
罪のことごとくを偽の太后のせいにして、
すがすがしい顔をしていられるのが信じられなかった。
カインには、信じられないことであったが、
これが、ここラインハットでの常識であり、
法律に則った考え方であった。
現にヘンリーは、過去に誘拐されているにも関わらず、
太后を許し、
自分もまた、ラインハットに残ると言い出している。
カインは、これにも若干驚いていた。
ヘンリーは過去に、こんなことを言っていた。
「カイン、お前はいいな。母探しという目的があるもんな。その点俺なんか、ラインハットに帰っても居場所なんてないし。お前がうらやましいぜ。」
あの台詞をして、今の行動があり得るのか、と。
他人をうらやましがっておいて、
結局は王家に戻るのか、と。
そう思わないでもないカインだったが、
まあ、冷静に考えると、
自分の育った場所に帰れるチャンスがあったとして、
それをみすみす棒に振ることもないだろう、と、
ヘンリーの行動を正当化して考えるカインだった。
自分の育った場所・・・。
そう考えて、サンタローズを思い出すカイン。
やっぱり、どうにも納得がいかないカイン。
納得はいかないが、報復もできない。
大人になるとはなんと辛いことだろう。
辛い気持ちをぐっと飲み込むカインであった。
ヘンリーの抜けた穴は、
とりあえず、スライムナイトのピエールが補うこととなり、
カインは、ラインハットを旅立つのだった。
カイン:レベル15、プレイ時間5時間48分
パーティー:カイン、ブラウン、スラりん、ピエール

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