そして、
師エドガンの仇であるバルザックの情報をずっと探していた。
なんでも、憎きバルザックは、師エドガンを殺害した後、
悪魔に魂を売ってしまったという噂も耳にしていた。
洞窟の中に居ながら、どうして外界の情報を得られるのか。
それは、科学者の弟子だから、である。
錬金術師たるもの、
ちょっとした盗聴器やトランシーバーのようなものを作れる。
受信機を手元に置いておき、
発信機の方を洞窟のモンスターなどにくっつけておけば、
うまくいけば、町や城の近くで落としてくれる場合もあり、
そこから、わずかながら情報を得ていたのである。
もちろん、モンスターを頼る手段は、非常に確率の低いことであり、
試した回数は100や200じゃきかなかった。
そんなオーリンも、傷が癒えてきて、
手に入れたわずかな情報をもとに、バルザックを探し、
師エドガンの敵討ちに乗り出そうとしたところだった。
ちょうど、そんなときに、マーニャとミネアは現れた。
姉妹は、コーミズの村で、
オーリンが、ここで傷を癒していることを知って、
探しに来てくれたと言う。
3人はすぐに目的が一致し、
協力して仇のバルザックを探すのだった。
さて、合流したはいいが、目的地を失った3人。
バルザックの居場所の情報は、まだ掴めていなかった。
そこで、以前悪い噂を聞いたキングレオ城を目指すのだった。
キングレオ城の城門は固く閉ざされていたが、
オーリンは自身ありげな顔をして言う。
「鍵の掛かった扉があったら、私にお任せください。」と。
何を隠そう、オーリンは「魔法の鍵」を持っていて、
牢屋以外の扉をすべて開いてしまうことができた。
もちろん、こんな鍵を作れるのも錬金術のおかげである。
キングレオ城に入りたいマーニャたちは、
当然オーリンに、扉の開錠を頼んだ。
オーリンは、得意げに、
「お任せあれ」とポケットの中を探った。
ポケットの中をしばらく探るうちに、
オーリンは大きな失敗をしていたことに気がついた。
それは、魔法の鍵を研究所に忘れてきてしまったこと。
忘れてきたのに、ポケットに入れたつもりで、
つい、自信ありげなことを言ってしまった。
引っ込みのつかなくなったオーリンは、
扉の前に立ち、腕力で扉をこじ開けることを試みた。
意外にも、扉は簡単に壊れて、中に入ることができ、
オーリンは、面目が保たれたとばかりにホッとした。
ホッとしながらも、
さも、最初からそうするつもりであったかのように振る舞い、
力こぶを作って見せ、目配せをするのだった。
キングレオ城は少し不思議な造りをしていた。
というのも、王の間が見当たらず、
調査によると、
どうも、大臣だけが知る隠し扉の向こう側に、
キングレオ王はいるらしかった。
キングレオ城の大臣は、いたって臆病なようで、
ちょっと大きな物音を立てただけで、
大臣を驚かせた罪として、
ハバリアという港町の牢屋に、
入れられてしまった人物までいるようだった。
キングレオ王の悪い噂を耳にしているミネアは、
一旦、キングレオ王にも会っておく必要がありそうだと思っていた。
一方、オーリンは、
キングレオ王こそがバルザックと繋がっているのではないかと、
直感的に感じ取っていた。
錬金術師見習いのカンである。
城を見回ってみると、ここでは怪しげな研究がされていたりして、
オーリンのカンを裏付けるような状況が出てきていた。
マーニャは、城にいる女性が、
着るものにも食べるものにも困らなくて、幸せいっぱい、
と言っていたのを鵜呑みにして、
自分もここにいたいので、王様に会ってみたいと思っていた。
そして、モンバーバラのリンダも、
こんなことなら、一緒に来ればよかったのに、とも思っていた。
三者三様の考えで、3人ともキングレオ王に会いたいと思い、
3人がかりで悪知恵を働かせることにした。
それは、臆病な大臣を脅かして、
王のところへ逃げていくのを追う、という単純な作戦であった。
そして、そのために、
ハバリアの牢屋に入れられてしまったという人物に、
どうやって大臣を脅かしたのかを聞きに行くのだった。
ミネア:レベル6、プレイ時間7時間58分

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